成長したスタートアップを潰してしまう「虚栄マーケティング」に手を出すな | TechCrunch Japan

2019年9月14日 by ゲストライター

2014年、私はロケット宇宙船の1階だと自分で思っていた場所に乗り込んだ。Fling(フリング)は、2014年に急成長したアプリとなり、私は相当気前のいい待遇でその会社のCGO(Chief Growth Officer、最高成長責任者)に抜擢された。今思えば、そこで立ち止まるべきだった。ロンドンに到着して24時間以内に、私はFlingのロゴが入ったハンヴィーに出迎えられた。この特殊車両が一番悪い経費の使い方であるとは、そのときは気が付かなかった。

Flingのマーケティング部門は20人の社員で構成されていた。これは全社員の30%にあたる。これほどの規模のマーケティング部門を本社から離れた場所に置かなければならないスタートアップなんて、ちょっと変だと感じた。私は一人ずつ彼らと面談し、それぞれの専門分野、役割、その人がどれほどの価値を会社にもたらすかを検証した。オンラインユーザーの獲得、ブランド、提携、メトリックスなどなど、彼らの専門分野は多岐にわたっていて、私はなんと、履歴書の文字面だけで彼らの技能に関心させられてしまった。

そこでは資産は無限であるかのように思われ、時間も金も、あらゆる出費は、全体として利益が出る限りは妥当だと感じられた。しかも単独で、おそらく多くの人間(あるいは全員)がプラスの投資対効果を示していた。その結果、「すべてを適正に行っている」にも関わらず、常に現金が不足していた。すべて機能してはいたが、それは持続可能で制御可能なかたちではなかった。そのため最終的に私は、誇大広告に手を染めることになった。マーケティングの肥大化を私は懸念していたのだが、そのとおりになってしまった。会社は、2100万ドル(約23億円)の現金を燃焼した後、行き詰まった。

その責任の一端が私にあることは承知している。出血を止めるべきだった。しかし、何をやってもプラスの結果になった。ひとつひとつの数字を示したり説明したりできる内容ではないが、たしかに結果は出ていた。私たちは世界中のお金と時間を手にしていた。そうでなくなる瞬間まで。

Flingに入る前、私は前の会社が倒産してから、世界で最も人気のあるフィットネスアプリを使って必死に腕の筋トレばかりやっていた。Flingの後は、自ら悪習を身につけ、あまり実入りは良くないが、もっと充実感のある、結果がすべてという仕事を点々とせざるを得なくなった。

私の場合、そしてすべてのマーケッターにも言えると思うが、やりくりの高い資質を養うためには、豊かな環境ではなく、貧困な環境に長い間身を置く必要があった。この環境の違いとは、自分で経験を積んで能力を成長させてゆくか、仲良しのベンチャー投資家のおっぱいを吸い続けるかの違いだ。

しかし、「やりくりの資質」という言葉は誤解を招く。そこには見事なまでの皮肉が込められている。資産が底を突いたときに初めて養われる能力だからだ。

そこで、新しい言葉を憶えて欲しい。「虚栄マーケティング」(Vanity Marketing)だ。

虚栄マーケティングは、企業にとっては魅力的な投資だ。漠然としていて儚く、それでいて満足のいく結果をもたらしてくれる。盛大なパーティーを開いたり、ロゴ入りのハンヴィーを乗り回したり、人が羨む存在になれる。そしておそらく、何かを言えば1万件のシェアやリツイートがつく魔法の「バイラリティー」が手に入る。

あなたは人気者になる。これといって特異なところはないまでも、投資家のほうから近づいてくるような、マスコミが話を聞きたがるような、または「成功者」として非常にセクシーな人物になる。これは、例えば担当する営業部門などが、厳しい目で監視されている市場が少ないという事実がもたらす結果だ。クビにならないというだけで多くの人が生き残れる、巨大にして絶大な力を持つ戦車のようなマーケティングの結果だ。

もし、実力を伴わないまま巨大化したことがスタートアップの死につながるとしたら、マーケティングはその原因となる自覚症状のないガンだ。有り余る資産が体に染みついてしまったマーケッターは、空っぽになるまで資産を使い切る。資本を燃やして会社を成長させれば、マーケティングは簡単に成功するからだ。

起業家を自称するだけで起業家のような顔をしている人たちが大勢いるのをご存知か?マーケティングにも同様のパターンがあることを、私は知った。誰もが自分を「グロースハッカー」だと言いたがる。しかし、SQLやPythonの記述方法を勉強したいという人はいない。

なぜか?セクシーでないからだ。または、CPMや平均注文額、「カートに追加」のユニーク数あたりのコストといったメトリックスほど魅力的ではないからだ。セクシーなのは、新しいオーディエンスを獲得するために(他人の)金を使うことであり、大きな数字が増えてゆく様子を誇示することだ。問題は、土の中に自分の手を突っ込まない限り、自分のマーケティングが利益を生んでいるか否かを実際に知る術がないということだ。何十万ドルも浪費して、何の見返りも得られないマーケッターを私は見てきた。同じだけの経費を出張に使って、1セントも売り上げられない営業マンがいたら、あなたはどう思うだろうか。

大きくなって消えていったスタートアップのほとんどが、なんらかの虚栄マーケティングで大枚を浪費している。それは例えば、一人のユーザーを獲得するために必要な経費とはまったく関係のない支出だ。もしこれを読まれたマーケッターのあなたが、自分は違うと思われたなら私は誇りに思う。と同時に疑わしく感じる。楽しい時間を過ごしたり、CESでパーティーを開いたり、ちょっとだけそれを味わってみるぐらいなら、そして数量化が難しい何かを手に入れるための一時的な試みだと自覚しているなら構わない。「みんなもやってるから」というだけの理由で金を使おうとするのなら、まったく馬鹿げている。

しかしダークな事実として、マーケティングの経費には、その効果をまったく数量化できないものが非常に多い。大枚を叩いたという以外に、現実として実証できるものがほとんどないのだ。

退屈で一貫したマーケティング、つまり分析可能でその本当の効果が理解できる仕事は、大きくてキラキラしたものに比べるとまったく面白そうに見えない。人を驚かせることもないだろう。だが、それが役に立つ。そしてそれが、どこへ行っても成功できる秘訣なのだ。

【編集部注】著者のディック・タレンズ(Dick Talens)はフィットネスハッカーでありグロースハッカー。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

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久米島の人々との「夢つむぐ島」共創プロジェクト: デザイン事例 | NEC

久米島の風景写真
日本国内には多数の有人離島がありますが、その多くで著しい人口減少が見られ、深刻な社会問題となっています。そうした離島のひとつが、沖縄にある久米島です。久米島には、世界第2位の取水量を誇る海洋深層水や豊かな農産物・海産物に恵まれながらも、年々島外への人口流出が進み、現在は人口が8,000人弱にまで減少。このまま島の人口が減り続けると、学校や病院など公共サービスの維持が困難になってしまい、生活にさまざまな支障が出てくる可能性が出てきました。
そこで第2次久米島町総合計画では、2025年の目標人口8,500人の回復を目指し、様々な施策が検討されています。

そうした中、NECは久米島の人々とともに「久米島町まちづくり共創プロジェクト」を開始。デザイナーとして当初からプロジェクトに加わり、島に暮らす人々の課題の発見に努めながら、将来の島を支えていく高校生に向けた人材育成、ICTを活用した新事業の創出など、持続可能なまちづくりモデルを創出するためのさまざまな取り組みを推進しています。

このプロジェクトを国内外の離島や地域に展開することができれば、現地の抱える課題の解決や、新たなビジネスチャンスの創出につなげられると、わたしたちは考えています。

島の人々に話をきく

久米島が抱える社会課題を見つけるために、わたしたちが注力したのが、現地の観察と、島の人々へのインタビューです。できるだけ多くの方とお会いするために、インタビューさせていただいた方から、関係者や友人を紹介してもらうという、口コミのネットワークに加えて、島のほとんどの人が聞いているという、「FMくめじま」にも出演させていただきました。


NEC社員が「FMくめじま」へ出演
こうした、島の人々の協力のおかげで、島内20箇所以上を訪問して、様々な業種の人々にインタビューすることができました。
久米島商工会を訪れて、 嘉手苅一(かてかる はじめ)会長にインタビューした時には、まちづくりには終わりはなく、継続性が必要というお話をいただき、島単独ではできない事業への共創活動を要請いただきました。


久米島商工会会長 嘉手苅一さん
本土の就労経験を経て久米島に戻り、養鶏業を継いだ山城昌泉(やましろ しょうせん)さんは、島で活躍する若手起業家のひとり。島で農業に取り組むうちに、島の外とどうつながって、どのように農作物を売っていくかという問題意識をお持ちでした。この中で、久米島の提供する農産物が、ICTにより、より多くのお客様に届けられるのではないかという期待をお聞かせいただけました。


養鶏家の山城昌泉さん

島の人々と”つどう”

久米島町は、島の外の人達に対して、観光だけでなく、テレワークといった遠隔地就労を通じて、島のファンになってもらいたいという想いから、伝統的な古民家を改造して「仲原家」などのコワーキングスペースを作りました。
ここで、島に移住した人々をはじめ、久米島町への移住(Uターン、Iターン)や、定住を推進する久米島町 企画財政課「久米島 島ぐらしコンシェルジュ」の方々に集まってもらい、ワークショップを実施。
NEC本社会議室と、支店など、多拠点をネットワークでむすび、定住促進や働き方改革をテーマに意見交換を行いました。



コワーキングスペース「仲原家」にて、島の方々とNEC社員がTV会議を実施

島の人々に”つたえる”

人口の減少化は、教育にも影響が及びはじめ、子供たちにとって、学科選択の選択肢が狭まるだけでなく、島の基幹産業である農業の担い手が、将来不足する事が懸念されました。
この問題に対処するため、行政や教育委員会、町商工会、地域住民有志などによる「久米島高校の魅力化と発展を考える会」が発足。NECはこのメンバーと連携して、久米島高校で体験型授業を実施しました。
この取り組みにあたり、NECが島の若い世代に伝えたい事、体験してもらいたい事を検討しました。そのひとつとして、島にいると体験することが少ないAIや顔認証技術。VRなどの最先端技術に触れてもらい、生徒さんに島の未来について考えてもらう授業を実施しました。
また、ユニバーサルデザイン(※)の授業では、専門のゴーグルや重りを付けて高齢者の不便さを体験してもらうインスタントシニアの体験授業を行いました。
この授業の後で、生徒さんから「おじいちゃん、おばあちゃんの気持ちがわかった」という感想をいただき、島のお年寄りの気持ちに寄添う大切さを伝える事ができました。
(※使う人の年齢や性別・能力にかかわらず、誰もが安全・安心に使うことができる製品やサービス作りを目指すデザイン)



デザイナーが久米島高校で実施した体験型授業の様子

「島の夢をつむぐ」ビジョンを描く

このような現場の観察やインタビューを通じて得られた多くの知見や気づきは、付箋に書き留めて記録していきました。


インタビュー内容を書き出した資料の一部。

さらに人々や産業が、島の中でどのようにつながっているかを共有するために、久米島町のマインドマップを作成して俯瞰することで、島のビジョンを考える資料になりました。


観察やインタビューで得た“気づき”を元に作成したマインドマップ

デザイナーが中心となって行ったこうした活動は、久米島町が第2次総合計画として掲げていた将来像「夢つむぐ島 -島人みんなで織り上げる未来-」の方針のもと、「夢つむぐ島」というスローガンに続く言葉として、「つたえる」「つながる」「つどう」「つづける」「つくる」という、「つ」からはじまる5つのキーワードに結実。 これが久米島町に受け入れられて、2018年1月にNECと久米島町が包括連携協定(※)を締結し、これら5つのキーワードが、協定文の一部として採用されました。
(※正式名称は、「久米島町と日本電気株式会社との共創を通じたまちづくりを目指す包括連携協定書」)

資料写真
「夢つむぐ島」の5つのキーワードコンセプト・施策を表現した図

島のビジョンを外へ”つたえる”

久米島とNECの共創活動を紹介するにあたり、島の人々の想いをカタチにした「夢つむぐ島」のビジョンを、島の美しい自然や産業を通じて内外にアピールをするビデオを作成。撮影は久米島の人々の協力を得ながら、地域のさまざまな産業に携わる方々にも登場いただきました。

【沖縄県久米島町 町長 大田治雄(おおた はるお) 様】
「将来的には東京に居ようが久米島に居ようが、仕事としては、こちらでも十分成り立つと思うんですよ この時代ですから」
「思うに、そういう(ICTに長けた)人材を育成しながら、ICTを駆使して事業をできるような」

【養鶏家 山城昌泉(やましろ しょうせん) 様】
「久米島自体が弱いのは、正にこういうITのところだと思うので」

【株式会社 ポイントピュール 大道真悟(おおみち しんご) 様】
「水耕栽培もありますし、農業の温度管理を人工知能を使ってやったりとか」

【島ぐらしコンシェルジュ 石坂達(いしざか とおる) 様】
「華やかな花火を上げるよりも、地道にぽろぽろと、火が点き続けるみたいな」

【株式会社 沖縄長寿苑 日高悠平(ひだか ゆうへい) 様】
「住みやすい、移住もしやすい、沖縄本島に行かなくても用事が済む」

【FMくめじま 宇江城久人(うえしろ ひさと) 様】
「一回出ていく子供たちが帰ってきやすい島にできたら、それこそ人口はキープできるんじゃないかと」

【久米島商工会 会長 嘉手苅一(かてかる はじめ) 様】
「民間も含めて、行政や全ての組織が一体となってやっているところ」
「島が出来ないことを他のところにお願いする姿勢というのは、僕らからも大事なこと」

キャプション:
株式会社 ジーオー・ファーム

キャプション:
沖縄県海洋深層水研究所

キャプション:
島の持つ力と、島を想う人の力が、共創し、未来を描いていく。
久米島モデルとその挑戦は、世界の課題を解決する鍵になる。

情報源: 久米島の人々との「夢つむぐ島」共創プロジェクト: デザイン事例 | NEC

元グーグル幹部が明かす、転職を迷ったときに自分に尋ねるシンプルな質問 | BUSINESS INSIDER JAPAN

わたしは自分が好きなことをやっている?
得意なことをやっている?
わたしを一番必要としてくれるのはどこ?

情報源: 元グーグル幹部が明かす、転職を迷ったときに自分に尋ねるシンプルな質問 | BUSINESS INSIDER JAPAN

【5時から作家塾】清掃からレクリエーションへ 欧州で拡大、「お金を払ってごみ拾い」ツアー – SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

2019.9.6 07:00
・ ヨーロッパで拡大する「観光客による清掃ツアー」

 最近、ヨーロッパの主に観光都市で、街や運河を清掃する観光ツアーが人気を博している。

 参加費は有料だったり無料だったりまちまちだが、参加者は地元のボランティアなどではなく観光客がほとんどで、社会活動ではなく純粋に観光として、レクリエーションとして楽しんでいる。

 清掃活動をレクリエーションたらしめる各社の工夫や文化的背景は何か。日本において発展する可能性は?


観光として人気の「ごみ釣りツアー」(プラスチック・ホエール公式Facebookページより)

・ 急成長中のデンマーク「グリーン・カヤック」

 現在そういったツアーを運営する欧州の会社の中で現在最も急成長中なもののひとつに、デンマーク発の「グリーン・カヤック」がある。

 同名のNGOが2017年にコペンハーゲンとオーフスの二都市で始めたこのサービスは、運河のゴミを拾いその体験をSNSでシェアすることを条件に、初心者でも操縦できるカヤックと、安全なカヤッキングに必要なその他の装備、ゴミ拾いのための道具を無料で貸してもらえるというもの。


グリーン・カヤック(公式HPより)

 まずは無料でカヤックを体験できることに加え、優雅だがありがちな運河クルーズで見るものとはひと味違った運河の景色をじっくり見ることができ、運河やその先にある海をきれいにしたという充実感を味わえる上にSNS映えもばっちりとあって人気を博し、設立からわずか2年で数千人が参加。現在までにアイルランド、ドイツ、ノルウェー、スウェーデンなどに拡大し、今までに水路から回収したゴミは各国で合計18トンというから観光半分の人海戦術もあなどれない。

・ ビジネスとして躍進中の「プラスチック・ホエール」

 一方、ゴミを集めるツアーにあろうことかけっこういいお値段の料金を課し、ビジネスとして大成功を収めているのがオランダ・アムステルダムの運河発「プラスチック・ホエール」だ。なぜ多くの観光客が、ゴミ収集にお金を出すのだろうか?

 全行程2時間半、一人あたり25ユーロの「ツアー」の気になる内容はこうだ。参加者は同社オリジナルのスタイリッシュなボートに乗り、「スキッパー」と呼ばれる案内係から挨拶を受ける。地元に詳しいスキッパーから、地元民としてのおすすめや裏情報を含む充実した観光案内を受けながら運河をクルーズし、そうする間に運河のゴミを手にしたアミで回収する。2時間のボートツアーが終わり上陸した後は、同時刻にツアーをした他のボートと回収したゴミの量を比べ、最も収穫の多かった(もしくは、『いいもの』を回収した)チームが表彰される。

 そしてここがミソなのだが、回収されたプラスチックは、同社のツアーボートに生まれ変わる。ツアーの際に乗船していたボートは、まさに以前運河を漂うゴミだったのである。

 さらに同社は今後地元の家具会社との協働でオリジナル家具ブランドを立ち上げ、利用者が自分で拾ったプラスチックゴミで作った家具を注文できるサービスを始めている。

 運河がきれいになるという充実感に加え、スキッパーからの他にはない観光案内、資源集め競争としてのゲーム的要素の楽しさ、更にその集めたゴミがサステイナブルなボートや家具に生まれ変わるという生産性という、一粒で4度も5度もおいしい点が支持を得て、旅行評価サイトのトリップアドバイザーでも、5点満点中平均4.9点という驚異の高評価を得ている。

 特に学校の遠足や子連れ旅行に人気で、とても楽しい上に運河を漂うゴミを間近で目にし、自分の手で拾う体験は子どもたちに対して「百聞は一見に如かず」的な教育効果があったという書き込みが目立つ。

 同社が特におすすめしている利用は社員旅行に取り入れることで、「私たちが提供するプラスチック・フィッシング競争は、団結力を高めます。ぜひ会社の皆様で運河のゴミを回収し、一体感を味わい、一緒に『収穫』したプラスチックから作られたオフィス家具を愛用してください」とPRに余念がない。


大人たちの子供のような笑顔、非常に楽しそうにしている(プラスチック・ホエール公式Facebookページより)

 これからは「サステナブル」をいかにビジネスにしていくかが世界で課題になっていくことが予想されるが、このプラスチック・ホエールは「エコ」も「金儲け」も昔から大好物としてきたオランダならではの好事例と言えるだろう。


ゴミから作られたとは思えないスタイリッシュな家具(プラスチック・ホエール公式Facebookページより)

・ 日本は「富士山」が有名 欧州「観光清掃ツアー」発展の可能性は

 同様の主旨のツアーは日本国内にもいくつかあり、最も有名なものは旅行会社や新聞社が東京からのバスと清掃後のトークショーなどを含めて毎年企画する「富士山清掃ツアー」だろう。他に1945年の空襲後から綿々と続く皇居周辺の清掃活動である「皇居勤労奉仕」もほぼ毎月開催されているし、アムステルダムのような「ごみ釣りクルーズ」も、実は都内で実施されている。もっと小規模な自治体主導の「清掃ツアー」は各地に多数存在し、主に地元の住民などが社会奉仕として参加し街をきれいにしている。

・ 日本におけるビジネスとしての可能性は

 とはいえ、このような「清掃ツアー」が旅行の一工程として人気を博すには、欧州人の旅行スタイルが背景にある。彼らは夏休みなら最低2週間、長い人なら6週間ほど取って、ゆっくりと「バカンス」を楽しむ。そしてその間もキッチン付きのコテージなどで普段通りの生活をし、気が向けば近所でやっている活動に参加する。それが清掃ツアーであっても楽しそうなら選択肢となり得るだろう。一方私たち日本人はそんなに休みは取れないし、常日頃世のため人のためによく働いているのだから、旅行中くらいは何もしないで羽を伸ばしたい。限られた旅の時間を「清掃」に割きたい人はそう多くないだろう。

 ただ、可能性はあると思う。そもそも最近よく海外ニュースで取り上げられるように、日本人は掃除好きだ。特に業者が学校の掃除をするのが主流である海外において、「日本の子どもたちは学校の掃除を自分たちでするんだって!それによって自分たちがいつも使わせてもらっている場所に感謝することや、きれいに使うことを学ぶらしいよ!」と紹介&絶賛されているのはもう目にタコができるほど(?)見たし、サッカーの試合の後のサポーターによる清掃は世界を驚愕させたのみならず、後に続く外国のサポーターの輪も広がりつつある。

 また、日本人の旅のスタイルも今後変わっていくかもしれない。特にミレニアル以降の若い世代は、旅において贅沢したり、お約束のスポットを観ることよりも、体験やレアなものを見出すことを好むという。

 紹介した欧州の例のように、観光案内やゲームと完全に一体化させて楽しい活動にしてしまうのもいいが、やはりこれからの時代「お得感」「ここにしかない特別感」のほうが強みがあるかもしれない。例えばデンマークのカヤックのように参加者は無料で何かを利用できるとか、拾ってきたゴミの量に応じて何かが割引になるとか、人気キャラとコラボしたグッズを参加者に配布するとか、普段は見られない人気スポットのバックステージをちょっとだけ見せるとか。もちろん学校と連携した教育的な活動として最適なのは言うまでもない。

 今後重要性がどんどん高まっていくであろうサーキュラーエコノミー構築の基本は「ゴミから富を生み出す」こと。こんな楽しいアプローチの充実にも期待したい。(ステレンフェルト幸子/5時から作家塾(R)

情報源: 【5時から作家塾】清掃からレクリエーションへ 欧州で拡大、「お金を払ってごみ拾い」ツアー – SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

(be report)家庭に広がる除草剤・殺虫剤 発がん性や農業被害で欧米は規制:朝日新聞デジタル

2019年8月24日03時30分

写真・図版
身近に広がる農薬<グラフィック・高田ゆき>

 発がん性や胎児の脳への影響が指摘されている農薬が、駐車場や道ばたの除草、コバエやゴキブリの駆除、ペットのノミ取りなどに無造作に使われ、使用量が増えている。代表的なのが、グリホサートの除草剤とネオニコチノイド系の殺虫剤だ。海外では規制が強化されつつあるのに、国内の対応が甘いことに、研究者は懸念を抱いログイン前の続きている。

 「ダイソーさんからは、製造もしないし、販売もしないという回答をいただきました」

 「小樽・子どもの環境を考える親の会」(北海道)の神聡子代表は7月、2万2千筆余の署名とともに小売業者4社にグリホサートやネオニコチノイド系製品の販売中止を要望した。その結果が今月8日、東京・永田町の衆院議員会館で発表された。

 100円ショップ最大手の「ダイソー」を展開する大創産業(広島県東広島市)は、グリホサートについて、在庫がなくなり次第、販売を終了し、酢の除草剤などに切り替えていくと回答した。だが、ほかの3社は「国が認めている」などとして、販売を継続する意思を示したという。

 グリホサートをめぐっては、米カリフォルニア州の裁判所陪審が5月、これを使った除草剤ラウンドアップを製造したモンサントの親会社バイエルに対し、ラウンドアップが原因でがんになったと訴える夫婦に約20億ドル(約2100億円)の支払いを命じる評決を下した。同じような裁判で昨年8月に約3億ドル、今年3月には約8千万ドルの支払いを命じる評決が下された。バイエルは、米国内で1万8千件以上の訴訟が起きていると公表している。

 オーストリア国民議会(下院)は7月、グリホサートの使用を禁止する法案を可決した。欧州連合(EU)で初めての全面禁止になる可能性がある。ドイツ、イタリア、オランダでも個人使用が禁止されたり、米国やアルゼンチン、オーストラリアでは自治体で部分的に禁止されたりするなど、各国で規制の動きが広がっている。率先して販売を中止する企業も出ている。

 ■ヒトへの健康影響、相次ぐ研究結果

 世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は2015年3月、「グリホサートはヒトに対して恐らく発がん性がある」とした。一方、欧州食品安全機関(EFSA)や米環境保護局(EPA)は発がん性を否定。日本の食品安全委員会も「食品を通じてヒトの健康に悪影響を生じるおそれはない」という立場だ。17年12月には小麦やそば、ゴマなどの残留基準値を緩和した。

 健康影響をめぐる議論は続いているが、発がん性以外にも発達障害や腸内細菌の異常、生殖毒性などを指摘する研究結果が相次いでいる。国際産婦人科連合(FIGO)は7月31日、化学物質が胎盤を通過して胎児に蓄積し長期的な後遺症を引き起こす可能性があるとして、予防原則の観点から「グリホサートの使用を全世界で段階的に廃止すべきだ」との声明を発表した。

 グリホサートと並んで海外と日本の対応が大きく違うのが、ネオニコチノイド系農薬だ。EUは昨年4月、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサムの3種の屋外での使用を禁止した。花粉媒介者として農作物生産などに大きくかかわるミツバチの大量死との関係を認めたからだ。胎児などへの発達神経毒性を指摘する研究結果も増えており、米国やカナダ、ブラジル、韓国なども規制を強めている。

 ■日本は基準緩和、研究者から警告

 だが、7種のネオニコチノイド系農薬を登録している日本は、ミツバチの大量死の「原因である可能性が高い」としながら、残留基準を緩和するなどしており、欧米に比べて規制が緩い。コバエやゴキブリの駆除剤、ガーデニング用の殺虫剤、ペットのノミ取りなど、家庭でも広く使われている。

 グリホサートやネオニコチノイド系農薬の国内出荷量は、この20年間に2~3倍に増えている。農水省は、使用量が多いこれらの農薬について、21年以降に新たな科学的知見に基づいて優先的に再評価する意向を示している。だが、市民団体や研究者からは、早急な対応を求める声が高まっている。

 環境脳神経科学情報センターの木村―黒田純子副代表は「日本は農薬が毒物だという認識がなく、基準値以下なら安全としているが、基準には発達神経毒性などは含まれず、安全は保障されていない。科学的にもこれらの農薬暴露が、発達障害を増やし、発がんを起こすなどの実験的証拠が多数集まっている。すぐに使用を中止できないにしても、予防原則に基づいて規制を強化していくべきだ」と指摘している。(編集委員・石井徹)

情報源: (be report)家庭に広がる除草剤・殺虫剤 発がん性や農業被害で欧米は規制:朝日新聞デジタル

知財本部、座長お役御免にあたりまして(中村伊知哉) – 個人 – Yahoo!ニュース

中村伊知哉 | 慶應義塾大学 教授
8/24(土) 8:30

このたび知財本部の「検証・評価・企画委員会」が廃止、「構想委員会」に移行することとなりました。
引き続き委員を務めますが、座長をおります。
座長を務めて10年が過ぎ、お役御免です。

10年前「技術力と並んで日本が強みを持つ文化力(表現力)は「クールジャパン」として世界から評価されているが、産業面でその潜在力を発揮しておらず、ソフトパワーを生かし切れていない。技術力(ものづくり力)と文化力(表現力)の総合力を活かす知財戦略を構成する。」なんて書いてます。

それまでの国内重視・産業振興を、海外重視・インフラ整備に転換することが主眼でした。
1.クールジャパン対策(海外展開)と2.デジタルネット対応(基盤整備)が2大柱となりました。
それは同時に、デジタル化からスマート化へとコンテンツ政策の軸を移す戦略でもありました。
PC+ネット+コンテンツから、スマホ+クラウド+ソーシャルメディア(プラットフォーム)へ。
ぼくの10年の前半はその政策に注力しました。
2013年にはその後10年の戦略として「知財政策ビジョン」を決定しました。
同年、角川歴彦KADOKAWA会長が勧めてくださり、コンテンツ政策やソフトパワー論について知財本部で議論していることを中心にまとめた「コンテンツと国家戦略」を上梓しました。

1.クールジャパン政策は推進会議が設けられ、対外戦術を練ることになりました。ぼくは「ポップカルチャー分科会」の議長も務めました。提言には「みんなが『参加』して情報を発信。政府主導ではなくて、みんな。」と書き込みました。政府の会議で政府主導を否定するものでした。

2013年にクールジャパン機構が設置され、助成金J-LOPなどの措置もあり、資金面での政策ツールが充実。海外市場はこの5年で26%拡大、映像コンテンツは5年で500事業者が新規に海外展開に取り組み、政府が支援した法人の海外売上は2000億円近く増加しています。

2011年からの5年間で、アニメは2.9倍、ゲームは3.6倍。
映画は額は小さいが2.8倍。テレビなどの放送は4.4倍。
海外の売上が伸びました。
これは大変な変化であり、政策の成果があったと評価してよいでしょう。

2. ネット対応は成功していません。
日本全体がIT対応でアメリカに敗北しました。コンテンツも同様です。
ネットワーク配信はマンガ40%、アニメ15%、音楽8%、動画4%と分野により差が大きい状況です。
そして海賊版事業者や海外のネット巨人が脅威となっています。 
マンガはネット海賊版が頭の痛い状況。
アニメはネットフリックスなどが世界の市場を押さえようとしています。
ゲームもグーグルが5Gでのクラウド化を進めていて、構造変化が起きる可能性があります。
音楽は日本はCDが70%ですが、世界は既にサブスクリプションが50%近くで、構造が全く違います。

ただその間、ネット時代に対応するための著作権法の改正、デジタル教科書の制度化など、知財計画を踏まえて制度化に至ったものも多く、制度面での基盤整備は成果を上げました。

10年の後半、2015年からは、ネットやスマホの次のステージが重要テーマに。
流通は5Gとクラウドに移り、デバイス・視聴はIoTやVRなど多様な環境に。
そしてコンテンツビジネスは、AI+データ主導による広告・販売戦略が主流となる。
AI+データが中心テーマになりました。

2016年に次世代知財システム検討委員会、2017年には新情報財委員会が置かれ、それらの座長も務めました。
AI、3Dプリンティング、データベース。
そして、議論はAI知財の議論からデータに関する議論に移りました。
世界をリードする議論だったと自負します。

しかし世界は実態が先行、GAFAやBATという巨大企業と、アメリカ、EU、中国ら強国が主導権を巡りせめぎあい。
日本はG20を本問題の調整場に据えるなど努力していますが、存在感は薄い。

政策面では官民データ活用推進基本法に基づくデータ活用とオープンデータ推進。
そして、PDS(パーソナルデータストア)、情報銀行、データ取引市場の整備。
これらアジェンダはIT本部が中心に推進しているもので、知財本部がサブ的な役割です。
知財政策とIT政策の連携です。

2018年は海賊版対策が注目を集めました。
これも知財とITの融合領域。
4月、ブロッキングに対する政府方針を巡り議論が高まり、対策会議を設置、ぼくが共同座長を務めたものの、審議は紛糾。
10月15日、ブロッキング法制化はまとまらず、対策会議は無期限延期になりました。

海賊版は知財戦略(著作権)とIT戦略(通信の秘密)、いずれも憲法が保障する権利の衝突で、それらの間の調整が重要課題。
それは知財本部、総務省、文化庁など複数の官庁をまたぐ問題でもありました。
同様に、知財・コンテンツとIT・テクノロジーを巡る政策案件は増大すると予測されます。

2019年は13年版に続く第2回目の知財戦略ビジョンを策定しました。
前回はデジタルからスマートへの移行をにらんだものでしたが、今回はSociety5.0、AIとIoTを主眼に据えています。SDGs:少子高齢化、環境エネルギー等の社会問題も背景としています。
担当10年を経て、また次のステージへの進展です。

ぼくが和服になったのも、知財本部が原因です。
「クールジャパン」の議題で、コンテンツにファッション、食、観光など他ジャンルを組み合わせようという議論に。
「だけどみんな洋服じゃね?」
て言ってしまったのです。
複数の委員から「じゃアンタ和服で仕切れ」と仕切られまして。
以来10年。

しばし一委員として和服で参加します。
なお、今後、知財会合は「チャタムハウスルール」でいくとのこと。
これは会議中の発言者を特定する情報は伏せる規則。
なので、ぼくが発言者名を引いて書いていた記事は今後はできません。
ぼくの知財本部メモシリーズ、おしまいです。
閉店ガラガラ

情報源: 知財本部、座長お役御免にあたりまして(中村伊知哉) – 個人 – Yahoo!ニュース

最先端デジタル環境を活用したマーケティングを展開 巨大中国市場をパートナー企業とともに攻略するサンヨー食品 | JDIR powerd by JBpress

巨大中国市場をパートナー企業とともに攻略するサンヨー食品
鍋島 勢理(CDO Club Japan)/2019.3.19

サンヨー食品 取締役海外事業本部長の髙橋勇幸氏。1986年に味の素株式会社入社。タイ味の素、CPC/AJI(アジア)株式会社(ユニリーバ社との合弁会社)、ポーランド味の素、味の素欧州アフリカ本部(フランス・パリ)などを経て、2015年サンヨー食品株式会社に入社

 デジタル化の最先端を行くと言われる中国。中国事業に取り組むサンヨー食品がパートナー企業とともに、デジタルメディアを活用したマーケティングをどのように行っているのか。サンヨー食品海外事業本部長の髙橋勇幸氏にCDO Club Japan理事の鍋島勢理氏が聞いた。(JBpress)

――中国市場で先進的なデジタルマーケティングを展開されているそうですね。

 私どもサンヨー食品グループは、中国では康師傅(カンシーフ)という企業と合弁で事業を行っています。飲料と即席麺という主に2つの事業の柱があります。1999年に同社が経営危機に陥ったとき、弊社が資本参加しました。その後業績は急速に回復し、現在の年間売上高は約1兆円です。

消費行動に大きな変化

 中国市場の特徴は、デジタル化とミレニアル世代の台頭という2つによる消費行動の大きな変化が起こっていることです。

 中国のデジタル環境は、現在の世界最先端ではないかなというのが実感です。それはアリババやテンセントなどのデジタル企業が提供するサービスのレベルの高さだけではなく、それを利用している中国の消費者の数の多さが、日本では想定できないようなレベルだからです。

 中国のEコマース、デジタル広告の市場は2000年代後半から急速に伸びてきています。今のECの市場規模は約123兆円。13億の人口のうち、ECのユーザーが7~8億人いるのです。

 それに連動して、インターネット広告と旧媒体の広告の比率は、今や72%がインターネット広告という状況です。パートナーである康師傅もインターネット広告65%対その他媒体35%となっています。即席麺と飲料という幅広い層の消費者向けの商品のコミュニケーションはインターネット、SNSがメインとなりました。

 もう一つ重要なのは、消費者の消費行動が大きく変わっているという点です。その代表がミレニアル世代(2000年以降に20歳になった世代)で、中国には4億人以上がいます。このミレニアル世代は旧世代と根本的に消費行動が違います。

 若い中国人は、健康・ウェルネス志向が強い、外食の頻度が高い、有名かどうかよりフィットするブランドを自分で見つける、いいものが見つかったらみんなとシェアする、という傾向があります。一言で言えば彼らはデジタルネイティブであり、これまでの世代と根本的に変わってきています。健康志向はどの国のミレニアル世代にもだいたい共通していますが、とくに中国は日本以上に強いなと感じます。

 もう一つ、クチコミや友人からの情報をどちらかというと信頼する傾向があります。中国ならではという面があるかもしれませんが「自分たちが知らない情報を知りたい」というニーズが強く、周りの仲間のメッセージの方がフィットするようです。

――具体的には中国市場でどのような取り組みをされていますか。

 アリババのECサイト「天猫Tmall」で行った取り組みをご紹介しましょう。“ネット発”の話題作りを狙って、プレミアム商品を販売したのです。

 中国のECサイトにとって重要な日が、11月11日の「独身の日」です。この、自分にごほうびをあげましょう、というコンセプトの日にあわせて2018年に限定商品を企画しました。レトルトの肉とフリーズドライの野菜がたくさん入った本格的な麺を作りました。一食25元(約400円)という、即席麺としてはかなり高額なプレミアム商品です。これを1111個限定で発売したのですが、たったの88秒で売り切れました。

オンラインだけでなくオフラインも


中国正月に向けた限定の高額商品。一箱に1食入り

 多少デザインを変えたものを、春節(中国正月)にも限定版で出しました。とくにKOL(Key Opinion Leader)に反応してもらい、スマホでのシェアによる拡大効果を狙いました。さまざまな動画を作り、クチコミでの広がりを狙ったことにより、5億以上のページビューが実現できました。

 同時にポップアップストア(短期間限定の店舗)も展開し、オンラインとオフラインの融合を図りました。デジタルの空間だけの世界ではなくて、リアルなオフラインでの人とのコミュニケーションや周りの人の反応などをいかにオンラインで伝えるか、ということです。

 消費者は商品そのものだけではなく、それを取り囲むコトとかイベントとか、周りの友達の反応だとか、そこにおもしろさを感じています。さまざまなイベントにあわせて話題のある商品を提供していくことによって、新しい消費シーンを作っていきたいと考えています。

 もちろん中国も日本と同じで、デジタルネイティブではない世代もまだ多いですし、その世代もラーメンを食べます。ただ、新しいバリューを持った商品が、やがて従来型の商品、消費者にも反映していくと思っています。

――デジタルマーケティングが有効なのはやはり中国だからなのでしょうか。

 いえ、デジタル環境が整っている国、消費者がデジタルネイティブならば有効です。その前にヨーロッパでデジタルマーケティングをやってかなり成功した経験があります。

 私は弊社に入社する前、味の素で主に海外事業を担当し、タイに6年、香港に2年、ポーランドに6年、フランスに5年という期間、海外駐在をしていました。

デジタルメディアだけで新商品を広告

 スペイン、イタリア、フランスでは現地のパートナーとカップ麺商品を一緒に開発し、若者(ミレニアル世代)を狙ったという経験があります。もともとパスタの国なので、先方の反応は当初「カップ麺なんて売れない」というものでした。でも「若者は違いますよ。サムシングニュー、今までにないものを求めています」とプレゼンして、一緒に商品開発をしました。やってみたら一気に他社をしのいで、発売後3年でトップブランドになりました。

 成功したポイントは話題作りだと思います。最初にやったのは、YouTube、Instagram、Facebook、イベント(コンサートやクラブ)でのミレニアル世代向けのコミュニケーションです。

 SNSで喫食する場面の楽しい動画を消費者自身がYouTubeにアップするという企画などが極めて効果的でした。そもそもカップ麺を食べたことがない人がいるので、食べ方を説明するオーソドックスな紹介ビデオは作りました。そして、クリエイティブなアーティストに曲を歌ってもらうなどの仕掛けをしました。さらに、「この商品について、紹介や提案をしてくれた人をコンサートに招待します」としたのです。そうしたら、一般の消費者が商品を紹介するいろいろな動画を山のようにアップし、それがクチコミで広がっていきました。

 消費者がどうシンパシーを持てるか、ぐっと来るものがなにかは、国によって結構違いますから、よく見ないといけません。伝統的な価値観と今の感覚、そのバランスがとれるところがたぶんあるのです。

 ただ話題になるというだけではなくて、消費者の深いところに刺さることができるか。それが重要です。

――そのためにはデジタルが有効なのでしょうか。

 デジタル系のいいところは、トライアンドエラーがやりやすいことです。マスマーケティングで大型テレビ広告や大キャンペーンをやるのと比較して、低いコストでトライアルができます。ポップアップストアのような店舗を作るのはそれほどお金がかかりませんし、それを利用した動画は全国に一気に配信されます。マスメディア用の制作費と比べると低くできます。

 消費者の価値観や関心は、ミレニアル世代を中心にモノからコトにシフトしていて、どういうことにターゲットの方が共感するのか、今までのリサーチの方法ではなかなかわかりません。

 デジタルマーケティングなら小規模で実験することができ、なぜ反応したか、なぜ反応しなかったかがわかります。「こういう層はこういうところに反応してくれる」ということがわかったら、それをさらに拡大していけばいいのです。この繰り返しモデルがスピーディにできます。ターゲットを、消費者のモチベーションや関心という視点で、いくつかのセグメントに分けることがしやすくなりました。消費者の反応がこれだけよく見える時代はこれまでありませんでした。

 デジタルネイティブと言われる若い層には、その層向きの伝え方があります。イノベーションでどうサプライズを作っていくか、というところが重要です。ネットって通常のものを見てもおもしろくないですよね。サムシングニュー、新しい体験をみなさんが求めていると思います。そこに対応するために、メーカーは技術とイノベーションを磨いていかなければいけないのです。

ビッグデータが無料でオープンに

――そのようなことがとくに中国市場では必要だということでしょうか。

 アリババのEコマースでは誰が何を買ったかというビッグデータが蓄積されています。しかもなんとアリババは会員に無料でオープンにしてくれるのです。さらに小売店での情報を含めたデータ分析のサービスLSTも提供しています。メーカーはそれを見て、ターゲットとコミュニケーションするプロモーションを作っていけます。

 日本ではまずビッグデータをどう作るか、どう集めるかというところから始めなければいけません。POSデータなどがメーカーには開示されていないからです。

 ところがアリババは、日本に来ている中国人がどこで何を買ったかというデータまで持っています。そう、アリペイ(QRコード/バーコードによる決済)を使っているからです。もし中国人向けのインバウンド商売を日本でやろうとすれば、中国人の消費動向を彼らからもらえます。これまでお金をかけてもリサーチできなかったところです。そうするとピンポイントでどこに何をしたらいいかが明確にわかる時代になったということです。

 中国という市場の中での情報量は無限と言っていいぐらいで、しかもほとんど無料で享受できます。これは中国が国家として支援している戦略でしょうし、メーカーとしては乗らざるを得ません。サンヨー食品グループは中国のほか、アメリカ、ベトナム、西アフリカで事業を展開していますが、ミレニアル世代がリードするデジタルトランスフォーメーションは、どの国でも大きなトレンドとなっています。

 真の消費者インサイトを深くとらえ、当社の企業理念である「良い味の創造」を、デジタルマーケティングを中核にして展開していきます。乗り遅れることはできませんから。

情報源: 最先端デジタル環境を活用したマーケティングを展開 巨大中国市場をパートナー企業とともに攻略するサンヨー食品(1/4) | JDIR powerd by JBpress

JA直売所 売上高10億超39店 所得向上に寄与 9割 

2017年8月12日 7時0分 日本農業新聞

 売上高10億円を超えるJA直売所が2016年度は全国で39店に上ることが、日本農業新聞のJA直売所アンケートで分かった。推定売上高5億円以上のJA直売所133店に郵送し、110店から回答を得た。10億円以上の大型店は、愛知、愛媛がそれぞれ4店と最も多く、神奈川、和歌山、沖縄が各3店で続いた。売上高が最も多いのは、福岡県JA糸島の「伊都菜彩」で40億7200万円。20億円台は、和歌山県JA紀の里の「めっけもん広場」、愛媛県JAおちいまばりの「さいさいきて屋」など5店あった。

 今年6月から7月にかけて調査した。売上高、品目割合、開設年、来客数の他、直売所の設置効果や課題(複数回答)を尋ねた。

 5億円以上の店舗数は、関東、東海がそれぞれ25店と多かったものの、東北から九州まで満遍なく分散していることも分かった。

 販売品目は、野菜が34%で最も多く、果物14%、花き10%を合わせると6割を占めた。特に、都市部は野菜の販売が多く、花きは東海、関東、近畿などの花産地が強く、果物は東北のリンゴ、西日本のかんきつ産地などで割合が高い。

 直売所の効果について聞くと、「生産者の所得向上」(90%)「生産意欲の向上」(80%)「地域消費者に好評」(72%)を挙げている。直売所が、生産者の所得向上につながることによって、意欲を高めるという効果が表れている。さらに消費者に貢献している姿も浮かぶ。

 課題について聞くと、「出荷者の高齢化」や「売り上げの維持・拡大」が多く、特に開業してからの年数が長い直売所ほどその回答が目立った。「品ぞろえの確保」「品不足時期の解消」などの回答も多く、品ぞろえが大きな課題となっている。対策として半数の店舗が「提携直売所仕入れ」、4割が「集荷便の運行」に取り組んでいることも分かった。

 開設は、1990年代に愛知県を中心とした直売所ブームに起因。2003年のJA全国大会で直売所設置の促進を決議してから、加速した。回答を得た110店舗も、12年までの10年間で7割の74店が誕生していた。

情報源: JA直売所 売上高10億超39店 所得向上に寄与 9割 本紙調査 – ライブドアニュース

「地域商社の現状と運営のポイント」関する調査レポートをまとめました | にいがたの地域活性化を応援するブログ

2019-04-08
新潟経済社会リサーチセンターの神田です。

近年、少子高齢化や人口減少などによる地域経済の縮小が懸念されています。そのようななか、地域経済の活性化に向けた打開策として、「地域商社」の取り組みが注目を集めています。

そこで今回は、地域商社の現状等についてご紹介したいと思います。なお、県内外における地域商社の事例や運営のポイントなど詳しくは、センター月報4月号「地域商社の現状と運営のポイント」をご覧ください。

地域商社とは
中小企業庁の「中小企業白書(2015年版)」によると、地域商社は「全国ではなく、地域に密着して、地域資源の発掘、地域資源の活用法検討、市場調査、商品開発、販路開拓(商談・ビジネスマッチング)、販売促進活動、販売、メーカーへの販売情報の提供など、地域の生産者の活動を全面的にサポートするとともに、全国(海外)へ積極的に地域の商品(特産品等)を売り込んでいく取組または機能」とされています。

端的にいえば、地域商社とは地域資源を発掘し地域内外への販路を開拓していく存在であり、地域産品を取り扱う卸売業者や自治体が大都市で運営するアンテナショップなども含まれます。また、地域固有の観光資源を活用することで地域外から旅行者を呼び込み、飲食や物販サービスを提供する観光事業者なども地域商社の一つと考えられます。

地域商社の役割
地域商社の役割は幅広く、事業内容や組織体制も一様ではないものの、いずれの地域商社においても「地域資源の発掘」「地域産品の高付加価値化」「地域産品の販路開拓」という3つの役割を担っています。

地域商社の類型
地域商社を、主な活動内容により整理すると、「小売型」「卸売型」「観光型」の3つに分類することができます。「小売型」とは地域内外に店舗や売り場を持ち、地域産品や地域産品を活用した料理などのサービスを消費者に販売・提供している事業者を指します。また「卸売型」は地域の生産者から地域産品を仕入れて地域内外の小売業者や卸売業者に販売する事業者を指します。さらに「観光型」は地域固有の観光資源を活用した観光商品の企画・販売を行うことで地域外から旅行者を呼び込む事業者を指します。

国の取り組み
国は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、地域商社の設立・普及を重要な取り組み分野としており、さまざまな支援策を講じています。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部などがまとめた「地域商社に関する支援メニュー」によれば、「組織・事業立ち上げ」「開発・ブランディング」「市場展開」の3分野で18事業に取り組んでいます。


なお、国によると他地域のモデルとなるような地域商社事業に取り組む「モデル的地域商社」の設立数は2017年度時点で16社となっており、国は地域商社の設立・普及の支援に引き続き取り組むことで、20年までに100社の設立を目指しています。

おわりに
近年、地域経済の索引役として、地域商社の設立に向けた動きが広がりつつあります。地域経済の活性化が求められるなか、地域資源の発掘から販路開拓、地域資源のブランド化など地域に根ざした事業展開が期待される地域商社の存在意義は、今後、ますます高まっていくものと思われます。

情報源: 「地域商社の現状と運営のポイント」関する調査レポートをまとめました | にいがたの地域活性化を応援するブログ