「パンデミックの終焉は近い」中国の終息を言い当てたノーベル賞科学者が予言

2020.03.30 14:00

Image: Stanford Medicine, Michael Levitt Lab
author satomi

米英イスラエルの国籍を持つスタンフォード大学がん研究所のマイケル・レヴィット教授が、 「新型コロナウイルス(Covid-19)のパンデミックは予想より早く終息するだろう」と発言し、さまざまなメディアが引用しています。

疫学は専門外の教授ですが、化学の複雑系モデルの開発で2013年ノーベル化学賞に輝いた人。
DNAと蛋白質のシミュレーションソフトを世界で初めて開発し、高分子構造の挙動の予測の第一人者として知られます。
夫人が中国美術研究家で、中米イスラエルを行き来していることもあって、今回のコロナウイルスについては1月の初期段階から世界中の動きを注視してきました。

中国の鎮静化をだれよりも早く予言

1月31日、中国では46人が死亡。
前日の42人よりは多いけど、増加はスローダウン。
そこに目をつけた教授は中国国内の友人たちに、大丈夫だ、もうすぐ減少に転じるから…と解析レポートを送って激励。
レポートは中国語に翻訳されてSNSで広まり、みんなそれを心の拠り所にしてがんばっていたら本当にその通りになって、2月7日から新規感染数が減って、1週間遅れで致死率も減少に転じました。

WSBTVの記事にあるように、2月初旬の段階で3月半ばの感染数と死者数をピタッと命中させています。

教授の予想: 感染80,000人 死者3,250人前後
3/16の実数: 感染80,298人 死者3,245人
3/30の実数: 感染82,122人 死者3,304人(ジョン・ホプキンス大学調べ)

…イスラエルの経済紙カルカリスト
…のインタビューによると、最初、湖北省ではウイルスの感染は日率30%の勢いで蔓延していました。
「これは空恐ろしい数。
インフルエンザのことはよくわからないが、数の解析なら自信がある。
その自分が見ても指数関数的な拡大だ。
このペースでいけば、90日で全世界に感染が広まる計算だった」と言います。

ところがその後、事態は急転。
2月1日には1日1,800人ずつ感染が拡大し、6日で4,700人に達していたのが、同月7日には直線的な下降に転じ、1週間おいて死者数も同じ下降線を辿ります。
「ピークアウトしたことで終息の予測も容易になり、中国全土で2週間以内に事態は好転するという結論を出すことができた。
現に今では新規感染はほぼなくなっている」と教授。

今でこそ過去形ですが、当時そのような予測をする人はゼロでした。…

なぜ中国の鎮静化を予測できたのか

教授が調査を始めた当初は、感染者1人から1日2.2人に広まって最悪でした。
でも減少傾向になってからは早かったですよね。
教授曰く、これは銀行の利率のようなものなのだといいます。
つまり、いくら30%、29%と日々下がり続けても、利息は付くし、元本割れは起きなくて、増えるペースが遅くなるだけなので先がよく見えません。
病気も同じことで、「毎日毎日、新規感染の数を聞いてると恐怖を感じるが、感染のペースが落ちればそれは終息が近いサイン」なのだそう。

あと、「指数関数的増加モデルでは、毎日誰か新しい人に病気がうつるという前提があるが、現実にはそうそう人づきあいの広い人はいなくて、毎日だいたい会う人は一緒だ。
公共交通機関は他人と接触があるが、バスだって毎日乗り合わせる人はだいたい同じなので、そのうちほぼ全員にうつるか、全員免疫がついて落ち着く」とも言ってます。

「今はみな道ですれ違うたびにハグすることもないし、風邪ひいて出歩く人に会う心配もない」、
「ルールをしっかり守れば守るほど拡散は治まるので、1人から広まる人数も3日で1.5人に抑えることができるし、感染率は下降を続ける」と聞くと、なんだかやる気が湧きますよね! …

免疫がある人は案外多いのかも
…1平方kmに25万人の人口密度(香港の4倍)、セントラル空調(熱源機器を一カ所に集中設置した中央式空調)、共用ダイニングルーム…いろいろ最悪の条件が揃ったダイヤモンドプリンセス号ですら「感染者は20%にとどまった」(教授)ので、免疫が生来備わっている人は案外多いのかもしれないと言ってます。…

手を洗って距離をとって、希望を失わずに果報を待ちましょう!
Sources: Calcalist, Business Standard

Tags :ニュースフィットネス/ヘルスケア

情報源: 「パンデミックの終焉は近い」中国の終息を言い当てたノーベル賞科学者が予言

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