01年4月に徳島市の父子が殺害された事件で、徳島、岡山両県警は20日、殺人容疑で指名手配し、「おい、小池!」のポスターも使って行方を追っていた小池俊一(としかず)容疑者(52)が、岡山市内で死亡していたと発表した。心臓疾患による病死とみられる。徳島県警は同日夜、小池容疑者が暮らしていた同市内の自宅マンションを家宅捜索した。逃走経路や生活実態を調べるとともに、容疑者死亡で書類送検する。【山本健太、五十嵐朋子】
◇逃走11年
両県警によると、今月19日午後9時10分ごろ、同市北区中山下にある自宅マンションのトイレで倒れているのを見つけた同居女性(67)が119番通報。約1時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。
小池容疑者の岡山での職業は不明。通報した女性と05年から同居し、「小笠原準一」と名乗って年齢も55歳と偽っていたという。
20日、葬儀業者が市役所での埋葬許可証取得について話したところ、同居女性が「小笠原準一は本名ではない」という趣旨の返答をしたため、不審に感じて通報。岡山県警が調べたところ、指紋などの照合で小池容疑者と判明した。
事件は、01年4月20日、徳島市の松田優(まさる)さん(当時66歳)の自宅が火災になり、焼け跡から首にコードが巻かれた優さんの遺体が見つかった。翌日には、同居していた長男の浩史さん(同38歳)が兵庫県五色町(現洲本市=淡路島)の草むらで焼死体で発見された。
優さん宅から約4000万円を預けた口座の通帳と印鑑が無くなっていたが、金は引き出されていなかった。両県警の捜査で、父子と遊び仲間だった小池容疑者が浮上した。
徳島県警は専従捜査員を置いて行方を追っていた。04年からこれまでに手配ポスターを108万枚作製し、4389件の情報提供があった。有力情報に対し上限300万円の公費懸賞金もかけられていた。
◇住民「普通のおじさん」
小池容疑者の住んでいたマンションに今年2月に引っ越してきたとび職の男性(23)は「引っ越してきた時からよく顔を合わせていたが、変装などはしておらず、普通のおじさんだった。ポスターの写真とは違って見え、目がつり上がっていた。体形は小太りだった。
最後に会ったのは約1カ月前で、レジ袋を手に提げて部屋に入っていくところだったが、3回くらい振り返って、何か気にしている様子だった」と話していた。【石井尚】
小池俊一容疑者:岡山で病死…徳島父子殺害事件で指名手配- 毎日jp(毎日新聞)
via mainichi.jp