台湾で起きた観光革命 | 東洋経済オンライン

地域ストーリーとは、観光において地域の文化、特産、アイデンティティなどを整理し、観光客が滞在期間のなかで経験可能な物語へと具現化させる一連のプロセスのことだ。

カギは「住民との連携、観光地のストーリー化」

…島の生活を把握し、ストーリー化を進め、観光ツアーの行程に取り入れるということである。
たとえば…島民との市場めぐり

そして…話し方の訓練

…半年ほどの時間を経て、地元青年と洪震宇氏は整理した観光資源と発掘した物語を融合させ、馬祖ならではのディープな体験が可能な独自のツアーを作り上げた

…馬祖列島の最南端の島の1つ「東莒島(とうきょとう)」のツアーではこんなアクティビティも誕生した。
「閩東(びんとう)式」という伝統的な建物のテラスで、住民が自ら採ってきた海産物と、地元で栽培された野菜や特産物でハイビスカスティーの原料として知られる「ローゼル(洛神花)」を使った料理を楽しむというものである。
食事と共に、夕日と海という景色を堪能しながら、地元の長老が話す料理や集落の物語を聞き、地酒に舌鼓を打つ。
まさに風土、文化、物語の全てを兼ね備えたツアーである。

…東莒ツアーの責任者である「大浦plus計画」の陳泳翰(ちん・えいかん)氏は、馬祖観光の特性について
「馬祖列島の魅力はスローライフ由来のもので、観光客に生活の本質への回帰を味わってもらえるのが特徴だ。
そのため受け入れツアー数はそんなに増やせないのだ」と説明する。

…6月にスタートした馬祖の体験型ツアーの価格は、2泊3日で1万3000台湾ドル(約4万7600円)だ。
「台北ゆりかご計画」の顏漏有氏は、ツアーのクオリティ維持のため1回の募集人数は10~15人程度、価格も下げることはないと話す。
もしこのラインを崩せば、長期的に見て地元業者は利益を出すことができないのだ。
そんな馬祖ツアーのターゲット層は50歳以上の中高年だ。
顏氏は「1~2万台湾ドルのツアーでも売れるだろう」と自信をのぞかせた。

「ツアーのモジュール化」で価格とツアー数を維持

顏氏は…将来的にはあらかじめ予定が決まっているパッケージツアーではなく、観光客が複数のアクティビティを自由に組み合わせて旅程を作る「モジュール型ツアー」を進めたいとしている。
馬祖ツアーのモジュール化へは2~3年をかけて調整していく予定だ。
「ツアーのモジュール化は容易なことではない。
しかし、一度構築できれば閑散期の不安が減るはずだ。
馬祖の閑散期は9~11月だが、モジュール化ができればこの季節だからこそピッタリの体験旅行を提供することができるのだ」

情報源: コロナ禍で売上90%増!台湾で起きた観光革命 | 中国・台湾 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

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