ネット評判社会

「ネット評判社会」山岸 俊男, 吉開 範章(2009)
集団を閉ざしておいて、その中で評判をまわすことによって不正直な人たちを仲間から追い出してしまうというやり方でエージェント問題を解決していたのが、マグリブ商人たちである
ジェノヴァの人たちは・・・個人主義的な信念の持ち主であったため、安上がりですむ集団主義的秩序形成をあきらめてしまった。そして、より費用のかかる、司法制度の整備を進めた
集団主義的な秩序形成・・・には・・・機会費用が隠されている・・・別の相手との取引から得られた可能性のある利益
安心して取引を実施するために必要な費用は・・・契約書を作成したり・・・担保の価値を吟味したり・・・取引相手の信頼性を調査したり・・・取引費用と呼ばれている
ジェノヴァの商品たちは司法制度を整備することによって・・・より活発で広範囲な取引が可能となった
「評判」とは「ある人のものだと、別の人が表明した特性や属性」(Wilson1985)
外部の人たち、あるいはグループによって確立された・・・個人や企業の好ましさに関する評価(Standifird2001)
評判には二種類の評判‐ポジティブな評判とネガティブな評判‐がある(Kollock1999)
集団が閉ざされている場合には、ネガティブ評判が有効に機能するはずである
・・・これに対して・・・ポジティブな評判システムのもとでは評判に・・・資産価値が生じる
・・・ポジティブな評判に対しては積極的に保持しようとするインセンティブが働く
匿名市場
顕名市場
評判市場
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山岸 俊男 吉開 範章
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