行動、対話、信頼

日本企業、特に大企業にとってこれまではコミュニケーション戦略のパートナーを担ってきたのは広告代理店であり、PR会社は主要なプレイヤーではなかった
しかしウェブを中心とした「市場との対話」が重要になるにつれ「広告」よりむしろ市場との「対話」を重視してきたPR会社のノウハウは日本でも注目をされつつある

対話と行動を通じてより良い関係を構築する

米エデルマンプレジデント兼CEO リチャード・エデルマン

●諏訪光洋(以下、諏訪)
エデルマンは「パブリック・リレーション(PR)からパブリック・エンゲージメントへ」という考え方を提唱しています
「パブリック・エンゲージメント」とはどういう意味なのか、という所から話をお聞かせください

●リチャード・エデルマン(以下、リチャード)
「パブリック・エンゲージメント」が意味するもの、それは「行動」と「対話」です
我々人間は意思をもって行動し、他者と対話を行います
企業も同様です
利益をあげるため、成長するための経済行動にはなりますが、社会の中で意思を持って行動を行い、外部とコミュニケーションを行っています
広告などの一方的なコミュニケーションの結果だけではなく、行動全体や対話が社会との関係を築くものであり、外部との関係がどんどん重要になっている
対話と行動を通じてさまざまなステークホルダーとの関係を築く
信頼を得て、目的を共有し、より良い関係を構築する
それが「パブリック・エンゲージメント」です

●諏訪
つまり市場に対して表面的で一方的なコミュニケーションを行うのではなく、企業はより深い部分で社会と対話を行う必要があるということですね
確かにTwitterなど新しいテクノロジーやサービスも生まれ、企業もそういったサービスを社会との対話に使い始めています
こうした環境の中で、企業が心がけるべきこととエデルマンのようなPRコンサルティング会社が提供するサービスの価値はどこにありますか?

●リチャード
質問の最後から答えましょう
我々のようなPRコンサルティング会社のサービスには「メディアとの関係構築」という重要なミッションが含まれています
企業に適切なメディアを選び、関係を構築する
最近では(あなたが指摘をした)ユーザーとの直接的な対話も含まれ始めています

ブログを通じた対話もそうです
「インフルエンサー」と呼ばれる人々への働きかけも大切です
すべてのコミュニケーションを「エンゲージ」したいターゲットに対して適切に配置する必要があります
ある大学教授が最高のインフルエンサーであることもあります
各国政府の窓口かもしれません
企業の熱烈なファンであるユーザーは重要ですし、あるいはその組織で働く従業員こそ、対話をする必要があるかもしれません

今や企業にとって、あらゆる人々がステークホルダーになり得ます
そして企業はすべてのステークホルダーに対して対話をする必要があります
エデルマンのような企業はそのために存在しています

●諏訪
ちょっと意地悪な質問なのですが、企業は今やWebやソーシャルなツールを使って顧客と直æŽ

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