マイクロファイバー汚染の真相追求のために協力する – クリーネストライン

ステファン・チャステイン 2019/04/03

パタゴニアは業界のパートナーと協力し、衣類の使用期間中に抜け落ちる極小の布地粒子であるマイクロファイバーについての調査を、〈オーシャン・ワイズ〉のプラスチック・ラボに委託しました。そしてこの研究プロジェクトの第一段階を完了したばかりのプラスチック・ラボの科学者に、パタゴニアはそのアップデートを依頼しました。

海のプラスチック破片の問題が近年メディアの注目を浴びているのは当然だが、たいていの人は、海のプラスチックについて考えるとき、破片やペットボトルを思う。しかし、〈オーシャン・ワイズ〉の私たちのプラスチック・ラボのチームが研究した環境サンプルが示しているのは、人間の赤血球ほども細いマイクロファイバーが圧倒的なマイクロプラスチック粒子であることだ。

私たちは2014年に海のマイクロプラスチックについて調査を開始した。それ以来私たちのラボでは、太平洋と大西洋の水、動物、ブリティッシュ・コロンビアやその他の沿岸の魚介類に存在するマイクロプラスチックについて調べてきた。カナダのブリティッシュ・コロンビア冲の海水の研究では、全プラスチック粒子の70%が繊維状だった。大西洋を研究する他の研究者は、プラスチック粒子の90%かそれ以上が繊維状であることを発見している。これほど大きな数字は、しかもあまりにも小さいこれらの繊維は、それを餌と間違える海洋生物を脅かしている。

2018年春、私たちは化繊のマイクロファイバーの汚染源について調査する多面的なリサーチプログラムに着手するため、そしてこの問題への科学に基づいた最善の解決策を識別するため、パタゴニア、アークテリクス、REI、MEC(マウンテン・エクイップメント・コープ)、そしてメトロバンクーバーとパートナーシップを組んだ。


風化実験に使われた布地見本の横に立つ〈オーシャン・ワイズ〉のプラスチック・ラボのカテリナ・ヴァシェンコ。「発見するマイクロファイバーが正確にどこから来ているのかを知りたいのです。より深く理解すればするほど、その削減のために効果的な行動が起こせます」と彼女は言う。Photo: Lorand Szasz (Ocean Wise/Vancouver Aquarium提供)

第一段階では、パートナーシップを組んだ各製造会社がアウトドア衣類に使われる布地のサンプルをメトロバンクーバーが稼働する施設に提供。この研究により、布地の洗濯中に抜け落ちるマイクロファイバーに関するユニークなデータセットが生まれた。

典型的な洗濯機で洗われる度に、何十億ものマイクロファイバーが衣類から抜け落ちる。研究の第一段階の目標は、家庭で衣類を洗濯する際にアウトドア衣類の、どういった特徴が抜け落ち率に貢献しているかについて探ることだった。これをテストするため、私たちは洗濯機とフィルターシステムを使用して、通常の洗濯サイクルで放出されるマイクロファイバーを収集した。各布地が落としたマイクロファイバーは集められ、ろ過されたのちに乾燥。フィルターに溜まった綿ぼこりは、各々の布地から抜け落ちたマイクロファイバーの塊と数を評価するため、測りにかけられ顕微鏡で調べられた。


洗濯の研究には商業グレードの洗濯機が使われ、典型的な家庭の洗濯機のサイクルを模倣した。Photo: Mathew Watkins

第一段階のもう1つの目的は、環境内で風化して分解していくにしたがって、異なる種類のマイクロファイバーに何が起きるかを探ることだった。この実験のため、私たちのラボのチームはパートナーが提供した布地のサンプルをブリティッシュ・コロンビアのウエスト・バンクーバーにある〈パシフィック・サイエンス・エンタープライズ・センター〉で、大気と海洋環境に1年間晒した。そしてこの期間サンプルが収集され、布地の肉体的および科学的変化が慎重に追跡された。

洗濯と風化の研究によるデータは、いずれもアウトドア衣類に使用される最も一般的な布地のスペクトルと抜け落ち目録の参考ライブラリーを作るのに利用された。これは環境におけるマイクロファイバーの将来の研究にとって貴重な資源で、〈オーシャン・ワイズ〉は極小の布地ファイバーを信頼できる方法で認識し、汚染をその源まで追跡することができた。

私たちが学んだこと

私たちのテストは以下の重要な調査結果をもたらした:

・家庭の洗濯機で普通に洗濯する際、布地から31,000から3,500,000のファイバーが抜け落ちる。
・すべての布地から同様の抜け落ちがあるのではない。たとえばフリースのような「フワフワ」の布地、そして紡績や製造段階で起毛させた布地が、最も抜け落ち量の高い布地である。これらの結果は、機能性に優れながらもマイクロファイバー汚染を削減する新たな布地をデザインするために重要となる。
・初回の洗濯で大量の繊維を流出させ、その後その量が少なくなる布地もある。こうした布地は、製造段階で処理すれば、消費者の排水から流出するファイバー量を捉えて、リサイクルできる可能性がある。

次の段階

パタゴニア、アークテリクス、REIおよびMECは、本研究の次の段階へ向けて継続して密に〈オーシャン・ワイズ〉と協力し、第一段階の結果をさらに掘り下げ、派生する疑問と、マイクロファイバー源とその海への影響についての理解を含めるためのチャンスを探る。

この解決のために何ができるかについて興味のある方は〈オーシャン・ワイズ〉のウェブサイトをご参照ください。お近くに来られる際は〈オーシャン・ワイズ〉のイニシアチブであるバンクーバー水族館にお立ち寄りいただき、マイクロファイバーについての教育的展示をご覧ください。そのあいだにも、全パートナーはこの画期的な仕事の継続、そして一般とその調査結果を分かち合うことに熱意を抱いています。ラボからの研究結果についての未来の投稿に乞うご期待ください。


〈オーシャン・ワイズ〉/バンクーバー水族館提供のインフォグラフィックス。

著者プロフィール

ステファン・チャステイン
ステファン・チャステインは〈オーシャン・ワイズ〉のプラスチク・ラボの研究技術者。2017年初期よりマイクロプラスチックの研究に関わり、科学コミュニケーションに情熱を抱く。

情報源: マイクロファイバー汚染の真相追求のために協力する – クリーネストライン