ゴールと道のり、問いで設計|ログミーBiz

問いを立てるの1個目は「聴き手とゴールを設定する」です。
誰がどんな状態になればゴールなのかを明確にします。

…結局、相手がどんな人で、何をあげたらどういう状態になってくれるかを明確にするところから始める必要があります。

…3種類のゴール

ゴールは、大きく3種類が存在します。
「行動の変化」と「状態の変化」と「感情の変化」ですね。

行動の変化は、例えば予算を承認してほしい、はんこを押してほしい、使い始めてほしい、DombraCoに実際に登録してほしい、とかですね。

…相手が行動を起こすことを常にゴールにします。基本的にこれが一番難しいです。

一方で、状態の変化もあります。
行動までいかなくても、納得してほしい、「なるほど」と思ってほしい。
あるいは、内容を理解してほしい。
マニュアルや報告書は、けっこう状態の変化をゴールにします。
だから、行動は起こさない。
わかってくれればオッケー。
こっちのほうがどっちかと言うと簡単です。

あと、感情の変化もあります。
喜んでほしいとか、感動してほしいですね。
先ほど、一番最初の良い資料の定義でおっしゃっていた「ワクワクする」は、かなりこれに近いです。
ここがゴールになることもあります。

…一番汎用性が高く、かつ難易度が高いのは、行動の変化です。
どうしてほしいのかを明確にして、それを書くのが大事です。

…いろんな方とお話ししてめっちゃ感じているのが、国語力なんですよね。
パワポって突き詰めると国語です。
文章化とか、文章を書くこととか、文章を読み取ることとか、言語化する、言葉を作ることから逃げると、良い資料は絶対に作れないです。

聴き手とゴールとサマリー。
聴き手とゴールを明確に1行で書くことすら意外と難しいんですね。
ちゃんと言葉にする。
形にして、頭の中だけでとどめないのがすごく重要です。

問いの大事さを示すワーク

2つ目は、「一連の問いを設計する」ですね。
誰にどんな状態になってほしいのかが明確になった上で、問いの設計をやっていきたいと思います。

先ほど「問いは大事ですよね」とスッと言っちゃったんですけど、問いが大事だということをご理解いただくために、簡単なワークをしたいと思います。
問いは、我々をすごく楽にしてくれる道具です。
今からとあるスライドを出します。

5秒数えます。みなさん、これを見てください。

5、4、3、2、1、はい。
じゃあ3がいくつあったかって、神田さんいかがですか?

神田達也氏(以下、神田):
ぜんぜん、1と2までしか数えられなかった。
5個くらいですか?

豊間根:
1と2を数えている時点ですごいです。
そういう問いが出てくるだろうなと予想されているのはすごいんですけど、意味わかんないですよね。

一方で、じゃあ次に「1がいくつあるか?」という問いを持った上で、もう1回同じスライドを見ていただきたいと思います。
はい、いきます。
5、4、3、2、1、はい。
神田さん、何個でした?

神田:
4つです。

豊間根:
4つ、なるほど。
すみません、僕、ミスっていることに気づいたんですけど、1が1個黒いんですね。

神田:
えっ!?

(一同笑)

豊間根:
すみません、これは我々のミスです。
たぶん今、赤を追っていただいていたと思うんですけど、まさかの黒の1が紛れ込んでいるという運営側のミスによって、うまく進まなかった。

でも、いったん我々のミスは置いといて。
みなさん、最初に見た時よりも、1が浮き上がって見えてくる感覚がたぶんあったと思うんですね。
これが問いの力です。

問いとは、大量の情報の中からどこを見るべきかを浮かび上がらせてくれる効果を持っています
かつ、作り手側も問いが明確になっていれば、こんなにたくさんのカラフルな数字を全部書かなくても、1だけ書けばいいわけです。

というふうに、問いを持つと作り手は載せるべき情報が見えて作業が減るし、聴き手も見なきゃいけない、気にしなきゃいけない情報が明確になって、コミュニケーションコストがめちゃくちゃ減るんですね。
作るコストも読み取るコストも減らしてくれる魔法の道具、それが問いです。
だから、問いが大事なんです。

問いを持たずに、大量の情報にがっぷり四つで取り組むと、ただ時間だけが溶けていきます。
必ず問いから始めてください

問いを作る時のポイント

問いを作る時のポイントは、「大きいところから分解する」という話です。
先ほどの概念的な話をする際も、問いの重要性を話した時も、一番大きな問いをまず決めて、でもそれだと答えられないから分解していくという話をしました。

問いは、何回かの段階に分けて、大きなところから分解してください。
今(スライドに)出している一種のロジックツリーは、桃太郎パワポを作る際の問いの分解の流れを示しています。

一番左の「なぜこのサービスに登録するべきか?」が、一番大きな問いですね。
動物たちが「サービスの話をするのはわかったけど、なんで登録したほうがいいの?」(と問う)。
それに答えるのが、先ほどのDombraCoの提案資料の全体の一番大きな問いです。

ポイントは、「なぜこのサービスに登録するべきなのか?」に答えるために、いきなり小っちゃな話をしないことです。

まずは、大きな問いを作ってください。
これを我々は「章の問い」と呼んでいます。
「どんな課題から生まれたんですか?」
「具体的にどんなサービスなんですか?」
「どうやったら登録できるんですか?」という大きな問いに、まず分解をしています。

最後に、章の問いをスライドの問いに分解します。
「どんな課題から生まれたのか?」というと、
「鬼退治はどんな問題を引き起こしているんですか?」
「ピーチボーイはどんな事業を行っているんですか?」
「ピーチボーイ社はどんな問題を抱えているんですか?」
「餌の採集はどんな状態になるんですか?」のように、一番大きな問いを段階を踏んで分解することが、ここでの一番のポイントです。

一番右の小さな問いから断片的につなげてしまうと、全体を通して見た時に結局何が言いたいのかがわからないプレゼン資料ができてしまうので、今からざっくりこういう問いに答えますよ、と大きな問いを作る。

それをさらに小さく分解する。
こういう問いと、こういう問いと、こういう問いがあるから、こういう答えになるんですよ、という階層構造を必ず作ってください。
それが、問いの設計で一番お伝えしたかったことです。

「章立て」は、ググってパクったりChatGPTで作ればいい

一番大きな問いは先ほどのメインメッセージの設定で一定決まっているので、じゃあ章の問いの作り方を考えていきます。

先に言うと、章の問いはぶっちゃけなんでもいいです。
いきなり細かいところにいかずに、いくつかの大きな塊に分けることが圧倒的に大事で、章の問いでそれぞれどんな問いに答えるかはそこまで重要じゃないです。
塊に分けることが大事です。

なので、だいたいお決まりパターンがあるんですよね。
営業資料だったらこうとか、企画書だったらこうとか、報告書だったらこういう章立てがいいよという、だいたいお決まりパターンがあります。

ググったらいいです。
「営業資料 構成」とか
「企画書 構成」とか
「報告書 構成」でググると、こういう章立てで作るといいよというのがだいたい出てくるので、これをパクるのがよいです。

最近では、実はChatGPTは章立ての部分では、けっこう精度高くやってくれます。
「こういう聴き手をこういうゴールに持っていきたいんだけど、どういう章立てにしたらいいですか?」と聞くと、意外とけっこう精度の高いものを出してくれる。
ChatGPTを使うのはけっこうおすすめです。

こんな感じで、ここも言語化が大事です。
なんとなくこういう章立てできるかなって頭の中で終わらせるのではなくて、今回はこういう章にするんだな、ということを言語化してください。

桃太郎パワポの場合であれば、今から「どんな課題から生まれたんですか?」に答えますよ、と。
「具体的にどんなサービスなのか?」に答えますよ。
「どうすれば登録できるのか?」に答えますよ、という大きな問いをちゃんと言語化していきましょう。

資料の構成は常にQ&A

ということで、大きな塊が作れたところで、続いてそれをより小さな問いに分解していきます。

基本的には「具体的には」という問いによって、大きな問いをブレイクダウン、分解していきます。

企画であれば「ターゲットは誰なの?」とか
「どんな価値提供をするの?」
「どんな手法で届けるの?」
「なぜこのタイミングで行うべきなの?」というところをぶつけて、より具体化していきます。

よく使うのは5W1Hですね。
誰に、いつ、どこで、みたいなところをぶつけていくんですが、ここは一定、経験と勘が必要になるところではあります。

…若干歯切れが悪かったんですが、Wordでスライドの問いを言語化していきます。

「どんな課題から生まれたんですか?」という問いに対して
「何が問題なんですか?」
「どんな状況ですか?」
「PB社はどんな事業を行っているんですか?」
「村民はどういうことをしているんですか?」
「それによってどんな問題が起きているんですか?」というふうに、はてなで終わる疑問文で書いていくのはけっこうおすすめです。

資料の構成は常にQ&Aです。
Q&Aを作っていくと、資料の構成はわかりやすくなります

…抽象的な部分から作っていったほうがいいのは、あらゆる仕事でそうです。
よく「企業の戦略は戦術で取り返せない」という話があったりします。
資料も会社も抽象的な部分からブレイクダウンして設計したほうがいいということですね。
大きなところから作っていくことをイメージして作っていくとよいです。

情報源: 営業資料や企画書、報告書の「構成」はググってパクるでいい 資料作成のプロが解説する、章立ての考案よりも大切なこと – ログミーBiz

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