くらしナビ・気象・防災:1人暮らし、防災の春 引っ越し後、散歩を兼ねて避難場所確認しよう – 毎日新聞

毎日新聞2017年3月31日 東京朝刊

「防災ガール」の田中美咲代表がいつも持ち歩くポーチと中身=東京都文京区で

 新年度が始まる。新たに1人暮らしを始める社会人や大学生、専門学校生にとって、胸躍る春だ。ただ、土地勘もなく、近くに知人や友人が少ないため、災害が起きたら心もとない。自由な生活を始めるに当たり、ちょっと防災について考えてみては。専門家に対策を聞いた。


たくさんの種類の防災用品が販売されている。新生活を機に災害に備えよう=東京都渋谷区の東急ハンズ渋谷店で

 「引っ越して、最初にすべきは最寄りの集合場所や避難場所を確認すること」。そう指摘するのは、日本大危機管理学部の福田充教授(危機管理学)だ。大地震が起きた場合、建物が倒壊したりして最短経路でたどり着けないこともある。「散歩を兼ねて周辺を歩き、土地勘を養っておくことが大切」とアドバイスする。

 多くの自治体は転入届を提出した際に防災についての資料を配布している。地域の「防災マップ」や「ハザードマップ」も用意しており、目を通しておくと周辺の特性が分かりやすいという。

 ●情報はラジオで

 自宅での備えで大切なのは水や非常食に加え、ラジオと懐中電灯だ。夜間に地震が起きて停電すると、どうしてよいのか分からない状況に陥る。そんな時、ラジオは情報の入手に威力を発揮する。ウエットティッシュやトイレットペーパーなどの衛生用品を多めに用意しておくと安心だ。地震の揺れで、たんすや本棚が倒れることがある。テレビも重心が高いため、寝床から離すことが望ましい。家具が動いたり、家屋に被害が出たりして閉じ込められないよう、地震が起きた際はすぐに扉を開けることも大切だ。

 ●存在知らせる笛

 福田教授は常日ごろ、100円ショップで買ったライトと笛のセットをキーホルダーに付けて持ち歩いている。家屋倒壊に巻き込まれた場合、声を出せない状態でも、笛なら吹けるかもしれない。日ごろから近所の人たちとあいさつをして自分の存在が認知されていれば、救急隊員が来られない場合でも、近隣住民に救出してもらえる可能性が高まる。

 ●伝言ダイヤル

 離れた家族や友人に、安全でいることを知らせたい。災害時に大きな被害を受けた場所では携帯電話の基地局が被災し、スマートフォンや携帯電話が使えなくなる。福田教授は、「公衆電話など回線が強固な電話を利用して災害用伝言ダイヤル(171)で安否を伝えることが現実的。事前に使い方を知っておけば安心だ」と説く。

 ●ポーチに日用品

 若い世代を対象に啓発活動を行う一般社団法人「防災ガール」(本部・東京都文京区)の田中美咲代表(28)は、日用品を入れたポーチを持ち歩くことを勧める。田中代表が持ち歩くポーチには、ライトと笛のキーホルダー▽ウエットティッシュ▽予備のコンタクトレンズ▽目薬▽生理用品--といった10種以上の日用品などが入っている。

 防災ガールは「おしゃれな防災」も追求しており、田中代表は「落下しても割れないシリコーン製の照明器具が、かわいくておすすめ。新生活を迎えるに当たり、防災について一回でいいので考えてみよう」と呼びかけている。

 東京消防庁はホームページで「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」を公開し、家具が避難路をふさがないための対策や家具の転倒防止策、ガラスの飛散防止策を紹介している。【山崎征克】

情報源: くらしナビ・気象・防災:1人暮らし、防災の春 引っ越し後、散歩を兼ねて避難場所確認しよう – 毎日新聞