仕事も休暇も国立公園で 環境省、ワーケーション推進:日本経済新聞

2020/6/22 11:08 (2020/6/23 5:43更新)日本経済新聞 電子版

自然豊かな場所で仕事と休暇が両立できる環境整備を進める=信濃町ノマドワークセンター提供

環境省は全国34カ所の国立公園などで仕事と休暇を両立する「ワーケーション」を実現できるように環境整備をする。
宿泊施設などへのWi-Fiなどのネット環境整備や設備改修などを後押しする。
新型コロナウイルスを機に、大都市圏から離れて自然豊かな地方暮らしへの関心が高まっている。
訪日客が急減する中、オフィス活用を提案して国立公園の利用を促す。

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国は国立公園の環境を保護するだけではなく利用との両立を目指している。
国立公園への訪日客増をめざし「国立公園満喫プロジェクト」を2016年から始め、20年までに年間430万人から1000万人に増やす目標を掲げた

18年の外国人利用者数は約694万人となり17年比で約16%増えたが、新型コロナの影響で訪日客は激減し、20年の目標達成は極めて厳しくなっている。
環境省によると国立公園内の平均宿泊日数は約1.3日にとどまる。
国立公園でのワーケーションを通じて滞在日数を延ばし、インバウンドの落ち込みを補い、地域経済の下支えも狙う。

自然豊かな場所で仕事ができる環境整備を進める=信濃町ノマドワークセンター提供

環境省は国立公園や国定公園内の施設のほか全国80カ所の温泉地も対象とする。
ワーケーションを紹介する企画ツアーや、オンラインで仕事ができるように通信環境の設備改修などを進める。
宿泊施設を運営する宿泊業者や観光業者らから公募を受け付け、6月末に最大200件の助成先を決める。
6億円の補正予算を盛り込んだ。

ワーケーションは仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた造語。
テレワークを活用して、職場から離れた自然豊かな観光地などで仕事をしながら、休暇も合わせて楽しむ新しい働き方だ。米国で2000年代に広がった。

日本では和歌山県が17年度から取り組みを始めたことをきっかけに、長野県や鳥取県など各地に動きが広がっている。
19年11月には65自治体が参加してワーケーション自治体協議会が発足した。
現時点で89自治体まで増えている。

例えば和歌山県では、白浜町に移転する企業が増えている。
三菱地所が19年5月からワーケーション用オフィスの提供を始めるなど関連ビジネスも広がっている。

企業は有給休暇の取得促進策としてワーケーションに注目する。
日本航空は17年度に試験的に実施し、18年度から正式に導入した。

柔軟な働き方が進み、導入を検討する企業は増えている。
自然豊かな環境に身を置くことで、仕事につながる新たなアイデアなども生まれやすいといった効果が期待されている。

ただ新型コロナ感染症は終息のめどがたっていない。
政府は19日、都道府県境をまたぐ移動自粛要請を解除したが、感染が全国に広がるリスクは続く。
感染を防ぐ対策との両立が必要となる。

仕事と休暇との線引きがあいまいになるという課題もある。
従業員の勤務状況をきちんと把握して評価し、報酬を適切に支払うといったルールの取り決めも今後必要となりそうだ。

情報源: 仕事も休暇も国立公園で 環境省、ワーケーション推進  :日本経済新聞

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