2024年8月17日午前 4:44
[16日 ロイター] – ドイツの製薬・化学大手バイエル(BAYGn.DE), opens new tabグループが取り扱う除草剤「ラウンドアップ」ががんを引き起こしたことに関する法的責任を巡る訴訟で、米フィラデルフィアの連邦裁判所は15日、原告の訴えを退けた。
この判決でバイエル側が法的な勝利を収めたことになる。
傘下に置くモンサント製のラウンドアップに関する法的責任の多くが解消されるとの見方から、16日のドイツ市場でバイエルの株価は13.2%上昇した。
原告は訴訟で、モンサントがラウンドアップのラベルに発がんに関する警告を記載しなかったことが違法であると主張していた。
裁判長は、3人の裁判官全員一致の判断として、連邦法は農薬ラベルの全国的な統一を義務付けており、ペンシルベニア州が発がんの警告に関して追加表示することを認めていなかったと述べた。
今回の判決は、サンフランシスコとアトランタの裁判所が同様の事例で下した判決と異なる内容となった。
原告側が上訴すれば、来年にも連邦最高裁がこの対立を解決する可能性がある。バークレイズのアナリストは調査メモで「この判決は予想外であった」と述べ、バイエルは最高裁が肯定的な判決を下せば「一連の訴訟に終止符を打つことができる」と考えていると述べた。
バイエルは2018年6月にモンサントを630億ドルで買収したが、米国で最も広く使われている除草剤「ラウンドアップ」を巡り、大規模な訴訟を抱えることになった。
バイエルは20年に訴訟の大部分を109億ドルで解決したが、なお約5万8000件の申し立てに直面している。
中には、数十億ドルの損害賠償責任を負わされた訴訟もある。
こうしたことが重荷となり、モンサントの買収以降、今月15日までに株価が73%以上、下落していた。