電子書籍の管理と収益 ~ Jコミ vs. amazon @asciijp

出版社は、電子化しネットの海に放たれ始めたコンテンツをどこまで管理すればいいのか
そして、それによって収益を確保し続けることができるのだろうか

漫画家の赤松健氏が2010年11月にスタートさせた広告型無料マンガ配信サイト「Jコミ」は、その問いかけへの1つの強烈な回答であったと感じている(関連記事

絶版漫画の無料公開を謳って2010年11月にスタートした「Jコミ」
人気漫画家自らがプラットフォーム事業者となったこと、そして大胆な著作の無料公開が話題を集めた

「Jコミ」はあくまでも絶版となり、出版社のビジネスから外れた作品を対象としているが、氏の「DRM(デジタル著作権管理)は一切かけない」「複製し再配布も自由」という方針は、従来の流通経路と価格をコントロールすることで収益化を図るビジネスモデルとは一線を画すものだ

一方で、国内ではまだハードウェア、コンテンツともに正式販売されていないにも関わらず前評判の高いAmazonのKindleは、独自DRM(AZW方式)でコンテンツをパッケージしている
しかしAmazonは、電子書籍端末としてのKindleだけでなく、ありとあらゆるプラットフォーム向けにソフトウェア版のKindleを提供することで、利用者がDRMの存在を意識することなく読書を続けられる世界を実現しようとしている

流通をコントロールせず、徹底的にユーザーの手にコンテンツを委ねて(おそらく)少しずつ返ってくる収益を蓄積して分配するか、あるいは、インフラとコンテンツのラインナップを徹底的に整備して、プラットフォームやDRMの制約を意識させない「世界」を作り上げ、ユーザーの支持を獲得するか

どちらも特定の端末やプラットフォームに読者を囲い込む戦略ではないことも興味深い
JコミとAmazon、2つの対照的な動きは今後も要注目だ

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