EC市場での勝ち残りを目指した各社の激しいつば競り合いは当面、収まりそうにない
国内のEC市場で勝ち組になるには「アマゾンに負けない強み」を持っていることが欠かせない
■ティッシュ5箱177円
水2リットル97円、ティッシュ5箱177円(セール中)、クリアファイル10枚86円……
ドラッグストア 顔負けの品ぞろえと安さのECサイトが今秋、登場した
オフィス向けEC最大手のアスクル(証券コード2678)がヤフー(証券コード4689)と協力して展開する「LOHACO(ロハコ)」だ
生活必需品を中心に約7万点をそろえ、英ダイソンの最新掃除機など人気商品も割安な価格で売るアスクルの最大の強みは日用品を安く売れること
安さが実現できるのは国内事業所の約3分の1を顧客として抱えているためだ
メーカーと直接取引しており、仕入れにはスケールメリットが働く
注文を受けてから最短20分で出荷できる物流システムも備え、当日・翌日配送を可能にしている
今後は個人向けECサイトでも集客力を高め、17年5月期には連結営業利益 を前期比3倍の500億円にする計画だ高級ホテルや旅館の予約に特化することで築いたブランド力を武器にしているのが一休(証券コード2450)だ
宿泊予約専業サイトのうち「一休ドットコム」でしか予約できないホテルや旅館は9月末時点で64施設ある
ホテルニューオータニ(東京・千代田)では、ネットによる予約のうち、一休経由が約半分を占めるなど、高級ホテルにおける存在感は大きい■個人輸入を身近に
利用者数も右肩上がりだ
主な利用者は40~50代
他の旅行サイトに比べて平均年齢が10歳ほど高く、経済的な余裕がある
宿泊の平均単価は7~9月期平均で2万4551円と、国内ホテルの平均単価(1万934円)を上回る個人輸入の代理サイト「BUYMA(バイマ)」を運営するエニグモ(証券コード3665)の強みは、ビジネスモデルそのものだ
海外に住む日本人が「バイヤー」になり、高級ブランド品などをバイマに出品する
バイマの会員から注文が入ったら、バイヤーはブランド品の店から商品を仕入れ、利益を上乗せした価格で商品を売る
エニグモが間に入ることで、個人同士の取引でありがちな「お金が支払われない」「商品が届かない」といったトラブルを防ぐ
取引が成立したら売買価格の5%程度をバイヤーと購入者の両方から得る
ネット通販、揺れる勢力図 アマゾンなど乱戦 :日経ヴェリタスセレクト:マネー :日本経済新聞