デジタル・マーケティングの4本柱 @jic_news #adtechtokyo2010

将来において企業のマーケティング活動は「デジタル」を中心に考えるべきだとし、その成長のドライバーとなる要素として、Chow 氏は「4項目の課題」について語った

● クラウド+モバイルが更に成長する

Chow 氏はまず、要素のひとつに「技術」を挙げた
Google では0.02秒という驚異のスピードで検索できる技術はスーパーコンピューターが支えているといい、今までは遠い存在だったスーパーコンピューターの上で今までにない新しい価値を生み出せば、人々の生活が豊かになるだけでなくデジタルマーケティングの新たな市場を生み出すことができると語った

スーパーコンピューターとクラウドサービス、そしてパソコンの8倍のスピードで発展するモバイル・ウェブを組み合わせたビジネスモデルは今後ますます成長するだろうと展望を語った
特に、インドやアフリカ地域などはパソコンでのブロードバンドが普及する前にモバイルからインターネットに接触する人口が増えており、ネット先進国を上回るスピードでモバイル市場が成長する可能性があるという

検索技術の分野とモバイルの可能性にも言及し、Google でも「Google goddles」という画像検索サービスを研究しているように、テキスト検索、音声検索に次ぐ「画像検索」がモバイルによるデジタルマーケティングに新しい価値を提供するとし、たとえば気になる商品の画像を携帯のカメラで撮影し、その画像を元に画像検索をすれば、その商品がオンラインですぐに手に入るなど、今後の新しいビジネスへの可能性を示した

● デジタルマーケティングは儲からなければならない

次に挙げた要素は「経済性」だ
新しいテクノロジーやマーケティングソリューションを企業が採用するにあたっては、その導入コストを上回る価値を求めなければならない
「リターンがコストを上回る構造が重要だ」と Chow 氏は語る

その「デジタルマーケティングで得られる価値」を証明するためには、その価値を測る必要があるとし、適切な指標の策定とデータの蓄積、応用が重要だとした
企業がデジタルマーケティングに適切なコストを投資するための判断要素となる、わかりやすい指標と得られるリターンを測るためのデータを、テクノロジー企業や広告会社は追及しなければならない

Google は、検索サービスなどで蓄積されたデータ、つまりインターネットの利用傾向や利用者のニーズなどのデータをビデオ広告やディスプレイ広告などの分野に応用するとしており、「ディスプレイ広告をもう一度 Sexy なものにしたい」と期待を寄せた

● マーケティングとエンターテインメントの区別がなくなる

次の要素に、 Chow 氏は「クリエイティブ」を挙げた
インターネットの登場によって、広告には「消費者がすすんで参加する」という要素が加わった
ブランドは「企業が広告するもの」から「消費者がエンターテインメントするもの」へと変化し、それによって企業と消費者との間にポジティブなエンゲージメントを構築することがマーケティングの中心になる

Chow 氏によると、海外の YouTube などを活用した広告では、Twitter に寄せられた消費者の質問や疑問に対するアンサーを YouTube 上に動画をアップして提供したり、YouTube の動画の中で視聴者が投げかけられた質問にアクションするキャンペーン(アメリカ Tipp-Ex 社の事例)など、「消費者との対話」を意識したキャンペーンが数多く成功しているという
それらは多くの参加者を集めただけでなく、ブランド認知や商品の購買など実際の事業にインパクトを与える効果をもたらしたという

アメリカ Tipp-Ex 社の YouTube 動画。ハンターがタイトルの一部を消して、そこに文字を入力するよう促される。すると…。
アメリカ Tipp-Ex 社の YouTube動画。ハンターがタイトルの一部を消して、そこに文字を入力するよう促される。すると…。

従来の「ブランドを露出させるために媒体を買う」という広告の取り組みだけではない、マーケティング・コミュニケーションの垣根を超えたエンターテインメント性をによって消費者と企業がポジティブな関係を築くという作業が今後のデジタルマーケティングに求められると語った

● 社会が拒否すれば、それはイノベーションにならない

Chow 氏は最後に必要な要素として、「社会」を挙げた
新しいテクノロジーを生み出しても、どれだけの人たちがその新しい技術、新しい価値を受け入れてくれるかによって、そのテクノロジーの本当に価値が決まる
「テクノロジーが持っているチャンスは、社会が受け入れるか否かでその生死が決まる」と Chow 氏は語る

技術やイノベーションを追及する企業は、イノベーションと社会がもつ「技術に対する信用」との間に、「越えてはいけない一線はどこにあるのか」という命題を考える必要があり、どんなに革新的な技術であっても、それが本当にイノベーションかどうかは「ユーザーが決めることだ」と語った
イノベーションを考える上で「利用者の声、社会の声を聞く」という作業は必要不可欠であり、それがすべてだ
その証明として、社会にイノベーションとして受け入れられた YouTube は世界中のユーザーから愛されるサービスになった

● マーケティングは常にチャレンジだ

スピーチの最後に、Chow 氏は企業のマーケティング活動の在り方について提言した
Chow 氏は「広告主は将来の理想像を描き、チャレンジし続ける必要がある」と語り、変革するデジタル社会に対して「従来の常識、方針、活動」が変わることを恐れ、チャレンジに消極的になる企業に対して警鐘を鳴らした

そのような消極的な姿勢を変えるためのひとつの方法は、「世界の先進的な企業が様々なデジタルマーケティングを実践し、事例を示すことでチャレンジの成果を実証しなければならない」とし、ad:tech tokyo に参加しているデジタルマーケティングのトップランナーが様々な課題を見つけ、解決し、拡大するデジタル広告市場をドライブしていこうと呼びかけた。

デジタルマーケティングの将来に必要な「4つの要素」- ad:tech tokyo 2010 が開幕 – japan.internet.com

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