2023年2月12日 12:15
沖縄県石垣市が新たな特産品として開発を進めてきたご当地カレー「石垣カレー」が完成した。
コロナ臨時交付金を活用した「国境の島カレー開拓事業」で5日、島の経産牛と黒糖を使用した甘口・辛口の2種が市役所内の「いしがき市民食堂」で特別に提供された。
試食などで協力してきた八重山農林高校の生徒9人は「スパイスの辛さと黒糖の甘さが絶妙。
ご飯が進む」とアピールした。(八重山支局・粟国祥輔)コロナ禍の影響で売り上げが落ち込んだ土産品店支援が目的で、市は昨年6月に予算化。市内の開発業者とタッグを組み、全国的に広まる「ご当地カレー」市場への参入を決めた。
目玉となる地元食材として、子牛の出産を終えた経産牛と黒糖を使用。
経産牛は再肥育することで和牛としておいしく食べられ、黒糖はカレーの隠し味としてコクが出て相性が良い。同事業は同市新川の下地黒糖加工所と企画・制作業のたしざん(東京)の共同事業体が受託。
料理研究家の冷水希三子さんにレシピ開発を依頼した。
3度の試食会に八重山農林高校の生徒たちが協力し、感想を参考に調整を重ねて2種のカレーを完成させた。「辛口キーマ」は和風だしにうま味たっぷりのひき肉がマッチし、風味豊かな味わい。
「甘口ブロック」はサイコロサイズの牛すじを使い、黒糖をより引き出してまろやかに仕上げている。
いずれも島コショウの「ピパーチ」がスパイスに使われている。レトルト食品で、1パック(180グラム)当たりの価格は千円。
5千パックずつ製造し、土産品店に無償配布する。
店舗は販売代金がそのまま利益になる。市民食堂では特価500円で提供された。
家族と両方の味を分けて食べた公務員の石垣信幸さん(34)は「和牛のうま味が感じられ、満足いくおいしさ」と上機嫌で話した。同加工所の下地寛正社長は今後、民間主導で事業化する考えを示し「ふるさと納税の返礼品にも展開したい。
レシピも幅広く公開し、飲食店や家庭で食べてもらうことで島素材の一層の消費拡大を図りたい」と意気込んだ。
情報源: 和牛のうま味と黒糖のコクがたまらない! 沖縄・石垣市 新たな特産品が完成 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス