ココカラ「モテすぎて決められない」(ルポ迫真):日本経済新聞

2019/8/28 2:00日本経済新聞 電子版

PBの相乗効果をうたったプレゼンがマツキヨHD側の勝利の決定打に

「経営判断を丸投げしている」「第三者の判断に委ねる必要があるのか」

ココカラファインがスギホールディングス(HD)と経営統合の協議入りを発表した6月1日。ココカラは既に資本業務提携の協議入りを発表していたマツモトキヨシHDの提案も合わせて客観的に検討するため第三者の特別委員会を設置する方針も表明した。当該2社だけでなく他のドラッグストア大手からもココカラの取り組みをいぶかる声が広がった。

【前回記事】ココカラ争奪戦、起点はマツキヨ・スギ破談
6月11日に設置された特別委はイトーヨーカ堂元社長の亀井淳(75)、メリルリンチ日本証券元副会長の今井光(70)など6人で構成した。小売り、証券、法律、会計といった領域の有識者だ。調剤事業の相乗効果をアピールしたいスギHDの要望もあり、ヘルスケアの専門家も加わった。人選を請け負ったのは法律事務所だが、委員の1人は「いきなり話が来て、正直何が何だか分からない」と戸惑いを隠さなかった。

特別委を設けた理由についてココカラの元社員は「ウエルシアHDやツルハHDなど他の大手も水面下でココカラにラブコールを送っていた。モテすぎて自分たちでは決められなくなっていたからだ」と実情を明かす。実際、ココカラ社長の塚本厚志(56)は「特別委の判断を尊重したい」と当初から周囲に漏らしていた。

スギHDで交渉を担ったスギ薬局社長の杉浦克典(40)が特別委に説明したのは7月5日。委員からの質問は同社のプライベートブランド(PB)の売上高や商品数に集中した。手元には調剤・医療といったヘルスケア領域の成長可能性について詳細な資料を用意したが、空振りに終わった。杉浦は「たった90分で理解してもらうのは無理だ」とこぼした。スギHD社内では特別委のメンバーがドラッグストアについて”素人”ばかりとの不安も募った。

マツキヨHDはスギHDに対抗し、資本業務提携の提案から6月に入って経営統合も含む提案に変更。準備不足も懸念されたが、プレゼンでは得意の化粧品や日用品のPBを前面に打ち出し相乗効果を数値化してわかりやすい説明に徹した。ココカラは売上高営業利益率が大手7社の中で最も低い。「収益の改善につながる」と特別委の評価を得た。8月7日、特別委は全員一致でマツキヨHDの提案を支持する答申をココカラ取締役会に提出した。(敬称略)

情報源: ココカラ「モテすぎて決められない」(ルポ迫真)  :日本経済新聞

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