何かに“はまる”ことは、人間を成長させ、社会を豊かにする活力源

ゲーム、競馬、虎ファンも…「はまる」を科学

パチンコやゲームなどにのめり込む現象を「依存学」として究明しようと、
西村周三・京都大副学長(医療経済学)らが4月下旬にも、「依存学推進協議会」を設立する。
適度に熱中することのプラス面を見直すとともに、
熱中と、依存状態に陥ることの境界線を科学的に解き明かし、依存症治療に役立てる狙いだ。

パチンコや競馬などは、最初の「暇つぶし」「ストレス解消」が、いずれは「現実逃避」まで至るとされる。
携帯電話やゲームも含め、こうした特定の行為におぼれる「プロセス依存」は、
医学的に研究されてきたアルコールやニコチンなどの「物質依存」と異なり、ほとんど研究されてこなかったという。

協議会は、脳科学、医学、心理学、経済学などさまざまな分野の専門家らで構成。
依存症に陥った人の脳の活動状態を調べるなどして、依存症の明確な診断基準を作り、治療法を考える。

適度な熱中が健康増進や他人とのコミュニケーションに与える効果も調査。
阪神タイガースファンの熱中度や、鉄道ファンの行き過ぎた行動も研究対象になり得るという。

理事長に就任予定の西村副学長は「依存に関する社会の要請は大きいのに、応えられていない」と協議会の意義を説明する。

ギャンブル依存からの回復支援に取り組むNPO法人「ワンデーポート」(横浜市)の中村努・施設長は
「アルコール依存とギャンブル依存とでは、背景も回復へのアプローチも違うのに、ひとくくりにする専門家が多い。
依存症ごとの違いを掘り下げてもらい、背景や問題点を解明してほしい」と期待している。

(2010年4月3日16時05分  読売新聞)

ゲーム、競馬、虎ファンも…「はまる」を科学 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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