Amazon Dash Buttonは何がヤバイのか – Medium

Amazon Dash Buttonについて、人と話す機会が何度かあったので、
いかにAmazon Dash Buttonがヤバイかを毎度説明するのだが、
「あんな電池が一年で切れるデバイスは使えない」
「商品がドラッグストアよりも高いのに買うやつはいない」
といった的外れな答えが割と帰ってきて、もんにょりすることが多いので、私が思うヤバさを解説してみようと思う。

エンジニアリング的なヤバさ

Amazon Dash Buttonは、どう考えてもビジネスモデルから逆算してハードウェアを設計しているので、ハードウェアから設計して、ビジネスモデルを作ろうとしている連中は絶対に勝てない。

ビジネスモデルによってハードウェアに対する要求は大幅に変わる。
IoTデバイスはコスト、大きさの面でリソースが限られているため、限られたリソースをどこに割り振るかで、要求を満たせるかどうかが決まる。
Amazon Dash Buttonは自宅にWifiがあるという前提を置き、その前提において、1年で使い捨てにしていいという割り切りからデバイスを設計している。

このような割り切りは、ビジネスモデルが先行していなければ実現することはできず、ビジネスモデルが先行しているからこそ、日本メーカーからしてみたらチープなデバイスが生まれる。

加えて、IoTにおけるデバイスとソフトウェアは日進月歩であり、古いデバイスをサポートし続けると、そのせいでアーキテクチャの進歩が止まってしまう。
古いデバイスを適切に退場させることが、全体のアーキテクチャを健全に保ち、保守コストの低い状態を作り出す。

マーケティング的なヤバさ(メーカー編)

Amazon Dash buttonに対応した商品を見てみると、基本的には消費財で、なおかつ、低関与商材でしめられている。
低関与商材とは、消費者の思考が購買に関与しないで適当に買われる商品のことである。例えば、ガムやスナック菓子、飲料水、ジュース、洗剤など、どれを買っても性能に大差がないものがこれにあたる。

https://www.amazon.co.jp/s/ref=lp_4752863051_il_ti_digital-text?rh=n%3A2250738051%2Cn%3A%212250739051%2Cn%3A2408695051%2Cn%3A4752863051&ie=UTF8&qid=1484799258&lo=digital-text

低関与消費行動とは – 広告用語 Weblio辞書

低関与消費行動とは?広告用語。 自己とのかかわり合いの低い商品に対する消費行動のこと。かかわりの低い商品とは、間違った意思決定をしても知覚されるリスクがほとんど存在しない、そして、その商品と自我の関係が極めて薄く、その商品の使用結果…
www.weblio.jp

低関与商材の売上は、ほぼ広告によって決定されるといっても過言ではない。
どれを買っても大差がないからこそ、CMでよく聞いた商品をパッと思い浮かべて、消費者はそれらを買うのである。

それゆえに、消費財メーカーは、莫大な広告費を投下して、テレビCMを行い、自社の商品を消費者の無意識に刷り込む。
東洋経済の2015年の広告費トップ500を適当に眺めてみると、消費財メーカーが実に多いことがわかる(家電と車もブランドで購入されるため、とても多い)。
8位の武田薬品、12位の花王、16位のキリン、19位のユニクロ、21位のサントリー等々。

さて、低関与商材では、広告が売上に寄与すると書いたが、もう一つ強烈に寄与するものがある。それは、消費者は同じ商品を買い続ける、ということである。
そのため、莫大な広告費を投下しても、なかなか消費者は動かず、一人の消費者に自社製品を買うようにブランドスイッチをさせるには、数万円の広告費が必要というケースが良くある。

(ブランドスイッチコストの資料を挟みたかったが、いい資料が見つからなかった)

情報源: Amazon Dash Buttonは何がヤバイのか – Medium