「地域しごとづくりへの挑戦」地域しごと創生会議 編(2017)

地域しごとづくりへの挑戦」地域しごと創生会議 編(2017)

「やりっぱなし・頼りっぱなし・無関心」を改める
「行政はやりっぱなし、民間は行政に頼りっぱなし、市民は無関心」

五ヵ年計画を立てるに当たっては「何を達成しようとしているのか」を明確にする
「KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価資料)」という言葉があります
ビジネスなどで最初に指標を制定しておいて評価することを言います

やりっぱなしにならないためにPDCAサイクルを機能させる
PはPlanの頭文字で「計画」、DはDoの「実行」、CはCheckの「評価」、AはActの、評価に基づいて新たな行動を起こす「改善」を意味します
最後のAを、またPにつなげて、らせんを描くように向上させていくのがPDCAサイクルです

地方創生の要諦の一つは「いまだけ・ここだけ・あなただけ」という観点

人々が「帰りたい」「帰ろうかな」と思ったとき、しっかり受け止められる環境をつくることこそ地方創生の目的

観光は四つの要素で決まるそうです
「①四季がハッキリしており、②自然が豊かであり、③伝統文化・芸能芸術が奥深く、④食べものと酒がおいしい」の四つです

「その地にあるものの売り方」として…新潟の「レストランバス」
二階建てのバスを改造し、一階をキッチンに、二階をレストランにして、新潟の美しい景色を見ながら、地元のおいしい料理が食べられるという企画…
バスのレストラン部分には、バスが揺れても食器やビンが倒れないような工夫…
バスの天井部…強度と透明度がともに高い特殊なガラスが使ってあり、気候が良いときはそれを開いて風を取り込み、自然を肌で感じることができます…
バスは、季節に合わせてもっとも景色の良いところで駐車し、客は最高の景色と最高の料理を居ながらにして楽しめる…
日本海の夕日、妙高の雪景色、七夕の夜には美しい星空など、景色のオプションはたくさんあります…
土地代は無料、景色ももちろん無料です
最初からバスで連れていくので、交通の便が足かせになることもありません
バスの中で提供される料理の材料は地元産…そこにも付加価値があり…農産物の宣伝にもなります…
レストランバスは、バス会社の企画によるビジネスで、新潟市が最初に手をあげて事業化しました
新潟以外からの観光客をターゲットとして想定した企画でした…
フタをあけると、半分以上は地元の人たちが面白がって乗った
ex. http://sp.willer.co.jp/restaurantbus/

「経験と勘と思い込み」を略して「KKO」…
これらをもとに動くのは、決して良策ではありません

RESAS…
Regional Economy(and)Society Analyzing System(地域経済分析システム)

8事例

§1「しがらみ」と「横並び」

(ケース1)油津商店街
月給90万円で「250mのシャッター通りに、4年間で20以上の新規出店を実現すること」
木藤亮太
最初に手がけたのは商店街のオーナーたちではなく、商店街に昔通っていたはずの人たちへの徹底したヒアリング…
共通の思い出の場所として浮かび上がってきたのが「むぎぼう」という喫茶店…
70~80歳になったシニアの方々を集めて「思い出を語る会」を開催

いくらイベントが…盛り上がっても、その日の集客…は何も商店街に残さない…
大切にしたかったのは、まちの空気感を変えること…
商店街の外側に、商店街のことが気になって気になって仕方がない応援団をいかに増やし、商店街を…商店街の外側にいるみんなにとって、何か気になる、何かしたくなる空間へ変えていくこと

生活必需品だけなら通信販売でも買える
商店街に必要な「商店」とは人がそこを訪れる理由のある何かを持っている場所

活動の拠点にと、(株)油津応援団を設立した
田鹿倫基

(ケース2)ながと物産合同会社
山本桂司…
長門ゆずきち

右肩上がりの時代で大切になるのは、需要の伸びに供給が…追いつくかどうか…
電力で考えるとわかりやすい…
農産品も同じ…
ものづくりも同じ…
宿泊サービスも事情は似ている…
需要予測やマーケティングは…最終的に製品を市場に卸す親請け企業や系統流通事業者など、需要側の立場を代弁する全国的な流通事業者が担う構造になっている産業…
供給不足ですから価格が高騰します、というわけにはいかない…
右肩上がりの市場構造では…買い取り価格は、全国的な需給の状況に左右される…
おいしかろうと普通であろうと…厳密に吟味される機会は乏しく…全国的な流通の仕組みの中…ほぼ一律の価格で、流通側に引き取られていく…
こうした仕組みは、供給量の確保には強いが、選別の論理には弱い…
市場が右肩下がりになった瞬間、きめ細かな商品の選別・競争ができず、優れた産品も普通の産品も…構造的に供給過剰状態に直面する…
生産者…構造的安値が苦しい…直接消費者にものをさばいた経験がない…他にものを売る方法が見つけられない…多くの生産者が…生産活動の維持に苦しむ状況に追い込まれる…

成長・拡大する全国市場に合わせ…全国的な特定販路や系列取引…事業者に…商材を提供してきた生産者には、最終消費者と直接に関わる機会も乏しく、自分の産品の値付けも販路開拓も、直接手がけたことがない…
地域経済は…良いものも普通のものも…公平に…一律に取り扱われることに慣れてしまっている…
差別化の論理を地域社会に持ち込もうとすれば、しがらみがきしみ、横並びが崩れることになる…

地域産品を取り扱う地域商社の立場…
伝統的な流通構造を補完するための仕組み…
全ての地元の商材を扱い、その取扱量や商品数を単に増やすことを目指す必要…ない…
良いものを選別し…稼ぐ力を伸ばすという戦略こそ、右肩下がりの時代には求められる…

§2「作る」より「伝える」に軸足を移す

(ケース3)佐井村のヒラメの粕漬け
ここでも課題は販路
東出隆弘

目指すべきは
①いきなり全国規模の大…市場でも、域内に閉じた地産地消市場でもない
②自らの生産・受入能力に見合った中規模の市場であって
③単価が高くても買ってくれる…固定ファンを育むことのできる
新たな「ふるさと名品市場」の創出

魅力ある地域の商品・サービス・資源を「今だけ・ここだけ・あなただけ」を求める顧客に…着実にアピール…

(ケース4)お野菜クレヨン
ふるさと名品オブ・ザ・イヤー地方創生賞(コト部門)
https://furusatomeihin.jp/2015/koto_2015.php

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§3人材・資金が自由に出入りする、開放的な地域経済づくり

(ケース5)西粟倉村の百年の森林構想
道上正寿前村長

約50年前に子や孫のためにと木を植えた人々の想い
その想いを大切にして立派な百年の森林に育て上げていく
そのためにあと50年、2058年に向けて村ぐるみで挑戦を続けようと決意する」…
百年の森林構想…
大都市、大企業の下請けにはならず自立する覚悟で「価値の創出と交換が行われる経済」を目指した取り組み…

森林白書…3割以上が1ha以上3ha未満の小規模林業家が多い…日本の林業…
約25m2/人日ある北欧の生産性水準…日本全体平均は約5m2/人日以下…原因は…林業機械の導入の遅れ…

取り組み始めて、約8年
西粟倉村は、売り上げ約1億円の生産材中心の林業を、8億円超…木工加工品販売…へと変貌…
牧大介

小学校の廃校を利用して…ウナギの養殖…村の生産性向上…
木材加工工場でも、生産ラインをあえてバラし…できるときに自分の作業だけを進められるようモジュール化した生産ラインを導入…

生産性を引き上げるためには、働き方を変え、新しい取り組みに挑戦することが必要…
「よそ者・若者・ばか者」の力が必要…
しがらみ…横並び…軋轢…摩擦…を乗り越え生産性を向上させるサイクルに入った地域では…よそ者…姿を微笑ましく眺める地元の長老…生産性の伸びに期待して集まる投資資金…両立させることができるようになる…

(ケース6)とかち・イノベーション・プログラム
地方創生…誰が取り組むのかという…肝心要の真ん中が不在であることが多い

帯広信用金庫…野村総研…革新者プロジェクト
http://diamond.jp/category/s-it_2030BM
https://www.nri.com/~/media/PDF/jp/opinion/teiki/chitekishisan/cs201507/cs20150707.pdf

十勝Outdoor Valley構想…(株)スノーピーク社の山井太社長…(株)北海道ガーデン街道…林克彦社長…

北海道ガーデン街道へようこそ

十勝アウトドアDMO…
https://destination-tokachi.jp/company.php
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0628-009325.html
・社  名:株式会社デスティネーション十勝
・所 在 地:北海道帯広市西13南8 観光交流拠点施設とかちむら内
・資 本 金:3,050万円
・出資比率:株式会社スノーピーク49.2%、株式会社電通16.4%、帯広市13.1%、他21.3%

十勝千年の森…
http://www.tmf.jp

§4地方創生の「創り手」を育てる

(ケース7)Visit Napa Valley
DMO…世界で600以上

Visit Napa Valleyは、地域の共通利益のために活動を行う民間団体…宿泊客や観光消費の動向などについて正確なデータを収集し、エリア内の事業者に…提供…
顧客の少ない時期への対策も含めたイベント…その対策の実施、域外への…プロモーション、現地サービスの運営などを行っている

TID…自治体に収める税金とは別に、共益的な負担金を徴収する仕組み…
観光産業改善地区(Tourism Improvement District)にある事業者が、宿泊税収など行政が徴収する税とは別に、DMOが行う共益的な活動のために互いに負担金(Assessment)を出し合うもの

Visit Napa Valleyでも…調査をはじめとしたマーケティング活動…観光戦略の立案…ナパバレー全般の国内外への効果的な宣伝、現地案内サービスの運営などを行っている…
年間予算は、7億円程度…その3分の1程度はマーケティングに用いている…
例えば…ナパバレーの訪問客は国内客が9割…
30代までの若い者が比較的多くを占め…この層をリピーターとしていかに獲得するかが重要なポイント…
こうした活動に…エリアの関係者から理解を集めるのは一筋縄ではいかなかった…
実際Visit Napa Valleyの場合も…DMOを立ち上げてから数年経ってから…
きっかけは、ある大型ホテルの開発案件がマーケティングの失敗により頓挫したことだった…
以降、データの共用とその活用の重要性に対する認識が地域に広まり、今では…異を唱える者はいない…

(ケース8)坂ノ途中
環境負荷の低い農業への新規就農を支援するビジネスを展開しているソーシャルベンチャー…支援件数は約100件…ほとんどが新規就農者…
小野邦彦

地方では耕作をやめた農地が余っている…都会では、スキルの高い素養のある人が疲れている…
新規就農者の場合…0.1ha程度の耕作地で売り上げは50万~60万…
0.5haの土地を取得できたとしても300万円程度…

坂ノ途中は創業後7年半…2016年12月には…2億円程度の資金調達を実施…
直前期の売り上げは1.8億…正社員は11名…今期は売り上げ2.5億…社員も1.5倍を見込む…

地域の魅力のブランド化(ローカル・ブランディング)
地域商社事業
地域には魅力ある多くの農林水産品・工芸品…観光資源が未活用のまま埋もれている…
稼ぐ力の向上に向け…着手しやすい対策は…ポテンシャルを生かしきれていない地域産品や観光資源の活用…
課題は…より高い単価で販売できる販路を開拓するか…
個々の生産者…観光関連施設の所有者全てが、他地域にはない特色ある産品・資源の販路を、明確な市場戦略をもって開拓していく作業をできるわけではない…
誰かが代わって新たな販路を開拓していく事業…地域商社事業

地域商社は…マーケティング・販路開拓を行い…収益と市場の生の声を生産者にフィードバックする役割を担う

地域の…商材の発掘・販路開拓に、一定程度成功すれば…段階を追って、他地域との連携…観光等の異分野との連携も進め…域外からの投資を呼び込める…ビジネスモデルへと取り組みを進化させることも必要…
人材育成、物流・決済環境の整備…値域の事業インフラ整備にも貢献することが求められる…
地域商社は観光やまちづくりとも手を携え…地域に投資を呼び込むハブとして成長していくことが期待される…

日本版DMO形成・確立のための手引き
http://www.mlit.go.jp/kankocho/page04_000050.html
http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics04_000086.html

グローバル・ネットワーク協議会
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160609001/20160609001-1.pdf
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160609001/20160609001.html
http://www.gncj.go.jp/about/

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