「おい、小池!」火葬寸前だった – 社会ニュース : nikkansports.com

 交番や警察署に張られたポスターで知られる「おい、小池!」は火葬寸前だった。徳島市の父子殺害で指名手配中の小池俊一容疑者(52)の死亡が20日、確認された。事件から11年。遺体が見つかった岡山市の住民は「まさか」と驚き、被害者遺族は「生きて捕まってほしかった」と複雑な表情を見せた。

 県警本部や県庁にほど近い、岡山市北区にある8階建ての古い雑居ビル。住民男性(23)によると、小池容疑者は3階に女性と同居。がっちりとした中肉中背、少し茶色がかった短髪でほおがこけ、Tシャツやジーパン姿が多かった。

 小池容疑者の姿を見掛けるのは週に1度ぐらいだったといい、「こんにちは」と声を掛けると「うぃっす」と返された。

 約1カ月前、ビル階段で携帯電話をしていると、コンビニの袋を抱えた小池容疑者とすれ違った。目が合うと、振り返り、のぞき込むように何度も顔を見られたという。

 この男性は「手配ポスターを見たことがあるが、似ているとは思わなかった。まさか…」と絶句した。

 一方、殺害された松田優さん(当時66)の遺族。義理の姉春子さん(73)は「10年以上捜査してくれた警察の苦労は分かるが、生きて捕まらず複雑な気持ち。法で裁いてほしかった」と話した。

 優さんの遺族らは2004年9月「捜査に協力する会」を結成し、独自の懸賞金を設けるなどしていた。10年11月からは上限300万円の公的懸賞金の対象になった。

 県警が小池容疑者と気付いたのは、埋葬の許可などを手伝う葬儀業者からの通報だった。火葬寸前だった事態に、岡山県警の中尾幸司刑事部長は「コメントのしようがない」とした。(共同)

 [2012年10月21日6時29分]

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