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モンサントと親会社バイエル、知っておくべき5つの事柄 国際ニュース:AFPBB News

2018年8月14日 17:22 発信地:フランクフルトアムマイン/ドイツ [ ドイツ ヨーロッパ ]

モンサントと親会社バイエル、知っておくべき5つの事柄


米カリフォルニア州の店舗に並ぶ農薬大手モンサントの除草剤「ラウンドアップ」。(2018年6月19日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Robyn Beck

【8月14日 AFP】農薬大手モンサント(Monsanto)の除草剤のせいでがんになったとして、同社を相手取り訴えた裁判で、原告の米国人男性が予想外の勝利を収めたことから、今後、同様の訴訟がせきを切ったように起きる可能性が出てきた。今年モンサントを買収したばかりのドイツ製薬大手バイエル(Bayer)は、この大きな買い物を後悔することになるかもしれない。

 毒性が指摘される除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」から遺伝子組み換え(GM)種子の使用に対する懸念まで、約630億ドル(約7兆円)規模とされるバイエルとモンサントの合併について、知っておくべき事柄を挙げる。

■ヘロイン

 1863年にドイツで創業されたバイエルは、今でもアスピリンの製造で最もよく知られている。一方、不名誉な歴史としては、20世紀初頭に短期間、モルヒネに代わるせきの薬としてヘロインを販売していたことがある。

 第2次世界大戦中のバイエルは、ナチス・ドイツ(Nazi)が強制収容所のガス室で使用した「ツィクロンB(Zyklon B)」という殺虫剤を製造していたイーゲー・ファルベン(IG Farben)という企業連合の傘下に入っていた。

 近年のバイエルは何度も企業買収を繰り返し、化学・製薬業界の巨大企業となり、全世界で約10万人を雇用している。

■枯れ葉剤

 一方のモンサントは1901年、米ミズーリ州セントルイス(St. Louis)で創業。人工甘味料サッカリンのメーカーとしてスタートした。

 1940年代には農業用の化学製品を製造するようになった。除草剤「2,4-D」はそのうちの一つで、ベトナム戦争(Vietnam War)では、別の有毒物質と合わせて枯れ葉剤が作られた。

 1976年、除草剤「ラウンドアップ」が発売となった。これは、モンサントの製品のなかで、世界的に最も広く知られているものと考えられる。

 モンサントの科学者チームは1980年代、植物細胞の遺伝子組み換えを初めて行った。その後、他の種苗メーカーの買収を重ね、GM種子の栽培試験に着手し、ラウンドアップ耐性のある大豆やトウモロコシ、綿、その他の穀物などを開発した。

■「モンサタン」に別れを

 モンサントは数十年にわたって環境活動家たちから「モンサタン(悪魔のモンサント)」、「ミュータント(突然変異)」などと、その名をもじった名称で呼ばれ、非難の集中砲火を浴びてきた。欧州では、GM食品が人体に有害と広く考えられており、その傾向は特に顕著にみられる。

 運動家らはまた、グリホサートを主成分とするラウンドアップも忌み嫌っている。グリホサートについては、がんとの関連性をめぐり研究者らの間で論議が起きている。

 モンサント製品の有害性に関する悪評を断ち切ろうと、バイエルは今後、製品からモンサントの社名を外す計画だとしている。しかし、両社の合併を最悪の組み合わせとしている国際環境NGO「地球の友(Friends of the Earth)」は、これまでの名称が使われなくても同社の事業が継承される限り、抗議の矛先をバイエルに変えるだけだと述べている。

 両社の合併に関してはもう一つ、世界の種苗市場や農薬市場が限られた企業による寡占状態となって価格が高騰する恐れがあり、農家や消費者にとっては選択肢が狭められるという不満も聞こえてくる。

 また、世界で最も広く使われている除草剤のグリホサートをめぐっては、ミツバチの個体数減少など、環境に負の影響があるとして批判の対象となってきた。米環境保護局(Environmental Protection Agency、EPA)のウェブサイトによると、この薬剤は過去数十年にわたり殺虫剤としても利用されているという。

■後に続くか、ラウンドアップ訴訟

 末期がんを患った校庭管理人の男性が米カリフォルニア州で起こした裁判で今月10日、モンサントに対し、約2億9000万ドル(約320億円)の損害賠償を支払うよう命じる評決が下された。

 裁判では、ラウンドアップの発がん性についての警告を怠ったモンサントに落ち度があるとの陪審評決が出された。

 非ホジキンリンパ腫に苦しむ原告のドウェイン・ジョンソン(Dewayne Johnson)さんの今回の勝利は、モンサントに対する数千件におよぶ訴訟に道を開く可能性があると専門家らはみている。

 この評決を受けて、バイエルの株価は10%を超えて急落した。モンサント側は上訴する意向を示しており、一方、バイエルはグリホサートが含まれる除草剤は「安全」だと改めて主張した。

 独マインファースト(MainFirst)銀行のアナリスト、マイケル・リーコック(Michael Leacock)氏は、今回の裁判での敗北は、創業以来最大の買収となったモンサント獲得からわずか2か月しかたっていないバイエルにとって「不運な結果だ」と述べた。

■高い代償

 地球人口の急増に対して業界全体が構える中、ラウンドアップのような強力な薬剤に耐性のあるGM種子をそろえ市場をリードするモンサントに、バイエルは手を出したがっていた。

 また将来の農業では、栽培管理をデジタル化に委ねるようになるとみられており、モンサントのデータ解析事業「クライメートコープ(Climate Corp)」もまた買収の誘因となった。

 しかしバイエルは、買収額が非常に高くついたことに加え、独占禁止法に抵触しないよう、その過程で種子事業および農薬事業関連資産を手放す条件に合意する必要性にも迫られた。

 そこへ今回の評決が下った。バイエルは将来、ラウンドアップ関連で起きる訴訟のために、多額の和解金を用意しておく必要があるかもしれない。多数の原告と和解しようとすれば「(賠償金は)総額で100億ドル(約1兆1100億円)にも上り得ると我々は見ている」とリーコック氏は述べた。 (c)AFP/Michelle FITZPATRICK

情報源: モンサントと親会社バイエル、知っておくべき5つの事柄 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

巨大バイオ企業の舞台裏:モンサントがつくりだす「完全な」オーガニック野菜|WIRED.jp

2014.08.16 SAT 16:50
巨大バイオ企業の舞台裏:モンサントがつくりだす「完全な」オーガニック野菜
遺伝子組み換え作物で物議をかもしてきたモンサントが生み出した、新たな「オーガニック」。実験室で生まれた甘くておいしい「パーフェクト」な野菜で、モンサントは何を目論んでいるのだろうか? わたしたちの食の未来と安全はどこに向かうのか。(『WIRED』日本版本誌Vol.12より転載)


全米ワースト企業に輝いたこともあるモンサント社。同社の遺伝子組み換え作物の種の世界シェアは、実に90%に上る。関連記事はこちらより。

大いなる試食会

窓ひとつない地下室。壁一面に、採れたての野菜を手にした生産者たちの写真が飾られている。この部屋で、ポロシャツにスラックス姿のモンサントの役員3人が、この日のために特別に用意された昼食を待っていた。

ひとりの給仕が部屋に入り、各役員の前にトマト、モッツァレラ、バジル、レタスが入ったカプレーゼ風のサラダを並べていく。役員のひとり、デヴィッド・スタークは椅子をテーブルの側へと引き寄せ、フォークを仰々しくつかみ、サラダに突き刺した。そして、それを口に運び、ゆっくりと咀嚼する。ほかのふたりの役員、ロブ・フレイリーとケニー・アヴェリーも、続いて食べ始める。部屋には、野菜を噛み砕く湿った音が響き渡っていた。

ほどなくして、スタークが顔を上げる。「いい食感だ。これは消費者が気に入るだろうね。味もかなりいい」。「シュナーックスの野菜よりもいいと思う」と、フレイリーも感想を述べる。シュナーックスは、モンサントの本拠地セントルイスに多くの店舗をもつスーパーマーケットチェーンだ。アヴェリーはただ満足げな表情を浮かべながら、黙々と食べ続けている。

3人はさらに勢いを増して、次のコースに手をつける。サーモンに、赤・黄・オレンジのパプリカとブロッコリーが添えられたメニューだ。

「レタスが気に入ったね」とスタークは、ひととおり食べ終わったあとに感想を述べた。フレイリーは、パプリカについて「生鮮食品業界に大きな変革をもたらすだろう」とコメントした。


FRESCADA(レタス)
発売開始:2012年春
販売時期:年間を通じて
特徴:歯ごたえがあり、通常よりも長期間の保存が可能。一般的なアイスバーグレタスよりも、葉酸は146%、ビタミンCは74%多く含む。
製法:アイスバーグレタスとロメインレタスの交雑
生産地域:アリゾナ州、カリフォルニア州
値段:2.25〜2.50ドル/ポンド

実験室でつくるオーガニック

農業に変革をもたらす。それは、まさにモンサントが取り組んでいることだ。ビッグアグリカルチャーの代名詞とも言えるモンサントは、いい意味でも悪い意味でも、食料の生産方法に革命をもたらしてきた。

アクティヴィストたちは、その権威的なやり方、つまり同社が権利をもつ種子を再利用した農家を訴えたり、除草剤ラウンドアップに耐性をもつスーパー雑草を世界中に拡散させるといったやり方に嫌悪を隠さない。ある者には軽蔑され、ある者には賞賛されてきたモンサントの業績。トウモロコシや大豆といった遺伝子組み換え作物の供給者としては世界最大規模の地位を築いた同社は、自然界がまったく想像もしていなかった性質を作物に組み込んでいく。

彼らが、わたしたちの慣れ親しんだ野菜の新しい品種を社会に送り出そうとするのも、特段驚くことではない。モンサントで開発されるのは、恐るべき能力と権力を有する生産部署の「創造者」によって、何らかの特性を与えられた野菜だ。

その新種のレタスは、ロメインレタスよりも甘く、歯ごたえがあり、アイスバーグレタスのように長い間新鮮なままだ。パプリカは、1食分に最適なミニサイズで、食べ残しが出ないように配慮されている。ブロッコリーには、グルコラファニンと呼ばれる体内の抗酸化作用を促進する物質が通常の3倍量含まれている。それらはすべて、スタークの率いるグローバル貿易部署が開発したものだ。

「スーパーマーケットは、特別で目新しいものを求めている」とアヴェリーは言う。「消費者も同様だ」

彼らの言うことが真実かどうかは、じきにわかることだろう。Frescada(フレスカーダ)という名のレタス、パプリカのBellaFina(ベラフィーナ)、そしてブロッコリーのBeneforté(ベネフォルテ)。こうしたシャレた商品名は、セミニスと呼ばれるモンサントの子会社に商標登録がされており、これらの野菜は全米のスーパーに並べられようとしている。

モンサントはさらに、隠し玉を用意している。これらのレタスもパプリカも、ブロッコリーも、さらには間もなく世に出る予定のメロン、タマネギもまた、遺伝子の組み換えがまったくされていないのだ。

モンサントはこれらの新種の野菜を、伝統的な交雑の方法でつくりだした。それは何世紀にもわたって、農家が作物を最適化するのに使用してきた技法だ。とはいえ、彼らの用いる技術がローテクなわけではない。スタークの部署は、同社が長年かけて蓄積してきた科学的ノウハウを最大限に利用し、遺伝子組み換えをした有機体がもつあらゆる利点を有する野菜を開発したのだ。

それは、同社のビジネスにも大きな利益をもたらす。遺伝子組み換え作物が人体に与える影響についての確かな証拠が存在しない一方で、消費者は明らかに抵抗を示してきた(遺伝子組み換え作物を原料に使用している製品は喜んで消費するものの)。ホールフーズをはじめとする食料品店は、数年先には遺伝子組み換え作物の使用に関する情報をラベルに表示することも検討している。その前に、各州法が表示を義務化する可能性もある。

だが、そうした規制も、モンサントの「スーパーヴェジタブル」は対象とならない。実験室で誕生した野菜であっても、技術的には、ファーマーズマーケットで売られる野菜となんら変わらない自然さを保っている。農薬を使用せず、輸送距離が100マイル以内であれば、オーガニックの地元産野菜と呼ぶことができるのだ。

PCB、硫酸、除草剤、遺伝子組み換え
ジョン・フランシス・クイーニイは、モンサント・ケミカル・ワークスを1901年に創業した。当時は、人工甘味料の製造が主な事業だった。

モンサントという社名は、クイーニイの妻オルガの旧姓に由来する。20世紀は化学企業にとってはいい時代だった。1920年代までに、モンサントは硫酸やポリ塩化ビフェニル(PCB)も製造するようになる。PCBは、初期の変圧器や電動機の冷却剤として使用されていたが、現在ではむしろ有害な環境汚染物質として、その名を知られている。

その後、同社はプラスティックと合成繊維事業を展開するようになり、1960年代に入るまでには、除草剤を開発する部署を立ち上げた。

ベトナム戦争で使用された枯葉剤、オレンジ剤はこのとき誕生した。その10年後、モンサントは除草剤ラウンドアップを開発する。グリホサートがベースとなっている雑草除去剤で農作業を楽にして、生産性を高めることを目的としたものだ。1990年代前半には、同社は科学的専門知識をもって農業分野へと進出し、自社の除草剤に耐性をもつ新種の作物の開発に乗り出した。

現在、交雑によって新たな作物を生み出すのは、特別目新しいことではない。むしろ、作物の収穫量、味やその他の特徴を最適化させるという試みは、人類の文明の初期段階において行われていたことだ。

だが、農家が何世紀にもわたって挑戦してきたものの、期待通りに作物を変化させるのは一か八かの賭けに等しい試みだった。まず、農家は自分が気に入っている性質をもつ作物を、同様に取り入れたい性質をもつ別の作物とかけ合わせる。それらを混合した種を植え付け、望んでいる性質が次の代にも引き継がれていることをただ祈る。

農家が注目するのは、一般的に生物学者が「表現型」と呼ぶ性質だ。表現型とは遺伝子が形質として表現されたものだ。

交雑がギャンブルのように言われるのは、優性の遺伝子と劣性の遺伝子が存在するからだ。甘い果実をつける木と大きな果実をつける木をかけ合わせても、より甘く、より大きな果実をつける木が誕生するとは限らない。むしろ、逆の結果になるかもしれない。病気にかかりやすくなったり、より多くの水を必要とするといった性質が生じるかもしれない。つまり交雑とは、挑戦と失敗をひたすら繰り返すプロセスであり、膨大な時間と場所、そして忍耐を要するのだ。

遺伝子組み換え技術の目的は、このプロセスを加速させる点にある。ある品種の遺伝子、遺伝資源を分析し、意のままに操作する。植物生物学は過去30年間にわたってこうした取り組みを行い、かつ精度を高める試みを続けてきた。モンサントは、ラウンドアップ耐性のある作物をつくりだすと同時に、この分野のパイオニアとなった。

スタークが同社に加わったのは1989年、分子生物学の博士課程修了後、研究を続けていたときのことだ。彼はそのころから、遺伝子組み換えという当時最先端の分野で実験に取り組んでいた。

モンサントの遺伝子組み換えを超える新手法

従来の交雑
1.望ましい性質を有する植物を特定する。
2.(1)で特定した植物同士を交雑する。
3.交雑でできた植物を育てる。
4.植物が成長してから、望んでいた性質が表れているか確認する。必要に応じて、交雑を繰り返す。

遺伝子組み換え
1.望ましい性質を有する植物または有機体を特定する。
2.その性質を表している遺伝子を特定する。
3.酵素を使って特定した遺伝子を切断し、ほかの植物のゲノムに組み込む。もしくは「遺伝子銃」で遺伝子を導入する、細菌やウイルスに遺伝子を背負わせて組み込む、といった方法もある。
4.新たに遺伝子が導入された植物を育てる。その遺伝子がうまく組み込まれていたら、まったく新しい表現型をもった植物ができあがる。

モンサントの新手法
1.望ましい性質を有する植物を特定する。
2.(1)で特定した植物同士を交雑する。
3.交雑の結果できた植物のゲノムを精査し、望ましい性質に固有の遺伝子配列を見つける。
4.特定した遺伝子配列をもつ植物のみを育てる。

「おいしい」に反発する世間

モンサントは遺伝子組み換え作物の開発に取り組んできたが、同社がより期待を膨らませていた事業は、消費者にとって真新しい種類の野菜をつくりだすことだった。

例えば、カリフォルニア州デイヴィスにある企業カルジーンは、Flavr Savr(フレイヴァーセイヴァー)という名のトマトを開発していた。従来のトマトは、まだ実が青く、輸送の衝撃にも耐えられるほどの固さのうちに収穫されていた。目的地に到着すると、エチレンガスを加えて熟成が促進されていたわけだ。

だが、フレイヴァーセイヴァーは、ポリガラクチュロナーゼと呼ばれる酵素の放出量が通常よりも低いため、果実の細胞壁内のペクチンが収穫の直後でもこわれにくくなる。こうして、農家が熟した状態で収穫かつ輸送できるトマトが完成した。

1990年代半ば、モンサントはカルジーンを買収し、スタークをラウンドアップの研究部署から別のプロジェクトチームのリーダーへと異動させた。そこで彼は、ほぼ偶然に食べ物の風味をつくりだす技術を解明することになる。

彼は当時、トマトとジャガイモに含まれるグリコーゲンとでんぷんの活性にかかわる酵素、ADPグルコースピロホスホリラーゼの生成に影響を与える遺伝子をいじっていた。わかりやすく言えば、加熱をしても水分の放出が少ない粘り気の強いケチャップと、油を吸収せずに元々の成分が保たれるフレンチフライをつくるといったものだ。

実験は成功した。「いい食感だった」。スタークは言う。「従来のジャガイモよりもカリッとしてて、よりジャガイモ本来の味が出ていた」

その製品が市場に出ることはなかった。消費者からの反発だけでなく、米国環境保護庁は、ある企業がバイオテクノロジーを用いて開発した新種のトウモロコシStarLink(スターリンク)をアレルギー反応を引き起こす恐れがあることを理由に、人が消費するには適さないと判断したのだ。

さらにまた別の遺伝子組み換え品種のトウモロコシは、オオカバマダラというチョウを殺す作用さえもっているようだった。トマトやジャガイモを使った食品と言われて多くの消費者が思い浮かべるであろう、ハインツやマクドナルドといった食品コングロマリットは、遺伝子組み換え作物を材料に使用することを禁じる措置をとった。欧州のいくつかの国家も、遺伝子組み換え作物の栽培や輸入を禁じる決定をした。

フレイヴァーセイヴァーの製造コストはあまりに膨大で、2001年、モンサントがスタークの率いる部署を閉鎖する決断をした理由は容易に理解できる。大豆や綿、家畜用またはコーンシロップ用のトウモロコシを栽培している大規模農場は、除草剤への耐性をもつ遺伝子組み換え穀物の栽培に積極的だった。だが、それ以外の農家は「ノー」を示した。


EVERMILD(タマネギ)
発売開始:2010年秋
販売時期:9月から3月
特徴:味がマイルドで甘い。涙を誘発しにくい
製法:刺激性に影響し、涙を誘発する要因となる物質ピルベートの含有量が低い個別の品種を選択
生産地域:北アメリカ太平洋岸北西部
値段:0.7〜2ドル/ポンド

遺伝子マーキング

遺伝子組み換え作物は非効率であり、かつコストが高かった。スタークは、新しい遺伝子組み換え作物ひとつにつき、着想の時点から当局の承認を得るまで、およそ10年と1億ドルがかかると試算する。複数の遺伝子を加えても、その数種類の遺伝子がうまくかけ合わされた性質が実現するとも限らない。

同社の野菜ビジネスが破綻し始める前から、モンサントはただ遺伝子の組み換えによって、作物の生産を改善できないことはわかっていた。それよりも必要なのは、素晴らしい野菜を生み出すことなのだ。スタークは同社が繰り返し使うフレーズを引用する。「世界で最高の遺伝子も、クソみたいな遺伝資源を修正することはできない」。

では、何であれば修正できるのか? その答えが交雑だ。スタークにはこの点で強みがあった。遺伝子工学を用い、化学物質と害虫への耐性をトウモロコシにつける方法を解明する過程のなかで、モンサントの研究者は植物遺伝子の解読方法や遺伝資源の優劣の見分け方を習得していた。そして、同社は期待する性質をもっている作物をつくるのにどのような交雑が適切か、すばやく予測できる技術に長けていた。

鍵となるのは、遺伝子マーキングと呼ばれる技術だった。ある性質と密接に結びついている可能性をもつ遺伝子の配列を解明する技術だ。

これは、その性質が複数の遺伝子の影響を受けている場合も含む。研究者は、好きな性質を有する植物を交雑して、何百万という交雑のサンプルをつくる。葉の小さな欠片を使った交雑だ。機械が週に20万のサンプルを解読して、その植物の染色体の特定部位の全遺伝子をマッピングしていく。

それを進めるためのツールもそろっていた。2006年、モンサントはシードチッパーを開発した。これは、大豆の種から取得した遺伝資源の多様なサンプルをすばやく整理し、その一部を採取するツールだ。

シードチッパーを使えば、研究者は微小な遺伝子の単位、ひとつのヌクレチオドだけを読み取って、それが自分の期待する性質に帰結するかどうかを解明することができる。つまり、種から育てて、出来上がったものを確認するという時間をかける必要がないということだ。

モンサントのこうした手法を使うと、実際に遺伝的性質のパターンを予測することができ、どの性質がうまく引き継がれるかを知ることができる。それは交雑なき交雑、緻密な計算のうえで行う植物の生殖行為だ。現実の世界では、20種類の異なる性質をひとつの植物に組み込める確率は、2兆分の1だ。自然界ではその過程に1,000年はかかるだろうが、モンサントはそれをたった数年で成し遂げてしまう。

さらに、これらはすべて、遺伝子工学を使わずに実行される(やろうと思えば、彼らは遺伝子をゲノムに組み込むことはできるし、実際にやったこともある。ベータテストとして、遺伝子工学を利用して交雑を行ったことがあるが、それは実験室内部の試みに留まっている)。スタークと仲間のメンバーは、こうした技術を使って、期待通りの性質をもち、望んだように成長するであろう交雑種をつくりだせることを理解した。

得られるものはそれだけではない。遺伝子組み換え作物の利点すべてを得ながら、その技術に着せられた汚名は一切ついてこない。「こうしたツールを、野菜生産のために使用するのは初めてのことではない」とスタークは言う。


MELORANGE(メロン)
発売開始:2011年冬
販売時期:12月から4月
特徴:冬に採れるカンタロープメロンよりも、甘みが3割高い
製法:カンタロープと、果実と花の香りに関係する遺伝子をもったヨーロッパ由来のメロンを交雑
生産地域:アリゾナ州、中央アメリカ
値段:3ドル/個

もっとも難しいのは、「風味」だった

2005年、モンサントは世界最大の野菜種子企業セミニスを買収した。同社は、遺伝資源の卸売業者のようなものだ。セミニスの買収は、思いがけない利点をもたらしてくれることがわかった。

その10年前、冒険好きの勇敢な植物学者たちは、シチリア島西部の石灰岩の絶壁で、ブラッシカ・ビロサという現代のブロッコリーの原種を発見した。MYB28という遺伝子のおかげで、この野菜の先祖は通常より多量のグルコラファニンをつくりだした。スタークのチームは、この抗酸化機能を促進する物質を含んだ植物を、より消費者になじみのある野菜に変化させた。従来のブロッコリーのような見かけのものに。

スタークたちは、最後の難問に直面していた。風味だ。野菜生産において、風味というのは、色、食感、味(一般的には甘みと、ほのかな苦みのことを指す)、そして香りの組み合わせによって生まれる。だが、こうした特性をつくりだす性質は複雑であり、ときに特定が難しい。

例を挙げよう。モンサントはタマネギをつくった。EverMild(エヴァーマイルド)という名のそのタマネギは、切るときに涙を誘発する物質の量が抑えられている。その調整は、さほど困難なものではなかった。

だが、冬に採れる甘いカンタロープメロン(米国で一般的なメロンでマスクメロンの一種)をつくる際には、より労力を要した。スタークのチームはまず、収穫したフレンチメロンの腐敗を抑制する遺伝子を発見した。そして、交雑によって、その遺伝子をカンタロープメロンに保持する方法を確立した。現在では、農家はメロンを熟した状態で収穫しても、豊かな風味を長い時間保つことができる。

さらに研究者たちは、その果実が、フルーティな花の香りの性質をもつ分子、シトロンに関連する遺伝子をもつように操作したのだ。こうして最終的にできあがった製品はMelorange(メロランジュ)と名付けられた。

風味を生み出す仕組みの解明は、知覚科学と遺伝子に関する研究を進める研究所で行われた。それは、カリフォルニア州の農業ベルト地帯に位置する、太陽が常に大地を照りつける農業町ウッドランドの何百エーカーもの試験農場内にある。

そこでは、白衣を着た科学者たちが、果物と野菜がつめられた容器がずらりと並ぶ実験室の中で、科学捜査チームさながらの迫力で、徹底的な調査を行う。硬度計で密度を測定する。ブリックスと呼ばれる装置は、糖分の含有量を測定する。ガス分析図、液体の成分分析、MRIを使って、特定の風味をもつ分子とその濃縮物質を分離する。

最終的には、ヴォランティアがその実験サンプルを味見し、判定を下す。ある試食セッションでは、官能検査員のチョーミン・リーが、ひと口サイズのカンタロープメロンを入れた5つの容器を、10人強の栽培者と販売業者に配った。メロンのなかには、外部の農場で収穫されたものや店から調達したものも含める。カップにはそれぞれ3桁の数字が書かれたラベルが貼られ、点数表は「甘み/風味」「ジューシーさ」の2列に分けられている。

各サンプルを試食して、評価を書き込んだあと、参加者はその点数をリーのノートパソコンにつながった端末に入力する。入力された点数は、横軸が風味、縦軸がジューシーさの高低を表し、両軸が中央で交差するグラフに表示されていく。どのメロンの点数も、そのグラフの右上部分に入らない。モンサントが埋めたい部分、甘く、ジューシーで大衆が喜ぶメロンであることを示す箇所だ。

数時間後、隣接している農場で、モンサントのブリーダー、ジェフ・ミルズとグレッグ・トラはまた別の味試験を実施していた。ふたりは、一般的なカンタロープメロンと自社の品種メロランジュを比較するために、スライスする。

従来の品種に対するトラの評価は手厳しい。「むしろニンジンのような味がするね」。彼は言う。ミルズがうなずく。「堅くて甘い。でも、それだけ。平凡な味だ」。わたしも両方を一口ずつ食べてみた。カンタロープメロンに比べて、メロランジュは味がつまっている。いきいきとしていてフルーティ、そしてめちゃくちゃ甘い。もっと食べたくなった。「それがお決まりの反応だよ」。ミルズは言う。


BELLAFINA(パプリカ)
発売開始:2011年秋
販売時期:年間を通じて
特徴:一般的なパプリカの3分の1の大きさ。最小限の廃棄量、調理のときの柔軟性を実現
製法:サイズの小さなパプリカ同士の交雑
生産地域:カリフォルニア州、フロリダ州、ノースカロライナ州
値段:1.5ドル/1袋(3個入)

モンサントはモンサント

もちろん、甘ければいい果物だというわけではない。また、遺伝子組み換え作物でなければ企業の社会的責任を果たしているとみなす風潮を同社が生み出していることに、モンサントの批判者が納得していないのも驚くことではない。批判者が問うのは、こうした新種の果物や野菜が、まったく操作を加えられていないものに比べて健康面で安全なのかという点だ。

例えば、2013年に、研究者グループは、モンサントが開発した新種のスイカ「サマー・スライス」のプロトタイプをつくった。リンゴのような食感を実現したスイカだ(子どものころに誰しもが経験した、スイカの汁があごからしたたり落ちていく、あのおそろしい状態が回避できるように)。

だが、より果実のつまった食感を実現すると、甘みが落ちてしまう。つまり、スタークのチームは、より糖分が高くなるように交雑する必要があったということだ。

それが健康に悪いのか? それは誰にもわからない。だが、はっきり言えるのは、法律上は、モンサントは健康に対する潜在的な長期的影響の説明責任がないということだ(米国食品医薬品局は、添加物を使用しておらず、従来の方法で交雑されている作物はすべて安全であるとみなしている)。

かつて誰も、モンサントが試みているような方法で糖分の量を操作したことはない。その試みは基本的に実験だ、とInstitute for Responsible Nutritionの学長を務める小児内分泌学者のロバート・ラスティックは言う。「彼らが重視している唯一の結果は、利益だ」

モンサントは、もちろんそうした批判に反論する。果物がよりおいしくなれば、消費者はより多くの果物を食べるようになる。「それは社会にとっていいことであり、モンサントのビジネスにとってもいいことだ」とスタークは言う。

結局モンサントは、モンサントだ。

同社の作物種子を購入した農家には、厳しい条件が課された契約を強制する。ラウンドアップ耐性のある大豆と同様に、モンサントは自家採取した種を次のシーズンの作付けに利用することを禁じている。また同社は、収穫物が堅さや甘さ、香りの基準を満たさない際の免責事項も保持したままだ。

「目的は、製品が消費者に評価され、信頼を得て、購入してもらうことだ」と、スタークは言う。「それが一番の望みだ。売り上げを伸ばしたい」

だが、彼は同社の長期的な計画の話になると、口数が控えめになる。「われわれがどのようなマーケットでシェアを得られるようになるのか、かつて本当に予期できていたかどうかも微妙なところだ」と彼は言う。野菜部門は、2013年には8億2,100万ドルの利益を上げた。年間140億の売り上げを出している企業にとっては、大きな潜在成長力をもつ事業であり、バイオテクノロジーを駆使したトウモロコシと大豆にその利益の多くを頼っている状況だ。

さらに、その買収歴を見るだけでも、引き続き作物の生産に力を入れようとしている姿勢がうかがえる。同社はグアテマラの山々に温室を所有する。その乾燥した暖かい気候のもとでは、作物の生産を年に3、4回繰り返すことができ、研究には最適な環境だ。

2008年、モンサントはデ・ライテル・シーズという、世界でも有数の温室用種子企業を買収した。さらに2013年には、天気に関するビッグデータと、地球温暖化に耐えるのに必要とされる地域ごとの土地の性質に関する情報を有するクライメイト・コープを買った。BGC Financialのアナリスト、マーク・ガリーは、モンサントは「悪循環」にはまる戦略をとっていると話す。マーケティングに大金をつぎ込み、利益の多くを研究開発に投入するやり方だ。


BENEFORTÉ(ブロッコリー)
発売開始:2010年秋
販売時期:年間を通じて
特徴:一般的なブロッコリーと比べて、抗酸化作用を促進する物質であるグルコラファニンが3倍量含まれる
製法:市販のブロッコリーと、南イタリアの野生品種を交雑
生産地域:アリゾナ州、カリフォルニア州、メキシコ
値段:2.5ドル/ポンド(453.6g)

世界の食卓へ

モンサントが開発する新種の作物は、続々と世に出ている。

2012年には、パフォーマンスシリーズというブロッコリーを発表した。従来の方法で交雑された製品で、一般的な種類よりも背が高く、価格は安く、手で採取するよりもずっと速く機械での収穫ができる品種だ。同社のブリーダーは、アメリカの消費者にとってなじみのある緑と白の縞が入ったスイカもつくっている。同時に、スペインで好まれる黒と緑の縞模様のスイカ、オーストラリア人が大好きな楕円の明るい緑色のスイカもつくりだす。

「自分が育った場所を思い起こさせるものであるべきなんだ」。メロンの交雑を担当するミルズは言う。こうした多様性を見据えた開発姿勢は、同部門がグローバル市場で1兆ドル企業になろうとしていることを示している。

スタークはモンサントが優良な食品販売企業と提携することで、同社に対する認知度が増し、消費者の信頼をいくらか取り戻せるのではないかと期待している。「評判を高めるための特効薬は存在しないが、よい影響は得られるはずだ」

モンサント本社地下のダイニングルームで、スタークは皿が空になってからだいぶ経ったあと、その新レタスについて、興奮気味に語り始めた。つい最近、新レタスフレスカーダの人気が高まりつつあるオランダを訪れたスタークは、生産者がレタスの葉をもぎとり、そのまままるで特大のポテトチップスかのようにむしゃむしゃかじっている光景を目にした。「まるでスナックのように食べていたんだ。それは期待していたことじゃない。だが…」

スタークの声は徐々に消え入り、彼はただ部屋を見渡し始める。ナプキンは膝に置かれたままだ。彼はまだ、この野菜がもたらす可能性をゆっくり味わっている。

BEN PAYNTER︱ベン・ペインター
US版『WIRED』をはじめFast Companyやウォール・ストリート・ジャーナルなど多くの雑誌に寄稿している。扱うテーマは多岐にわたるが、なかでも食をテーマにしたものが多く、クローンのベーコンなどについても執筆したことがある。

情報源: 巨大バイオ企業の舞台裏:モンサントがつくりだす「完全な」オーガニック野菜|WIRED.jp

世界最大の“農業マフィア”が隠したい真実 除草剤の欠点を指摘した研究者たちを口封じか – 産経ニュース

世界最大の“農業マフィア”が隠したい真実 除草剤の欠点を指摘した研究者たちを口封じか 2017.11.8 21:30 WIRED

巨大バイオ企業、モンサント。同社が売り出す除草剤の「影響」に対して追及の声を上げた研究者が、賞賛どころか、苛烈な非難の声にさらされている。さらには、当局や除草剤を使用する農家との間での対立構造も深刻化しているという。

ヴェトナム戦争で使用された枯葉剤をつくった農薬メーカーとして知られ、除草剤に耐性をもつ遺伝子組み換え作物(GMO)の開発で、いまや世界屈指の“農業マフィア”に成長したバイオ化学企業モンサント。同社はこれまで、GMOと除草剤のセット販売に加え、栽培農家によるGMO種子の採種・再利用を禁じる契約で、世界の種子市場における独占的な立場を確立してきた。

こうした背景から「欲望から生まれた悪魔の種子」といった批判がつきまとう同社に、新たな農薬の欠点を指摘した研究者たちとの間で深刻な不和が生じていることを、『NPR』をはじめとする米メディアが報じている。

遺伝子操作の“マッチポンプ”

1970年にモンサントが開発した「ラウンドアップ」は、グリホサートを主成分とした非選択性除草剤で、農作物や雑草を無差別に枯らす性質をもつ。この除草剤とセットで販売されているのが、遺伝子操作によってラウンドアップへの耐性を有した大豆や綿花、トウモロコシのGMO種子「ラウンドアップレディー」だ。

しかし、長年にわたるラウンドアップの過剰散布は、世界中でグリホサートに耐性をもつ雑草を生み出す結果を招いた。

そこでモンサントは、数年前から除草剤の主成分に従来のジカンバを採用した新たな戦略へ移行している。課題はジカンバの揮発性にある。ジカンバは散布された土壌や作物から蒸発しやすく、植物に有毒な雲を形成しながら予測不能な方向へ拡散することが報告されている。そこでモンサント、BASF、デュポンの3社は、ジカンバの揮発性を抑えた新たな化学式を考案した。

これがすべての騒動の火種となった。

モンサントが打ち出した低揮発性の化学式は、特許製品であることを理由に、各大学の研究者による科学的な裏付けが一切なされていないのだ。つまり、揮発性による近隣農家への影響や安全性が、公平な観点から保証されないままに市場へ放たれたことになる。

さらに問題視されているのが、改良型ジカンバの販売承認を得る前に、モンサントがジカンバに耐性のある新たなGMO種子を売り出してしまったことだ。

これによりジカンバ耐性型GMO種子だけを手にした農家が、旧式のジカンバ除草剤を違法に散布してしまう状況は想像に難くない。実際、アーカンソー州では広範囲に拡散したジカンバにより、新型GMO種子へ移行していない農家が実害を被ったケースがいくつも報告されている。なかにはジカンバの被害が原因で、銃撃事件に発展した農家もあったという。

一際背の高い「シロザ」(英名:pigweed)は、大豆農家にとって大敵となる雑草のひとつだ。

広がる被害

騒動はこれだけに留まらない。2017年の夏、ジカンバの新たな化学式が承認されたことで、ほとんどの農家がジカンバ耐性型GMO種子の大規模な作づけを開始した。ところが、揮発性を低下させたはずのジカンバ除草剤による農作物への被害は、依然としてなくならなかったのだ。アーカンソー州、ミズーリ州、テネシー州を中心に、大豆をはじめとした野菜だけでなく、果樹園への損害も報告されている。

この状況にもモンサントは何ら懸念を示していないようだ。ミズーリ大学で雑草を研究するケヴィン・ブラッドレー教授によると、全米でジカンバの拡散で被害を受けた農地は、推定で3,100万エーカーに上るという。それにもかかわらず、研究者の追及を受けたモンサントの重役は、栽培農家が適切な使用方法を遵守しなかったことが主な原因であるとの主張を崩そうとしていない。

それどころか、実験によってジカンバの揮発性が農作物へ与える悪影響を立証してみせたブラッドレー教授に圧力をかけるほか、ジカンバの使用禁止を提案したアーカンソー州の監督官を告訴するなど、自社に不利益となるあらゆる人物を攻撃しているという報道もある。また、モンサントは、他社の非ジカンバ製品を推奨する研究者の訴えに耳を貸さないよう、各州の監督官に対して公式声明を出している。

善意と利権

ジカンバの問題を指摘する研究者の存在を快く思っていないのは、何もモンサントに限ったことではない。それまで良好な関係を結んできたミズーリ州の農業コミュニティ全体が、核心に迫ろうとするブラッドレー教授を糾弾しはじめたのだという。それほどに莫大な金銭と利権が絡んでいるということだろう。

「わたしの発言がミズーリの農業にとって悪影響だと言われるのは受け入れがたいです。名誉や金銭的な報酬のためではなく、地元の農家を手助けしたいと願っているだけなのに」(ブラッドレー教授)

米環境保護庁は先日、来年もジカンバの使用を認可すると発表した。除草剤の散布を許可された使用者や時期について、いくつか付け加えられた制約はあるものの、これまでに報告されたジカンバの揮発性による農作物の被害がなくなるとは到底考えにくい。また、ブラッドレー教授のような真実を追求する者たちは、今後こぞって口を閉ざすかもしれない。世界の農業を制した大帝国は、誰も逆らえない黄金の巨人を生み出してしまったのだろうか。

情報源: 世界最大の“農業マフィア”が隠したい真実 除草剤の欠点を指摘した研究者たちを口封じか(1/3ページ) – 産経ニュース

ベトナム戦争における枯葉剤 – Wikipedia

ベトナム戦争における枯葉剤

ベトナム戦争中に米軍と南ベトナム軍によって撒かれた枯葉剤は軍の委託によりダイヤモンドシャムロック、ダウ、ハーキュリーズ、モンサント社などにより製造された。用いられた枯葉剤には数種類あり、それぞれの容器に付けられる縞の色から虹枯葉剤(英語版)と呼ばれ、オレンジ剤 (Agent Orange)、ホワイト剤、ブルー剤などがあった。

ベトナムで使用された枯葉剤のうち主要なものは、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸 (2,4-D) と2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸 (2,4,5-T) の混合剤であり、ジベンゾ-パラ-ダイオキシン類が含まれ、副産物として一般の2,4,5-T剤よりさらに多い2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン (TCDD) を生成する。このTCDDは非常に毒性が強く、動物実験で催奇形性が確認されている。ベトナム帰還兵の枯葉剤暴露と、その子供の二分脊椎症の増加については、TCDDとの関連が示唆された。

なお、2,4,5-Tはアメリカ合衆国や日本では散布使用が許可されていない。ダイオキシン類が作用する分子生物学的標的は内分泌攪乱化学物質と類似のものであり(受容体参照)、動物実験で催奇性*が確認されている。ヒトに対する影響は不明とする否定意見があるが、これは人間に対しては、動物のように人体実験を行うことが出来ないため、不明となっているためである。
* 催奇性(さいきせい、英: Teratogenesis)とは、ある物質が生物の発生段階において奇形を生じさせる性質や作用のこと。

枯葉剤の散布は、名目上はマラリアを媒介するマラリア蚊や蛭を退治するためとされたが、実際はベトコンの隠れ場となる森林の枯死、およびゲリラ支配地域の農業基盤である耕作地域の破壊が目的であったといわれる。枯葉剤は1961年から1975年にかけてゲリラの根拠地であったサイゴン周辺やタイニン省やバクリエウ省のホンダン県(ベトナム語版、英語版)などに大量に散布された。アメリカ復員軍人局の資料によれば確認できるだけで8万3600キロリットルの枯葉剤が散布された[1]。コロンビア大学のジーン・ステルマンの調査では、散布地域と当時の集落分布をあわせて調査した結果、400万人のベトナム人が枯葉剤に曝露したとしている。

1969年6月末、サイゴンの日刊紙「ティン・サン」は枯葉剤散布地域での出産異常の増加に関する連載を開始したが、当局によりすぐさま発禁処分となった。同年11月29日、全米科学振興協会 (AAAS) の年次総会にて、ハーバード大学のマシュー・メセルソン、バウマンらの散布地域における出産異常の激増に関する報告がなされた。

同報告では、1959年から1968年の異常児出産4002例を調べ、散布強化された1966年以降、先天性口蓋裂が激増していること、奇形出産率がサイゴンで1000人中26人、集中散布地域のタイニンで1000人中64人にのぼった事が報告された。また散布地域の母乳のダイオキシン濃度で最高1450pptを検出、平均で484pptと、非散布地域・国に比べて非常に高い汚染状況にある事が報告された。1972年6月、ストックホルムでの国連環境会議で枯葉剤散布は主要議題となり、アメリカの批判派の科学者らから、ベトナムでの奇形児出産の増加を含む膨大な報告がなされた。

ベトナム政府によれば、最大300万人のベトナム人が枯れ葉剤にさらされ、21世紀の現在もなお先天性欠損を抱える子ども15万人を含む100万人が健康への深刻な影響を受けているとしている。ベトナム人被害者たちは、アメリカに対して補償を求め訴訟まで起こしたが、2009年にアメリカ連邦最高裁判所が訴えを却下。アメリカ当局は、枯れ葉剤と先天性欠損症などのとの間に直接の関連を認めることはなかった。一方、アメリカとベトナムの外交が活発化する中で、アメリカ合衆国国際開発庁は2012年から2018年にかけてダナン国際空港にてダイオキシン類の浄化作業を開始。2019年からは、ビエンホア空軍基地跡の浄化作業にも着手した。さらに国際開発庁は、ベトナムの障害者の生活改善を目指して政府機関と活動していく趣意書を出している。

情報源: 枯葉剤 – Wikipedia

枯葉剤 – Wikipedia

枯葉剤(かれはざい)は、除草剤の一種である。
ちなみに、ベトナム戦争で散布された枯葉剤はダイオキシン類の一種2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン (TCDD) を高い濃度で含んだものである。

ベトナム戦争における枯葉剤(詳細は「ランチハンド作戦」を参照)
ベトナム戦争中に米軍と南ベトナム軍によって撒かれた枯葉剤は軍の委託によりダイヤモンドシャムロック、ダウ、ハーキュリーズ、モンサント社などにより製造された。

情報源: 枯葉剤 – Wikipedia

ラウンドアップ – Wikipedia

各国・地域の対応

デンマーク
– 2003年9月15日、デンマーク政府はグリホサートの散布を禁止した。デンマーク・グリーンランド地質調査研究所(Denmark and Greenland Geological Research Institution)の行った検査で、グリホサートが土壌を通り抜けて地下水に到達し、飲料水として許容されている5倍の濃度(0.54 µg/L)で地下水を汚染していることを発表したことによる。デンマーク政府から切り株処理に限り使用時期を制限する提案があったが、2004年12月14日にデンマーク環境保護庁EPAによりその提案は撤回され、その後もグリホサートは禁止されることなく使用されている。

ロシア
– 2014年4月5日、ロシア政府最大与党の統一ロシアは、ラウンドアップ耐性遺伝子組換え食品の輸入を禁止した。認可を受けた遺伝子組み換え作物を含有するあるいは認可を受けた組み換え作物に由来する食品が禁止されたことはない。現在、食品および飼料用に栽培される24系統の品種の遺伝子組み換え作物が認可されている。

スリランカ
– 2014年5月12日、スリランカ政府はラウンドアップの販売を禁止した。これはカドミウムとヒ素を含んだ土壌でラウンドアップが使われた場合、飲料水や米を通して重い慢性腎不全の原因となる、とした研究報告を受けたもの。2015年6月11日グリホサートの輸入が禁止された。スリランカ科学アカデミーはグリホサートと慢性腎不全の因果関係がないので禁止に意味がないと主張した。

オランダ
– オランダ議会は、2015年末をもってグリホサートの使用禁止を決定した。実際はグリホサートの禁止ではなく、農薬全般において舗装面での使用は例外を除き禁止した。また、2017年11月1日以降は農薬全般において景観維持と非農耕地での使用は例外を除き禁止される予定であるものの、グリホサートを含む家庭園芸用の農薬は使用が認められている。

ブラジル
– 2015年3月25日、ブラジルの連邦検察官は司法省に対して、グリホサートを暫定的に使用禁止とするように求めた。ブラジル連邦検察官からの要請により、ANVISAがグリホサートを含む数種の農薬の有効成分の再評価をする予定となっている。現在、グリホサートの使用は認められている。

EU
– 2017年11月27日、欧州委員会にてグリホサートを主成分とする農薬の認可更新について賛否を問う投票があり、賛成多数(28か国のうち18か国)で向こう5年間の認可更新が認められた。

フランス
– 2019年1月15日、国立食品環境労働衛生安全庁(ANSES, Agence nationale de sécurité sanitaire de l’alimentation, de l’environnement et du travail)により Roundup Pro 360 の販売が禁止された。

情報源: ラウンドアップ – Wikipedia

世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる | 長周新聞

世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる
社会2019年5月23日
遺伝子組換え作物輸入とセットで広がる

モンサント社に抗議するスイスのデモ(18日、バーゼル)

 毎年5月には「反モンサント・デー」(現在は「反バイエル・モンサントデー」)と称して、世界中の農民や労働者など広範な人人が一斉に抗議行動をおこなっている。今年も18日にフランスやスイス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど数百の都市で一斉にデモ行進をおこなった。行動の主眼はモンサントが開発したラウンドアップを含む除草剤への抗議だ。ラウンドアップの発がん性や遺伝子への影響が問題になり、2013年に始まった「反モンサント・デー」は今年で7回目を迎える。抗議行動の高まりのなかで世界各国ではラウンドアップの使用禁止や販売中止、輸入禁止が主な流れになっている。ところがそれに逆行して日本では内閣府食品安全委員会が「ラウンドアップは安全」と承認し、農協が使用を推奨し、ホームセンターなどでも販売合戦に拍車がかかっている。世界中で規制が強化され販売先を失ったラウンドアップが日本市場になだれ込んでいるといえる。ラウンドアップとはどういう除草剤で、なぜ世界各国で使用禁止になっているのかを見てみたい。

 フランスでは18日、「反バイエル・モンサント」デモに世界中から数千人が参加した。この行動に参加したのち、「黄色いベスト」運動のデモにも合流している。フランスは世界第3位の農薬消費国で、ラウンドアップに対して関心が高い。世界中で200万人以上が参加した第1回目の2013年の行動以来、2015年のデモには世界40カ国以上、約400都市で行動がおこなわれるなど、年年規模が大きくなっている。

フランスのロリアンでの抗議デモ(18日)

 今年1月、フランス当局は安全性に問題があるとして、ラウンドアップ除草剤とその関連商品の販売を禁止した。ラウンドアップはベトナム戦争で使われた「枯葉剤」をつくったモンサントが1974年に発売した除草剤で、グリホサートを主成分としている。このグリホサートが猛毒を含んでおり、2015年に世界保健機関(WHO)の下部組織「国際がん研究機関」が「おそらく発がん性がある」と発表し、17年には米国政府の研究で急性骨髄性白血病との関連が発表された。発表したのは米国の国立がん研究所、国立環境健康科学研究所、環境保護庁、国立職業安全健康研究所の共同プロジェクト。急性骨髄性白血病は急速に発達するがんで、5年の生存確率は27%とした。

 同年にはカリフォルニア州がラウンドアップを発がん性物質のリストに載せた。今年2月にはワシントン大学の研究チームが「グリホサートにさらされると発がんリスクが41%増大する」との研究結果を発表した。

 グリホサートは発がん性はもちろん、植物を枯れ死させてしまうが、同様に土壌細菌や腸内細菌も損なう。腸内環境を破壊することでアレルギーなど自己免疫疾患などの原因になったり、神経毒として自閉症や認知症を誘発する可能性が指摘されている。また、生殖に与える影響も懸念されている。精子の数の激減、胎児の発育に影響を与える可能性だけでなく、世代をこえて影響する危険を指摘する研究結果も発表されている。ベトナム戦争で撒かれた枯れ葉剤によってつくられたダイオキシンは三代にわたって影響を与えるといわれるが、グリホサートにも同様に世代をこえた影響が出る可能性も指摘されている。

ホームセンターで販売されているラウンドアップ

 ラウンドアップの危険性が問題にされた歴史は古く、1996年にはモンサントが「食卓塩より安全」「飲んでも大丈夫」「動物にも鳥にも魚にも“事実上毒ではない”」と宣伝していたことに対し、ニューヨークの弁護士が訴訟を起こした。2001年にはフランスでも消費者の権利を守る運動をおこなっている活動家が訴訟を起こした。争点になったのはグリホサート使用による土壌の汚染問題で、EUは「環境に危険であり、水生動物にとって毒である」とした。2007年にモンサントは「嘘の広告」で有罪判決を受け、2009年に判決が認められた。

 2003年にはデンマークがラウンドアップの散布を禁止した。グリホサートが土壌を通り抜けて地下水を汚染していることが明らかになったことによるものだ。

 2008年の科学的研究では、ラウンドアップ製剤とその代謝産物が試験管の中でかなり低い濃度であっても、人間の胚、胎盤、へその緒の細胞に死をもたらすことが明らかになった。代謝産物とは、分解されて除草剤の役目をしなくなった状態のもので、分解されても動物には同じように死をもたらすことが明らかになった。

 2009年のネズミの実験では、思春期の時期にラウンドアップにさらされると生殖の発達に障害を起こす「内分泌腺撹乱」の可能性が発見された。「内分泌腺の撹乱」とは、脳内ホルモンのバランスを崩すことで、体が思うように動かなくなったり、気分を自分でコントロールすることが難しくなることをいう。

 カナダでは2012年末までに全州で芝生や庭での使用を禁止した。

 アメリカでは、長年にわたるラウンドアップの使用によるがん発生が広く問題になり、昨年8月、今年3月と5月の3回にわたってラウンドアップを使用してがんになったとしてモンサント社を訴えていた原告が勝訴した。同様の訴訟は1万3000件以上も起こされている。

 直近の5月13日には、カリフォルニア州の夫婦が「ラウンドアップが原因でがんを発症した」として賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審はモンサントに対し約20億㌦(約2200億円)の支払いを命じた。原告1人につき10億㌦という懲罰的賠償額は、2017年にモンサントが農薬部門で得た利益8億9200万㌦にもとづくとしている。この評決を歓迎してアメリカの市民団体は、「何十年もの間、モンサントはグリホサートが無害であると農民、農場従事者、農薬散布者、住宅所有者に思わせていた。世論は明らかに変化している。発がん性のある農薬を市場から閉め出し、生態系を守る農業に移行しつつある農家を支援するときが来た」との声明を発表した。

 なお昨年8月の裁判では2億㌦(後に約8000万㌦に減額)、今年3月にも8000万㌦の賠償をバイエル・モンサント側に命ずる判決が下されている。

 こうしたなかで、アメリカではすべての州でラウンドアップの全面禁止を求める運動が開始されている。ニューヨーク州ではラウンドアップを「安全な農薬」と宣伝することが禁止されている。

次々モンサントを告訴 判決は賠償命じる

 フランスでも今年4月、控訴裁判所がモンサントのラウンドアップの一世代前の農薬ラッソーによって農民に神経損傷の被害を与えたとして、モンサントに有罪判決を下した。

 ちなみにラッソーは1980年代にアメリカでもっとも多く売られていた農薬だったが、危険性が問題になり米国環境保護局が発がん性の可能性を認め、フランスを含むEUでは2007年に禁止した。だがアメリカと日本では使われ続けている。日本では日産化学代表取締役 取締役社長 木下小次郎)が「日産ラッソー乳剤」として現在も販売している。 

 フランスはラウンドアップに対しても、今年1月に個人向けの販売を禁止した。政府は今後3年をめどに農家向けにも禁止すると公表している。フランスではまた、1700人の医師がつくる連合体がラウンドアップの市場からの一掃を求めて運動を展開している。

 さらに養蜂農家の協同組合がラウンドアップに汚染されたとしてバイエル・モンサントを訴えている。ラウンドアップを多く使用してきたぶどう園などでは、農薬への依存を減らす動きが活発化しており、条件のいい所では100%使用を減らし、条件の厳しい所でも70%農薬の使用を減らす計画であり、ラウンドアップの命運はほぼつきている状況だ。

 2014年にはスウェーデンやノルウェーがラウンドアップの使用を禁止した。オランダ議会は2015年末でグリホサートの使用禁止を決めた。ブラジルでも2015年連邦検察官が司法省にグリホサートを暫定的に使用禁止にするよう求めた。ドイツ、イタリア、オーストリアなど33カ国は2~3年後には禁止すると表明している。

 スリランカ政府は2014年、ラウンドアップの販売を禁止し、翌2015年にグリホサートの輸入を禁止した。これはカドミウムとヒ素を含む土壌でラウンドアップを使用した場合、飲料水やコメを通して重い慢性腎不全の原因となるとの研究報告を受けてのことだ。

 ロシアも2014年4月、ラウンドアップ耐性遺伝子組み換え食品の輸入を禁止した。アラブ6カ国も使用禁止に踏み切っており、ベトナムなどアジア5カ国やマラウィはグリホサートの輸入禁止を決定している。エルサルバドルやチリ、南アフリカ共和国などもラウンドアップの販売を禁止するか禁止に向けて動いている。

 流通業界では、昨年8月のアメリカでの判決を受けて、イギリスの流通大手がラウンドアップの販売禁止の検討を始めた。アメリカに本社を置くスーパー・コストコも今年4月、ラウンドアップの仕入れと販売をすべて中止することを発表した。コストコは世界に約768の大型店舗があり、日本にも26店舗ある。

別名で店頭に並ぶ日本 政府が「安全」とお墨付き

 このようにラウンドアップの危険性への認識は世界的に拡散されており、店頭でラウンドアップが簡単に手に入るのは先進国では日本ぐらいになっている。

 世界中からはじき出され行き場を失ったラウンドアップが日本市場に一気になだれ込んできており、除草剤では売上トップの座を占めている。日本では日産化学工業が2002年5月にモンサントの日本での農薬除草剤事業を買収し、ラウンドアップの日本での販売権を引き継ぎ、「優れた効力と環境に優しい除草剤」などと宣伝してきた。

 日本政府はすでに世界的に危険性が明確になっていた2016年に「グリホサートの安全性を確認した」との評価書を公表した。この評価書を前提に2017年12月には、グリホサートの残留農薬基準を大幅に緩和した。小麦で6倍、ソバで150倍、ゴマで200倍、ベニバナの種子で400倍というけた違いの大幅緩和だ。しかもこのことをマスコミは一切報道しなかった。これによってグリホサートの残留基準は中国の基準の150倍になった。中国からの輸入野菜が農薬まみれで危険だと問題にしていたが、その中国産野菜の方がまだましという殺人的な状況になっている。

 また、ラウンドアップの主成分であるグリホサート剤はすでに成分特許が切れており、さまざまな名前で同剤が販売されている。そのなかには住友化学園芸の「草退治」などがある。

 ラウンドアップは日本の店頭では「もっとも安全な除草剤」とか「驚異の除草力」とかいった宣伝文句で販売されている。農協の販売ルートにも乗っており、ホームセンターやドラッグストア、100均などでも大大的に扱っている。またテレビCMや新聞広告もされ、危険性についての説明は一切なく、警戒心なしに購入し使用しているのが現状だ。

 モンサント社が遺伝子組み換え作物を開発したのは、ラウンドアップに耐性のある農作物をつくり、セットで販売するためだった。ラウンドアップの販売促進は遺伝子組み換え作物導入とセットでもある。日本は世界で最大級の遺伝子組み換え作物輸入国で、日本の遺伝子組み換え食品表示は世界の制度のなかでも緩いため、日本の消費者は知らないうちに大量の遺伝子組み換え食品を食べさせられている。

 モンサントのホームページでは「日本は海外から大量のトウモロコシ、大豆など穀物を輸入しており、その数量は合計で年間約3100万㌧に及ぶ。その半分以上(1600万~1700万㌧=日本のコメの生産量の約2倍)は遺伝子組み換え作物」で「日本の食生活安定に大きく貢献している」とし、ラウンドアップとともに「是非、遺伝子組み換え作物の効果やメリットを目で見て、肌で感じて」ほしいと豪語している。

 こうしたモンサントの要求に応えて、日本政府はモンサントの遺伝子組み換え作物をアメリカ政府以上に承認していることも明らかになっている。TPP11の発効や今後の日米貿易協定などを通じて、今まで以上に遺伝子組み換え作物輸入の圧力がかかってくることは必至だ。

 モンサント社(昨年ドイツのバイエル社が買収)はアメリカのミズーリ州に本社を構える多国籍バイオ化学メーカー。除草剤ラウンドアップが主力商品で、遺伝子組み換え種子の世界シェアは90%であり、世界の食料市場をほぼ独占している巨大なグローバル企業だ。同社は、人間の健康および環境の両方に脅威を与えているという理由から健康情報サイトでは2011年の世界最悪の企業にも選ばれている。

 ラウンドアップが世界中で禁止され閉め出されるなかで、唯一日本政府がモンサントの救世主となって一手に引き受ける段取りをとり、日本市場になだれをうって持ち込まれている。国民の健康や生命を危険にさらし、子子孫孫の繁栄にもかかわる国益をモンサントという一私企業に売り飛ばしていることを暴露している。

情報源: 世界中が禁止するラウンドアップ 余剰分が日本市場で溢れかえる | 長周新聞

山本太郎氏の驚くべきビジネスモデル – FNN.jpプライムオンライン

2019年7月21日 日曜 午後9:36

3-LINE SUMMARY
山本太郎氏は落選らしい
当選する必要はなかった?
日本でもついにポピュリズム政党が誕生か

山本太郎氏は落選か
出口調査結果によると、れいわ新選組代表の山本太郎氏はどうやら落選のようだ。
れいわはどうやら比例議席を2つ取りそうだが、特定枠の1位船後靖彦氏と、2位の木村英子氏が当選し、山本氏は落選ということになる。


東京選挙区で前回6年前は67万票で4位当選し、今回も東京で出れば当選確実と見られていた山本氏が比例に転出したのには驚いたが、船後、木村氏を特定枠の1位と2位にしたのにはもっと驚いた。

「俺を当選させたければ3議席くれ!」という有権者への強烈なメッセージである。こういうやり方は初めて見た。しかしさすがに3議席は無理だった。船後、木村氏が辞退するとか。いやそんな姑息なことはできないはずだ。

なるほどこれか! 山本氏の戦略

山本氏の戦略がわからなくて悩んでいたら、民主党政権の官房副長官だった松井孝治さんが「山本氏は当選せずとも確実に介助者として登院し、スポークスマンとなるだろう。彼が党首討論に加わると半端な党首だと完全に喰われるだろう」と、Facebookで投稿をしたの読んで、なるほどこれか!と納得した。

船後、木村両氏には確かに登院の際に介助が必要だ。山本氏は「前議員バッジ」を持っているのでいちいち手続きも不要。そして国会内でテレビ局のぶら下がり取材に山本氏が毎回答えれば、各局は喜んで放送するだろう。

今回れいわ新選組は政党要件である得票数の2%を確保する見込みである。つまり山本氏は維新の松井一郎代表のように非議員の党首でも党首討論には参加できる。


山本氏は当選する必要はなく、政党要件を満たす約100万票でよかったのだ。そして議員でなくても、他の野党党首だけでなく自民党の有力政治家よりよっぽど目立つ存在になる。

だから今回の山本氏落選をもって彼の戦略ミスだという見方は残念ながら完全にピント外れだ。

山本氏およびれいわ新選組の政策には賛同できないが、政治家ないし政党としてのこんなすごいビジネスモデルは初めて見た。本当に驚いた。

欧米ではグローバリズムによる格差拡大で左右のポピュリズム政党が議席を増やしている。れいわ新選組の政党要件獲得は日本初のポピュリズム政党の誕生、あるいは山本太郎という初のポピュリズム政治家の誕生ということなのかもしれない。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

情報源: 山本太郎氏の驚くべきビジネスモデル – FNN.jpプライムオンライン

「役員報酬1億円」最多の557人 人材獲得へ高額化  :日本経済新聞

2019/6/28 21:20
2019年3月期に上場企業で1億円以上の役員報酬を得た「1億円プレーヤー」の数が557人(上場子会社除く)と昨年の537人を上回り、過去最高を更新した。グローバル競争を勝ち抜くため優秀な人材を確保しようと高額報酬を付与する企業が増えている。業績や株価に連動する報酬も増えており、報酬体系が「成果に報いる」欧米型に近づいてきた。

28日時点で各社が開示した19年3月期の有価証券報告書(有報)を東京商工リサーチが集計した。1億円以上の報酬を付与する企業も273社と過去最高を更新した。

1億円プレーヤーの顔ぶれをみると、上位10人のうち6人が外国人だ。

1位はソフトバンクグループ(SBG)のロナルド・フィッシャー氏で約33億円。19日の総会で報酬の多寡について株主から質問が出た際、孫正義会長兼社長は「欧米ではもっと高額な報酬が支払われることもある」と答え、理解を求めた。同社はマルセロ・クラウレ氏(米通信子会社スプリント会長)など計4人が10億円を上回った。


武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長は17億5800万円で4位となった。8億5100万円の長期インセンティブの割合が大きい。総会では支給済みの業績連動報酬を返還させる条項を盛り込んだ株主提案が諮られたが否決された。

不祥事企業の報酬も注目を集めた。レオパレス21は深山英世前社長の19年3月期の報酬が1億円だった。深山氏は施工不良のアパート問題の責任を取り、社長を辞任。27日の総会で取締役からも退任した。

日産自動車のカルロス・ゴーン元会長への報酬額は16億5200万円で5位。当初予定額の25億円から有報の報酬虚偽記載疑いで逮捕された後に減った。月額報酬の一部は支払い済みだが日産は損害賠償請求も検討しており、残りは「支給しない」姿勢だ。東京証券取引所の市場区分再編に関する情報漏洩問題を起こした野村ホールディングスは1億円超えが永井浩二グループ最高経営責任者(CEO)のみ。18年3月期は7人いた。

新経営陣を巡り会社側と株主側の選任案が対立したLIXILグループは、社長兼CEOに復帰した瀬戸欣哉氏が4億4200万円となった。

欧米流の業績・株価に連動する報酬の導入も広がっている。数年後に売却できる株式を支給するタイプを中心に上場企業の4割程度に上る。投資家から報酬の客観性や透明性が要求される中、報酬の決め方など質の面でも改革が進みつつある。

情報源: 「役員報酬1億円」最多の557人 人材獲得へ高額化  :日本経済新聞

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