産業支援エフビズ休止: 日本経済新聞

2020年5月25日 11:07

不正受給問題について「管理責任があった」と残念そうに語る小出宗昭氏

富士市産業支援センター「f-Biz(エフビズ)」が6月末に事業を休止する。
経営相談があった中小企業に派遣した外部専門家が国から不正に受給していた問題について、運営を受託するイドム(静岡市)社長の小出宗昭センター長は「管理が至らなかった」と責任をとる考えを示した。
一方で、エフビズをモデルに全国に拡大した支援拠点は「それぞれの地域で残る」と期待した。

――事業を休止する理由を教えてください。

「エフビズは相談業務が中心だ。
より高度な支援を行うため、様々な分野の外部専門家を使って高い水準の支援を行おうとした。
中小企業庁が手がける制度を活用して派遣した専門家について、支援先を訪問していない時間分まで不正受給があったと3月に指摘を受けた。
自宅のオフィスで仕事をした分についても2人が受給したが、謝金を返還していた」

「エフビズがお金をもらっていたわけではないが、管理責任者として派遣した専門家の訪問状況を確認していなかった管理ミスは認めざるを得ない。
公的な機関として中途半端な責任の取り方ではダメだと考え、12年間てがけてきた運営受託を返上したいと4月中旬に申し出た。
市から処分を受けたとは考えておらず、合意の上で休止を決めた」

――エフビズをモデルとする各地の拠点の活動に影響が出るのでは。

「全国に『Biz(ビズ)』拠点はほかに22カ所あるが、(休業するエフビズと)同じことはおこりえない。
エフビズは運営するイドムが専門家を派遣できる機関になっていたが、他のビズは行政か行政の外郭団体が直営し(事業休止による)直接的な影響はないと考えている。
モデルであるエフビズが休業になることで動揺はあるかもしれないが、各地域で成果を出しているBizモデルは残ると期待している」

――今後の予定は。

「事業は市産業政策課が引き継ぐので、すべてのデータをまとめてバトンタッチしたい。
6人いる(イドムの)従業員の今後について話し合っている。
(小出氏の)今後は白紙だが、引き継ぎ後にゆっくり考えたい」

(聞き手は静岡支局長 原田洋)

情報源: 静岡の産業支援エフビズ休止 小出氏「モデルは残る」: 日本経済新聞

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