「オカンでも説明無しで楽しめる」ように作る、オンラインゲーム。 @gigazine

日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2011」でDropwaveの本城氏によって「ネットワークゲーム時代に求められる、ゲームプランナーの基礎知識」と題した講演が行われました

「まずは自ら課金して廃人になるまでやりこむべし!」ということで、顧客生涯価値(LTV)の最大化を目的としたオンラインゲームの設計、開発および運用法について、本城氏自身の制作経験を踏まえて、講演というレベルを超えて微に入り細に入り赤裸々に経営哲学や制作理念が語られました

本城:
本公演の趣旨を説明させていただきます
コンシューマゲームの開発者の視点から、オンラインゲームの開発、運営について話したいと思っております

本公演の対象者ですが、何年も家庭用ゲームソフトを作ってきてゲーム作りには自信があるのに、会社の命令で無料ゲームを作れといきなり言われて非常に困っていて、いやいやながら作らなくてはならない方
なおかつ、作ったオンラインゲームを運営しろと言われて一体何をやったら良いかまったくわからない方
そういう方を中心にオンラインゲームの運営の基礎からお話しさせていただきたいと思っております

スライドの<もくじ>部分が今日の全体の流れですが、「基礎知識編」ということで、オンラインゲームとコンシューマゲームの違いを話します
その後は用語辞典と書いてますが、これはオンラインゲーム独特の言葉についてです
次にオンラインゲーム設計のポイントになります
良いオンラインゲームの条件というものも書いてますが、これは削ってしまいました
申し訳ありません

3番目に、オンラインゲームの運営の基本的な動き方、さらにコンシューマ経験者が陥りがちな罠というものも話します
私自身もコンシューマゲームの開発者でしたが、初めてオンラインゲームを作ったときにはいろいろな失敗をしましたので「コンシューマゲーム開発者の視点でオンラインを見てしまうとこういう罠がありますよ」という話をします
そして最後に質疑応答したいと思っております

まず、基礎知識編です
最初に、オンラインゲームとコンシューマゲームの違いは「お客様のゲームに対するモチベーションが違う」「ビジネスモデルが違う」「コミュニティ要素が違う」ということです
特にソーシャルゲームと比較した場合、お客様の層が全く違います
ゲームの操作感や難易度も変えなければいけません
あとはお客様のプレイスタイルの前提も大幅に変えなければならないのが注意点です
ではそれぞれ、追いかけていきます

第1にお客様のゲームに対するモチベーションの違いについてです
コンシューマゲームはそもそも5800円を先に払えるほどそのゲームに対するモチベーションが高い人がやっています
それに比べるとソーシャルゲーム、オンラインゲームは「たまたま無料だからやってみた
」という人がやります
ポイントは、「最初にそれだけ払うぞ」という気持ちで始めたのか、「無料だから」始めたのかでは、まったくゲームに対するモチベーションが違うということです

よって、基本的に無料のオンラインゲームを作る時は「たまたま通りかかった一見さんがこそっと入ってきてくれた時に、それをどう逃がさないようにするか」という視点でゲームを作らなくてはいけません
あと、物理的なパッケージが手元に残らないので「ゲームの存在をふと忘れてしまったら二度とゲームに戻ってきてくれない」というところも注意しなくてはなりません

具体的には「最初の5分でその気にさせて、15分で完全にハマる」というような演出をする必要があります
実際にソーシャルゲーム、オンラインゲームをやってみたら、最初はいきなりレベルが上がりまくると思いますが、それはまさにこのためにやっています
「このゲームって凄くイケてるんじゃないの?」とか「これ凄いな」といきなりゲームに注目させ、「明日もやってみようかな」という気にさせるためにそうした演出が入っています

また、翌日もゲームのことを思い出して起動してもらえるような仕組みも入れなくてはいけません
ゲームを今日初めてプレイした人がどこまで行くかをちゃんと計算して、そのプレイが終わる瞬間に凄く心残りなものを置いておくんです
例えば「お宝をコンプしてください」というミッションがあるとしたら、最初30分プレイして「あと2個でコンプできるのに!」というタイミングでふっとゲームを終わらせます
そうすると「気になるな」「それだったらもっと来るのにな」と思って明日も来てしまう
そのようなお客さんの心理を突いて翌日も来てもらえるような仕組みを入れます
これはコンシューマには全くない発想です

第2にビジネスモデルの違いです
コンシューマゲームでは開発チームはただ面白いゲームさえ作っていれば、あとは運営と店舗が頑張って売ってくれたのでお金のことを考える必要はありませんでした
しかし、オンラインゲームでは、ゲーム内のお客様に課金アイテムを自らの手で売らなければなりません
面白いゲームを作るスキルだけではなく、商品設計と店舗運営、そのようなセンスもゲームの企画書に求められます

具体的ã
«ã¯ã€ŒãŠå®¢æ§˜ã®æ¬²ã—くなるアイテムを考えてゲームに組み込まなければならない」ということです
あとで詳しく説明しますが、要はゲームの中でキーになるだろうというアイテムを課金していかなければならない
ゲームの中に販売アイテムの広告バナーを貼ったりアイテムが欲しくなるタイミングで購入ページに飛ばしたり、という普通にゲームショップで店員がやっているようなこと、「今日はこれ少し押してみよう」「ポスター貼っておこう」ということを自らゲームの中でしなきゃいけない
そういうことを気に留めてゲームを作るということです
また、タイムセールやセット販売のように、西友やダイエーがやってるような販売促進手法も全て使える世界なので、それらを研究して自分のゲームの中に組み込んでいかなければならないのも、コンシューマとの大きな違いです

第3にコミュニティ要素の有無です
コンシューマゲームの場合はモンハンやWiiパーティなどのコミュニティ的な部分を重視した例外もありますが、基本的に1人用です
しかしオンラインゲーム、ソーシャルゲームは、フレンドやギルドといったコミュニティ要素が必ず入ります
オンラインゲームにおけるオンライン要素は、継続率を押し上げる非常に重要なファクターです
また、メール、掲示板、グループチャットなどのコミュニティを維持するための手段を必ず入れなければならないのも全くコンシューマゲームと違う点です

具体的には「仲間と一緒に何かをして連帯感を高める」ということが非常に重要です
なぜかというと、オンラインゲームのユーザーはたまたま無料だから入ってきただけで、また明日もプレイする理由は全くないんです
ただし初めてプレイしている30分間の間に人に話しかけられて、武器を強くしてもらって「明日うちのギルドに入ってくれよ」と言われて「分かりました」と答えたら、そこで約束が発生するので「明日も行けないと申し訳ない」「武器くれたし明日もやらないと申し訳ない」という気持ちが働いて、明日もまたログインしたくなるんです

そのような人間関係の習慣を入れて継続率を上げる仕組みがオンラインゲームには必ず必要です
そのためにはコミュニティ要素とメッセージのツールを必ず実装しなければなりません
「メッセージ機能」「自分専用の掲示板機能」「グループチャット機能」は最低限オンラインゲームでは必須であると考えてください

コンシューマゲームでは作らない部分なので、最初は重要性が理解できないと思います
それで初期仕様から漏れたり、「予算足りません」「じゃあこれ削ろう」という時にまっさきに工数削減候補になったりしますが、それは絶対やってはいけないことなので注意してください
コミュニティが盛り上がらないゲームは寿命が短いです

これまではオンラインゲームとソーシャルゲームを混ぜて話していましたが、ここからは特にソーシャルゲームとの違いを説明します

まずユーザー層の違いですが、コンシューマゲームのお客様は高度なコアゲーマーです
いわゆる「鍛えられたオタク」なので、ゲーム機に2万円払っても惜しくないくらいゲーム好きです
それに比べてソーシャルゲームは、ゲーム機1つも持ってないã

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です