まとめサイト、記事削除広がる リクルートなど

2016/12/5 2:00日本経済新聞 電子版

 特定のテーマの情報をサイト上にまとめる「キュレーションサイト」で、記事を削除する動きが相次いでいる。すでに問題となったディー・エヌ・エー(DeNA)だけでなく、リクルートホールディングスやサイバーエージェント、ヤフーも誤りや著作権侵害の疑いがある記事の公開を中止した。質よりも量を優先し、品質管理が不十分な記事が広がっていたことが明らかになってきた。

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一部の記事公開を中止したサイバーエージェントのサイト「スポットライト」

一部の記事公開を中止したサイバーエージェントのサイト「スポットライト」
 キュレーションサイトは外部ライターや投稿による記事を集め、多くは閲覧が無料。読者を集めるほど広告も入りやすくなる仕組みで、ここ数年急拡大した。DeNAは検索サイトで記事が上位に表示されることを優先して編集していた。

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 リクルートはキュレーションサイト「ギャザリー」で1日以降、全体の約4分の1にあたる1万6000件の公開をやめた。健康に関する内容が中心という。詳細な基準は明らかにしていないが、少しでも疑わしい場合が対象。記事の執筆者が取り下げを依頼したケースもある。社内の審査チームで内容を精査したうえで、再公開を目指す。

 利用者数が月2000万人いるサイバーエージェントの「スポットライト」は12月1~2日にかけ、全体の数%にあたる医療や健康に関わる記事の公開を中止した。編集部が認定したライターに記事を投稿させる仕組みで、掲載前に内容を監修する体制がなかった。

 DeNAの不正問題を受けてサイト内を見直したところ、記事に誤りがないと断定できない可能性が出てきた。内容の正確性や著作権侵害の有無を判断し、問題がなければ再公開する考えだ。

 ヤフーは10月上旬、運営するトレンド情報サイト「トリル」ですべての独自記事を事実上、削除していた。一部記事で権利者の許諾を得ずに画像を掲載していたことが発覚。編集部のチェック体制が不十分で、その他の記事についても著作権侵害の可能性を否定できないためだ。

 今のところ記事の再公開や新たな独自記事を掲載する予定はない。現在は広告主とのタイアップ記事などだけを掲載している。

 DeNAのキュレーションサイトを巡っては、10月ごろから記事の信ぴょう性などを疑う指摘がネット上で相次いだ。強い批判を受け、11月29日に医療情報の「WELQ」の公開を中止し12月1日には8媒体も追加で公開をやめた。

 唯一公開を続けているファッション情報の「MERY」も大半の記事を取り下げた。

情報源: まとめサイト、記事削除広がる リクルートなど

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