ホルモン剤入り牛肉、米国の消費者もソッポ。トランプに握られた日本人の胃袋|日刊ゲンダイDIGITAL

更新日:2019/12/24 06:00

①米国産の安い牛肉には、肥育ホルモン剤が使われていて、健康の面で大いに問題がある。

②だから、EUは30年も前から米国牛肉の輸入を禁止している。

③それなのに、トランプと安倍政権の間で日米貿易交渉が決着し、来年から、さらに大量のホルモン剤入りの安い牛肉が日本に入ってくる。

 ――というのが先週の話だ。
ここでちょっと補足しておくが、EUはなにも米国牛肉を全て禁輸しているわけではない。
米国の反発を受け、その後、肥育ホルモン剤未使用の牛肉は輸入を再開し、輸入枠も拡大している。
ただし、ホルモン剤に汚染された安い牛肉だけは、かたくなに輸入を禁止し続けているのだ。

 もう一つ、強調しておきたいことがある。
日本の家畜には問題の肥育ホルモンは投与されていない。
日本政府は一部について使用を許可しているが、実際には使われていない。
なぜかというと、健康面に危険という認識が家畜業界にあるからだ。

 こう書くと、余計にホルモン剤入り米国牛肉の怖さが浮き上がってくるだろう。
同時に、
「そんなものを、なぜ安倍政権は、規制するどころか、輸入拡大するのか」という疑問が一段と強まると思う。

 しかし、一方ではこんな疑問も浮かぶのではないか。
「米国人だって、ホルモン剤入りの安い牛肉を食っているんだろう?
それなら、大したことはないはずだ」と。

 もちろん、多くの米国人は毎日のように牛肉を食っている。
それも日本人の何倍も。
その結果、何が起きてきたか。
因果関係の立証はともかく、かつて米国では乳がんや、前立腺がんといったホルモン依存性がんになる人が多く、日本人は少なかった。
ところが、いまや日本人も米国人の後を追うように、これらのがんが増えている。 

 最近では、健康志向の米国人や富裕層の間で、がんとホルモン剤に汚染された牛肉との関連が知られてきたせいか、女性ホルモンで太らせた牛肉が敬遠され始めた。
代わって、ホルモン剤を使わず、有機肥料で育てた牛肉や、牧草を食べて育った牛肉が人気になっていて、こうした高価だが安全な肉を取り扱うスーパーや飲食店が急増しているのだ。

 ところが、日本人は能天気なのか、ホルモンに汚染された牛肉でも、安ければ食べてくれる。
米国で消費者にソッポを向かれ始め、行き場を失いつつある牛肉をどうすべきか。
そこで、トランプの出番なのである。

トランプに握られた日本人の胃袋

情報源: ホルモン剤入り牛肉に米国の消費者もソッポを向き始めた|日刊ゲンダイDIGITAL

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