「1か月前はイギリスも日本と同じだった!」連休前にニュース番組が注目した“衝撃”の事実(水島宏明) – 個人

水島宏明 | 上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
4/25(土) 10:06

 事実上ゴールデンウィークに突入した日本。多くの国民が自宅に“ステイ”を求められる中で、平日最後となる金曜日(4月24日)の放送で各テレビ局の看板ニュース番組は「衝撃的な数字」を示して現状の危機を伝えた。

 衝撃的な数字の数々を見ると、もう日本はすでに市中で感染が広がり、ウイルスを持って外を歩き回る人だらけのイメージが見えてくる。事実、数字で見る限り、日本のいたるところで新型コロナウイルスを持つ人たちが広がっているのが現状だ。

イギリスで1か月前に強制的な外出制限を始めても死者数は56倍に激増

NHK『ニュースウォッチ9』が伝えた。

 イギリスでは約1か月前に外出制限を実施して最初の週末を迎えた。
 3月21日の映像には休日に大勢の人たちが公園で週末を楽しむ様子が映されている。
 3月22日にSNSに投稿された映像には、ウェールズ地方の国立公園の近くでは道路に車のとても長い行列を映したものがあった。
 自然の中なら人との距離を保てるだろうと考えた人たちが大勢訪れていた。
 3月23日、ジョンソン首相が国民へのテレビ演説で「自宅にステイしろ」と重ねて呼びかけ、罰金を伴う厳しい外出制限の措置を発表した。
 其の後、地下鉄や電車の利用が95%現象するなど劇的な変化が起きた。
 しかし、この効果が現れるのは数週間かかるため、感染の拡大に歯止めはかかっていない。
 外出制限が厳格化された3月23日の時点でのイギリス国内の新型コロナ肺炎による死者数は335人。

335人
今の日本とほぼ同数だ。
それが1か月後には
18,738人
 56倍になって2万人に到達しようとしている。
 いまもイギリスでは1日に数百人が死亡しているという。
 感染症や公衆衛生に詳しい専門家はイギリスの経験から日本に警告してる。

(オックスフォード大学ピーター・ドロバック医師)
「イギリスでは外出制限の導入時、すでに感染が全土に拡大していた。
日本も残念ながら、いま同じことが起きているのだろう」
 その上でドロバック医師は日本人に呼びかけた。

(オックスフォード大学ピーター・ドロバック医師)
「いま最も大切なのは日本全体のために大勢が犠牲をはらい、
外出を控えているこの時間を有効に使うことだ。」
 VTRの後で有馬嘉男キャスターのしみじみした語りが印象的だった。

(有馬嘉男キャスター)
「単純比較はできませんけれど、
イギリスは日本よりも強い措置を取ったのに犠牲者が急増した。
そして外出宣言も緩和される見通しがまだ立たないわけですよね。
このイギリスの教訓、明快だと思います。
手遅れにならないよう、外出を控えることです」

 有馬キャスターが「明快だ」と表現したように、日本でも現在の死者数から1か月後に急増してイギリスの現在と同じように56倍くらいの2万人規模になっているか、あるいはそれ以上の数になっていても不思議ではない。

 なぜなら日本は法律上、罰則を伴う強制力がある都市封鎖ができないからだ。
 だからこそ、小池都知事など多くの自治体トップや政府のトップらが「外出自粛」を呼びかけているのだ。

東京都で「陽性率」が高まって死者数も増加している!

テレビ朝日『報道ステーション』が強調して伝えた。
 「陽性率」はPCR検査を実施した人の中で陽性者(ウイルス感染者)の割合を示すものだ。
 1週間ごとの累積を取っている。検査人数には民間の検査機関の数字が含まれていないため、あくまで目安の数字だと番組では説明する。
 「陽性率」と「死者数」を同じ時期ごとに記したグラフで見てみると、4月に入って「陽性率」が急に上がり、上旬に20%を超えたと思ったら、中旬にはすでに35%を超えていることがわかる。
 死者もそれに連動するように増加している。
 東京都の「陽性率」の高さに警鐘を鳴らしているのが京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授だ。
 ホームページで発信し続けている。

(山中伸弥教授)
「アメリカは日本よりはるかに多くの検査を行なっていますが、
陽性率は20%程度で
専門家はまだまだ陽性率が高すぎるので
検査数を3倍は増やす必要があると訴えています、
それが社会活動再開の最低条件だと主張しています。
感染者数のみで一喜一憂するのではなく
真の姿をとらえる必要があります」

 「陽性率」と「死者数」の関係について、欧米諸国のデータを解析したのが千葉大学大学院薬学研究院の樋坂章博教授らの研究グループだ。

(樋坂章博・千葉大学大学院教授)
「欧米とアジアでは感染の広がり方が全く違うので
この数字をそのまま日本に持ってくるのは少し難しいところもあるんですけど
『陽性率』が『7%以下の国』と『7%以上の国』では結果として感染による死者の数が5~10倍違うという結果になっていました。
この7%というのはひとつの基準になるのではないか」
 「陽性率」が7%よりも高いと死者が一気に増える相関が見られるという。

 樋坂教授によると、陽性率が低い国では徹底的な検査が行われていて、結果として感染者の隔離や治療などの早期対策が可能になって死者数を抑えることができていると分析している。

(樋坂章博・千葉大学大学院教授)
「PCR検査は医学的に正しくやる必要があり
まず体制を整えることが大事なのですが、
東京の場合は特に検査の基準を緩めて
多くの人を測らないといけないと思う」

東京都の新たな感染者161人中20代が39人で過去最多

日本テレビ『news zero』が伝えた。
 小池都知事が夕方に発表した都内の新たな感染者の数は161人。11日連続で100人超だ。

(小池知事)
「このところ数日間、(新たな感染者は)130台が続きました。フラットで大地のよう(横バイだったのが)ここへきてパーンと跳ねた感じです」

  厚生労働省クラスター対策班の北海道大学・西浦博教授は記者会見して、東京都の感染者数について様々なデータを調整を施したところ、先週(4月17日頃)に感染拡大のピークを打っているように見える、と発表した。一方で今週は落ち着き始めていると言う。

 上げどまっているのが4月10日頃で、その2週前の時期に小池都知事が外出自粛の要請を強く示したことの影響ではないかと西浦教授は分析した。

感染者は実際には10倍いる?…NY抗体検査の”衝撃”

 TBS『NEWS23』が伝えた。
 新型コロナウイルスによる死者がおよそ5万人のアメリカ。
 ニューヨーク州で食料品店などで3000人を対象にして、新型コロナウイルスの「抗体検査」を無作為に実施した。
 その結果、全体の13.9%が陽性だったと判明した。
  ニューヨーク州全体の感染者は26万3000人が確認されているため、今回の抗体検査での感染率から推計すると、
実際には10倍の約260万人がすでに感染しているとみられる。
 アメリカをはじめ、世界各国の中でも人口あたりのPCR検査の数が少ない日本。

【人口1000人あたりのPCR検査(4月23日時点 英「Our World in Date」より)】
イスラエル    29.98人
ドイツ      25.11人
アメリカ     13.48人
韓国       11.34人
ベトナム      1.92人
日本        1.07人  

 こうした中で厚労省が患者の検体からPCR検査よりも短時間で検出できる「抗原検査」の早期導入を検討しているという情報も短く伝えた。 
 諸外国の例を見ても日本はPCR検査が進まずに本当の感染の拡がりが不明なままに死者が上昇カーブを描いている。
 そうした実態に危機感を覚えながら、各番組が伝えているのが伝わってきた。
 筆者としてはNHK『ニュースウィッチ9』が伝えた1か月前の死者数が心に残っている。
 連休前に335人という数字だったイギリスでは行楽シーズンに感染者を拡大させてしまい、56倍の犠牲者を出してしまった。
 日本ではどうなるのだろう。
 すでに事実上は連休シーズンに入ってしまった。

情報源: 「1か月前はイギリスも日本と同じだった!」連休前にニュース番組が注目した“衝撃”の事実(水島宏明) – 個人 – Yahoo!ニュース

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