2018年3月6日03時00分
本格出荷を祝って、陸上養殖センターでテープカットがあった=岩美町大谷
お嬢サバの造り=岩美町大谷
「井戸海水」で陸上養殖したお嬢サバは、生の刺し身で食べられるのが魅力。中央が平井伸治知事=岩美町大谷
JR西日本が岩美町で陸上養殖し、「お嬢サバ」と名付けてブランド化を目指しているマサバの本格出荷が5日に始まった。同町の陸上養殖センターで出荷式があり、活魚車に積み込まれた約50匹が関西方面へ出発。「サバの日」の3月8日から、関西のサバ料理専門店や回転ずし店のほか、鳥取県内などで提供が始まる。出荷は5月下旬まで続くという。
お嬢サバは地下から井戸でくみ上げた海水を使って水槽で育てた。寄生虫がつきにくいことから生で食べられるのが特徴。悪い虫をつけずに大切に育てた「箱入り娘」として名付けられた。出荷サイズは体長20~25センチ、重量250グラム程度。青魚独特の臭みが少なく、小ぶりだが脂がのっているという。
マサバの陸上養殖は、県が2012年度に研究を始めた。JR西日本は県との共同研究を経て昨年6月に本格事業化。県栽培漁業協会から購入した稚魚6万匹を育て、このうち2万5千匹が出荷できる見込みだ。今後、稚魚が成魚まで育つ歩留まりを5割以上に上げることを目指しているという。
JR西日本米子支社の梅谷泰郎支社長は「生産・流通をさらに拡大して、ブランドを全国に知らしめたい」とあいさつ。造りを試食した平井伸治知事は「脂がしっかりあって、生でがっつり食べられる」と名物料理への期待を込めた。(斉藤智子)