ソーシャルゲームのユーザー数はウナギ登り、モバゲータウンのページビューをわずか4カ月で2倍以上に

 

ディー・エヌ・エーはなぜ勝ち続けるのか――知られざる“テクノロジー”企業の姿(前編)

アイデアとそれを実現するエンジニアリングパワー
著者 : CNET Japan Ad Special、文・青山祐輔 写真・津島隆雄
URL : http://japan.cnet.com/extra/cr_dena/story/0,3800104206,20410313,00.htm

四半期ごとの業績発表を見ると、2010年3月期第3四半期(2009年10月から12月)は
過去最高の売上と利益となった。

2009年4月以降は主力事業のモバイル向けソーシャルネットワークサービス「モバゲータウン」の
不調が目立ち、売上高、利益ともに大きく数字を下げてしまった。

2009年10月以降は話題のソーシャルゲームの投入により、モバゲータウンの会員数、
ページビューは大幅に伸長する。
あわせて課金売上が業績を前述のように大きく押し上げることとなった。

ディー・エヌ・エーについては、南場氏のようなコンサルティング企業出身の経営者の顔や
モバオクでのKDDIを始めとする事業提携など、
“大人な”経営スタイルで事業を伸ばしてきたイメージが強かったが、
経営陣から発せられる言葉を解釈すると、どうやら成功の根底にはあるのは、
外部からは見えないエンジニアリングパワーにあるようだ。

必ずしも順調ではなかったモバゲータウンの道のり

再度、改めて最近のディー・エヌ・エーの業績について見てみることにしよう。

主力事業のソーシャルネットワークサービス「モバゲータウン」は、2010年2月の会員数が1700万人、
月間ページビューが517億という途方もない数字を叩き出している。

ソーシャルゲームの投入が売上高に与えた影響を見てみよう。
2010年3月期第3四半期の売上高は116億5500万円となり前年同期比24パーセント増に、
営業利益は52億2400万円(同32%増)、純利益は29億8500万円(同34%増)となり、
売上高と営業利益で過去最高を記録した。
このうちモバゲータウンに関連する売り上げは68億6600万円で、全体の58.9パーセントを占めている。

売上減少の理由は明白だった。
モバゲータウンの主な収入源である、有料のアバター関連の売り上げの鈍化だ。

「モバゲータウンが横ばいになって、競合他社が伸びている理由を考えると、
ソーシャルゲームの有無という理由は明白でした。
そこでまず負けているものに対してきっちりとキャッチアップして、そこで追い抜かないと、
今後の成長は見込めないと認識していました。
では、勝つためにどうしたらいいか。そこで、自分たちでもソーシャルゲームを開発する
だけでなく、(モバゲータウンのプラットフォームを)オープン化することで他社さんにも
ゲーム開発に参入してもらおうと考えました。」

2009年9月から10月にかけて「海賊トレジャー」「ホシツク」「怪盗ロワイヤル」「セトルリン」という
4つのソーシャルゲームを順次リリースした。この効果は絶大だった。

組織の変革によりスピード感が生まれる

2010年3月期第3四半期における、モバゲータウン内でのゲーム関連売り上げは、
前期の約4億4000万円から、およそ8倍増の約35億7000万円にもなった。

「事業の方向性が悪いときには組織を変えますよ。
モバゲータウンに関しては、2009年5月に大きく変えました。
細かいグループ分けを止めて、3つの大きなグループに分け、
グループ内で人の流動性を高めるようにしました。
今後も、さらなる成長を目指して、臨機応変に組織を大きく変えていこうと思っています。」

「従来は企画職がいろんなサービスの企画を出して、エンジニアがそれを作っていた。
ソーシャルゲームを作るところに限ってはエンジニアと企画職のメンバーを1対1のペアにして、
エンジニア自身が主体的に考えるようにしました。」(守安氏)

「企画書では、特にソーシャルゲームみたいなモノは面白いかどうかってわからないんですよ。
ソーシャルゲームを作りはじめたときに、企画書はいらないから、とりあえずモノを作ろうと言いました。
そしてできたモノを見たうえで、善し悪しを判断するようにしました。
その方が早いですよね。
それってエンジニアじゃないとできないんです。」

主体的なエンジニアが作るサービス。これによって生まれる事業のスピード感。
新たな事業の立ち上げを繰り返すことで、ディー・エヌ・エーがたどり着いたスタイルが
こういったものだったということだ。それがそのまま同社の強みとなっている。

ディー・エヌ・エーはなぜ勝ち続けるのか――知られざる“テクノロジー”企業の姿(前編) – CNET Japan

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