新型コロナウイルス海外での影響(14) ~野菜・果物も備蓄拡大  長期化に備える米国消費者の最新事情~|ニールセン・カンパニー (Japan)

2020/04/24 15:17

新型コロナウイルス感染症が拡大中の米国。
今回の記事では、ニールセンによる最新の調査結果や各種データをもとに、変化を続ける消費者のマインドと行動をひも解きます。
欧州の大多数の消費者同様、北米の消費者の多くも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は長期化するだろうと考えています。
このため、今年に入ってから激増している家庭での食品・飲料の消費は、しばらく継続するだろうと予測されます。

生鮮食品は免疫力を高め健康に寄与すると考えられ、このカテゴリは成長を続けています。
「コロナ前」と比べると、はるかに多くの消費者が冷凍保存に適した果物や野菜を購入しています。

地方政府はさらなる拡大を抑止するための対策を継続的かつ拡大的に実施しており、コロナ前の消費行動や傾向の多くはこの先、過去のものとなる可能性があると言えます。
全体的な傾向として、消費者の多くは、居住地での状況が「まだ最悪の事態に達していないのではないだろうか」と考え、恐れています
ニールセンが70か国以上で実施した最新調査でも、カナダ人の79%および米国人の71%が、新型コロナウイルス感染症は国内でさらに拡大するだろうと回答しています。

人的接触を減らすための政府主導のさまざまな対策は拡大する一方で、北米の大多数の消費者が、影響が数週間ではなく数カ月は続くだろうと回答したのもごく自然な結果だと言えます。
現状、北米は終わりが見えない状況にあり、58%の消費者が、この影響が少なくとも4〜6カ月は続くだろうと回答しています。
両国の約30%の消費者はさらに悲観的で、感染拡大の影響は6カ月以上続くだろうとしています。

両国の消費者とも「強制的制約」のフェーズにあり、家庭での料理や食事の需要がますます高まっていると見られます。
カナダ人の10人に4人、米国人の10人に5人は、コロナ前よりも自宅で料理や食事をする頻度が高くなったと回答しています。

消費者は、食事の準備、美容ケア、セルフケアなどの領域で、購入しにくい製品やサービスを手にしようとさまざまな方法を試みています。
今年の消費財の売上は、家庭での需要が高まった結果、過去数年の標準的は販売額を瞬く間に超えました。
年初来3月28日までの消費財の総売上高は、カナダで前年比約27億ドル増、米国で前年比237億ドル増となっています。
どちらの国でも、この年初来の売上成長率は2019年全体の値をすでに上回っています。
生鮮食品も成長していますが、他の食品や家庭用品がさらなる成長を遂げています。

また、消費者は今のところ生鮮食品を積極的に購入していますが、保存しやすく健康的な食品の購入を優先していることも分かっています。
健康志向カテゴリの良い例は農産品で、消費者は、缶詰、瓶詰め、冷凍食品を積極的に購入しています。
年初来4月4日までの期間、カナダと米国の両国では冷凍保存可能な果物の購入がそれ以外の果物に対し3〜5倍増加しています。

日常生活にもたらされるさまざまな制限は、初期の予測をはるかに超えて消費行動に影響を与えています。
北米の消費者は、冷凍可能で長期保存可能な農産品をかつてない量で備蓄しています。米国の生鮮パイナップルの販売は今年に入ってこれまでに3%減少していますが、冷凍および長期保存可能なパイナップルの販売はそれぞれ39%増、29%増となっています。

冷凍および長期保存可能な農産品を販売する企業にとっては、売上が伸びているこれら商品の利用方法やお勧めレシピなどを消費者に対して継続的に提供することが重要となります。
新型コロナウイルス感染症の影響を超えて成長を持続するには、消費者に対し保存した農産品の使用を定期的にリマインドし、使用を奨励することも大切です。
企業は、緊急時に発生したこうした行動を、長期的習慣として、また、缶詰や冷凍品の購買パターンとして、取り入れていく必要があるでしょう。

生鮮食品の生産者は、国産品に対する需要の高まりに備える必要があります。
調査対象となった米国人の15%、カナダ人の14%は、コロナ前よりも頻繁かつ積極的に国産品を購入していると回答しています。
消費者は諸外国との接点が多い商品に対しリスクを感じる可能性があり、生産者とサプライヤーは、商品が作られた国、州、農場、近隣地域の詳細を消費者に伝えることで、商品の透明性を保つことができるはずです。

情報源: 【ニュース】新型コロナウイルス海外での影響(14) ~野菜・果物も備蓄拡大  長期化に備える米国消費者の最新事情~|ニールセン・カンパニー (Japan)|note

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