D2Cの7割くらいを5分で大体理解する|大住 友輝|note

2020/01/11 11:23
目次
・ D2Cとは、「メーカー・メディア・テック企業」である
・ ターゲットの特徴と顧客との接し方
・ 世界観作りで大事なこと
・ 投資されるD2Cの特徴
・ D2Cブランドのジレンマ
・ まとめ
・ 参考記事・書籍

D2Cとは、「メーカー・メディア・テック企業」である
一つずつ解説して行きます。

まずメーカーについて。
これは分かりやすいと思いますが、要はコンテンツ作って売ってるってこと。
Casperならマットレス、Allbirdsなら靴、Warby Parkerならメガネ。
でも重要なのはこれらの物としての性能は必ずしも競合より
良いってわけじゃないってこと。
じゃあなんでそんなんでユニコーンになれるんだよってのが次の
メディア・テックにつながります。

メディアについて。
このD2Cブランドとは、プロダクトの性能で勝負しているわけじゃなくて
ブランドと付くだけあって”世界観”を売っているんです。
例えばGUCCIとかハイブランドの商品って買う人いるけど
あれって「素材の原産地はあそこでめちゃめちゃ凝ってて,,,」、とか
「ここの機能がめっちゃ凄くて,,,」
って言いながら買ってる人あんまりいないですよね?
あのブランドの世界観を気に入ってたり、それを持つことで
セルフプロデュースになるってことで買ってる人が多いと思います。
その世界観作りをやっているという意味でメディア企業なのです。
特にD2CはinstagramなどのSNSを中心にそれを行っています。
casperなんかはSEO対策もちゃんとやってて一つ一つのクエリに
対して一つずつLP作ってるほどで、一時期は競合から
違法なんじゃないかって言われるくらい検索で1位総ナメでした笑

テックについて。
ここが結構肝なのですが、デジタルネイティブであり、
各ユーザーの行動とか購入履歴とか諸々のデータを使って分析して
改善を無限にし続けられるんです。


FABRIC TOKYOのスライドシェアより引用

従来のODM(Original Design Manufacturing)は卸売業者に売って、
それを小売店舗が売って、消費者が買うって流れでした。
だからブランドには売り上げとか粗利の情報は届くけど
どういうお客さんがきてて、どこで離脱して、何を買おうとした
とかそういう情報が全然得られてなかった。
しかしD2Cは直で顧客と繋がっているので、その辺がぜーんぶ分かってる。

となるとKPIもODMは売り上げ、粗利だったものの、
D2CはLTV、チャーンレートっていう風にテック企業のそれとなるわけです
上記のメーカーかつメディア企業ってのは今までもたくさんありました。
SPA(Speciality retail store of Private label Apparel)とかもそうです。
しかしそいつらがD2Cブランドを真似ようと思うと、経営方針が変わるので
かなりの部分アップデートしないといけないってなるから入りずらかったんです。

ターゲットの特徴と顧客との接し方

D2Cの特徴としてターゲットがミレニアル世代であることです。
ミレニアル世代の特徴として、
・日本では生まれた時からデフレで安くて良いものを求める
・社会的意義などを重視する
・自分の生活をSNSで情報発信する
などがあげらます。

先ほどのSPAやD2Cの構造を見ればわかると思うのですが、D2Cは仲介がない、しかも最初はリアル店舗も持たないのでかなりコストを抑えて物を
売ることができるので、競合より低価格で勝負できます。
また徹底的に構築された世界観にミレニアル世代は共感します
例えばWarby Parkerは「見る権利は誰にでもある」と言うテーマの元
一つメガネを買うごとに一つ貧困層に届けるといった取り組みをしてます。

Buy a Pair, Give a Pair | Warby Parker
こういうのがミレニアル世代に刺さるんですね。
(ミレニアル世代以外に限らず刺さるとは思うけど、とりわけって意味で)

またマーケの方法も変わってきます。
従来であればマス広告でバーンと売ってそれを見た顧客が小売店で買う、
って構造
だったけど、D2Cは顧客が発信してくれるのを大事にします
顧客であるミレニアル世代が自分達の商品のことをSNSで主体的に
アップロードしてくれます。
そのポストをリポストしたりリワードを
授けたりして顧客が発信したくなるような仕組みづくりを徹底します。
さらにロイヤリティメンバーは自分たちのSlackに入れて新商品の意見を
聞いたり、事前発表会に呼んだりと、まるで一緒の仲間の様に扱います

そうやって顧客はさらにそのブランドの信者となっていくわけです。
そうするとさらにそのブランドの商品を買い情報を発信して・・・
となるわけです。

世界観作りで大事なこと

D2Cブランドの根幹である世界観はどうやってできるの?
一言で言うと「そこまでやるか」に尽きます。
自分たちの世界観を重層的に顧客に届ける必要があります。
創業ストーリーだったりビジョンだったりロイヤルカスタマーの
使い方だったり、それらをどのチャネルでも一貫性を持たせて発信し続ける
ことが大事
です。
しかしその様なことはどのメディアでもやります。
その中でより主張が伝わる差別化としては、どれだけ経済的合理性を無視して自分たちの取り組みにこだわれるか、「そこまでやるか」ができるか
だと思います。
そういう一見無駄に見える気遣い、執着こそが
人の心に訴えることができる
のです。
例えばスーツケースD2Cのawayは「旅を提案する会社」として
スーツケースを売るだけではなくて、旅行雑誌を作って販売しています。
従来の小売ならこういう物はメインプロダクトのための広告であることが
多く、費用もかかったりするのですが、逆にD2Cはプロダクトを売りに
いくことではなくて世界観を伝えていながら、キャッシュマシンの役目も
果たしています。一石二鳥!

投資されるD2Cの特徴

NYのVC、VenrockがD2Cに投資する際の投資基準は
以下の様に言われています
・差別化されており、粗利が高い
・ゼロサム市場である(一人が複数ブランドを使い分けてない)
・既存プレイヤーが小売のみで販売している
・既存プレイヤーがマス広告のみに依存している
・使用データが獲得でき、機械学習によりデータ分析の精度を上げることが
できる

D2Cブランドのジレンマ

ここまでをまとめると
ミレニアル世代のコアなファンに低価格で、自分たちの世界観に基づいた
コンテンツをDirectに届ける、ってのがD2Cブランド
です。
Casperは売り上げが初年度1億円、2年目100億円、3年目200億円、
4年目400億円と凄まじい伸びですが、限界も見えてきてる様です。
佐々木康裕さんによるとその境目が500億円とのこと。
ミレニアル世代だけではなくて、それ以上のZ世代、さらにその上の世代含めたマスを取りに行く必要がある。
そのための施策としてTV広告などのマス向けに一方的な広告をやり始めているのです。
これは昔の小売の施策に逆戻りしており、D2Cの特徴であった、
顧客とダイレクトに相互の関係を築く、ってのと矛盾
が出始めています。
さらにコンテンツに差があまりないので、同じ領域でD2Cブランドが
複数あるとユーザーは選択肢が多すぎて選ぶのに疲れるという、今までの
問題がまた出てきます。

まとめ

とりあえずバーっと駆け足でD2Cの基礎をまとめました。
次号はどういうD2Cが勝ち残って行くのか、
を勝手につぶやことうと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
よかったら「いいね」などしてくれたら嬉しいです!

参考記事・書籍

4年半やってわかった、D2Cビジネスをする上で大切なこと
D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略 (NewsPicksパブリッシング)
www.amazon.co.jp
5つの海外事例から学ぶ、D2Cをあえて選ぶ3つの勝ち筋 | FastGrow
【完全版】D2Cビジネス事例集から分析する成功の秘訣とは Part1
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情報源: D2Cの7割くらいを5分で大体理解する|大住 友輝|note

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