1→10で成長止まるのはもったいない|nikkei.com

2021年1月11日 0:00

1→10で成長止まるのはもったいない Growth Campの樫田氏
メルカリでデータ分析チームを率いてきた樫田光氏。
独立して2020年4月に立ち上げたGrowth Camp(東京・港)では、スタートアップの成長戦略を支える。

――樫田さんが考える「グロース」の定義を教えてください。

グロースとは価値を創り、消費者に届ける一連のプロセスのことだ。
従来、プロダクト開発とマーケティングの間には分断があった。
データ分析を通じて、プロダクト開発とマーケティングをつないでいくことがグロースの肝だ

「スタートアップにとって一番大切で一番難しいことは、0から1を生み出すことだ。
せっかく0から1を生み出せても、1から10、市場にプロダクトを広げていく段階でつまずくことも多い。
これは非常にもったいない」

――Growth Campを立ち上げた動機は何でしょうか。

「メルカリ在籍時に副業として、他のスタートアップのグロース支援も手がけてきた。
いくつかの企業を俯瞰(ふかん)して眺めたときに『メルカリなら持っているデータを使って解決できるのに』と思うような、もったいない事例も見てきた」

0から1を生み出すのは再現性が難しい領域だが、1から10でサービスを磨き込み、一気に広げる戦略は、再現性を持って実行できるものだと思う

――グロース戦略の重要性は日本でも広く認識されるでしょうか。

「米国のスタートアップでは『グロース』を冠したチーム、肩書が存在する。
日本では珍しいが、グロースというものを広めたいというモチベーションはない。
支援先が成長していくことによって結果的にグロースの認知度が向上すると思う」

Growth Campで扱う案件は8社までと上限を決めている
そもそものサービス、プロダクトの魅力がないと意味がない。
グロースは万能薬ではないが、0→1に成功したスタートアップを支える上で大いに役立つ」

(聞き手は安村さくら)

情報源: 新生ソウゾウCEO「大胆に、柱になる新事業を」: 日本経済新聞

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