影響を受けるのは、魚介類だけではありません。「動物プランクトンによるマイクロプラスチック摂取」(Environmental Science & Technology誌)によれば、動物プランクトンもマイクロプラスチックを摂取することが報告がされています。マイクロプラスチックの誤食により脂質代謝に障害が起きるなどの影響が確認されています。
【図5】マイクロプラスチックを摂取した動物プランクトン
緑色に蛍光発光するポリスチレンビーズ(1.7μm-30.6μm)を観察【出典】Matthew Cole et al., “Microplastic Ingestion by Zooplankton,” Environ. Sci. Technol., 2013, 47 (12), pp 6646–6655, DOI: 10.1021/es400663f
さらにマイクロプラスチックはその表面にPCBs(ポリ塩化ビフェニル)などの残留性有機汚染物質(POPs)を吸着させやすいという性質があります。実際に、日本の沖合海域で採取されたマイクロプラスチックから、海水中の濃度よりも高濃度のPCBsやDDE(ジクロロジフェニルジクロロエチレン)などの有害物質が検出されたという事例も報告されています。有害物が付着したマイクロプラスックを生物が食べてしまうことが起きているのです。