D2Cにおけるビジネス設計のポイントについて…
荒井
D2Cについて説明するときにはいつも話すのですが、D2Cビジネスとは固定費ビジネスではなく変動費ビジネスです。
まずはそのポイントをしっかり理解しておくことが非常に重要です。マスプロダクトでは、プロモーションや流通・店舗の費用、人件費などのマーケティングコストは一般的に固定費です。
固定費は営業利益に関わるコストですが、売上金額に関係なく発生するため、ビジネスの規模を拡大すれば利益率も上がります。一方、変動費ビジネスであるD2Cは、顧客一人当たりの獲得効率をいかに上げるかが重視されるモデルです。
獲得効率を上げれば、コストが下がる。
つまり、コストが変動するわけです。
このコストは売上総利益(粗利益)を構成する要素となります。
獲得効率を上げるためには、顧客の「リピート」を増やすことが重要です。
クライアントのビジネス構造を精査すると、獲得効率が悪いために、売れば売るほど粗利率が低くなり、場合によっては赤字になるケースも珍しくありません。河野
商品戦略や価格戦略、販売戦略など、あらゆる戦略をまとめて考えなければならないのも、D2Cビジネスの特徴ですよね…荒井
…もっとも、D2Cビジネスを構成する変数は、つきつめると4つしかないんです。
「購買単価」「獲得コスト」「離脱率」「購買頻度」です。
例えば、購買単価は商品戦略に、獲得コストは販売戦略に関わってくるのですが、各変数をベースに戦略を構築していきます…河野 貴伸(こうの・たかのぶ)氏
株式会社フラクタ 代表取締役
Shopify 日本エバンジェリスト
ジャパンEコマースコンサルタント協会講師
元 土屋鞄製造所 デジタル戦略担当取締役
2000年から「ショッピング体験のエンターテイメント化」を目指し、EC制作、楽曲制作、CG制作を主体としたクリエイティブ活動を開始。
近年は「Eコマース」から「ユニファイドコマース」への進化に関わる人材育成とコマースを中心としたブランドUXの改善に重点を置いたブランドビジネスの支援、及びコマースプラットフォーム「Shopify」の普及活動を全国で展開中。荒井 友久(あらい・ともひさ)
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局 部長
2012年博報堂入社。
事業戦略・マーケティング戦略から情報システム開発までを一気通貫して支援する、ストラテジックプラニングディレクター。
大手SIerの経営企画を経て、大手メディアサービス企業の不動産広告事業における事業企画・営業推進にて、事業を成長させる事の難しさ・泥臭さを最前線で経験する。
その後、経営コンサルティングファームにて第三者として事業支援を行った後、クリエイティブとの融合による、新しい事業支援のあり方を作るために博報堂に転身。
情報源: 成功するD2Cビジネス設計のポイント フラクタ×博報堂(連載:D2C支援 キーパーソンが語るVol.3) |博報堂WEBマガジン センタードット